団塊ジュニア・母と二人で暮らす男性「この先とても不安」…日本人の「残酷すぎる年金額」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 14時30分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)などをもとに、働く日本人のお金事情について見ていきます。
「働いて働いてお金を稼ぐ日本人」の今
「勤勉」「よく働く」といったイメージを抱かれることの多い日本人ですが、その働き方のマイナス面について注目され始めたのは、1980年代後半のこと。過労による自殺、突然死の報道が相次いだのです。
時は経ち、現在。厚生労働省の令和元年度の調査を見てみると、月末1週間の就業時間が40時間以上である就業者のうち、週の就業時間が60時間以上の割合において最多を占めているのは、全年代の男性のうち「40歳代」「30歳代」です。
「たくさん働いた分、お給料はタップリもらっている」……そう宣言したいところですが、国税庁『民間給与実態統計調査』(令和4年)を見ると、日本人のリアルなお金事情が明らかになっています。
日本人の平均給与…「こんなにもらってない」の悲鳴
1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は458万円。男女別にみると、男性563万円、女性314万円となっています。
平均給与458万円。ボーナスを考えずに単純に計算すれば、月の収入では約38万円。手取りでは約30万円といったところです。
正規、非正規についてみると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は正規523万円、非正規201万円です。男女別にみると、正規については男性584万円、女性407万円、非正規については男性270万円、女性166万円となっています。
年齢別に詳しく見ていきましょう。20代~60代の平均給与(男女合計の平均)は下記のとおり。
【年齢別平均給与】
20~24歳・・・273万円
25~29歳・・・389万円
30~34歳・・・425万円
35~39歳・・・462万円
40~44歳・・・491万円
45~49歳・・・521万円
50~54歳・・・537万円
55~59歳・・・546万円
60~64歳・・・441万円
65~69歳・・・342万円
「もっとも働いている」40代の平均年収について詳しく見てみると、40歳~44歳の男性が602万円、女性335万円。45歳~49歳の男性が643万円、女性346万円。「もっとも給与が高い」年齢層である50代の平均年収について見てみると、50歳~54歳の男性が684万円、女性340万円。55歳~59歳の男性が702万円、女性329万円でした。
……格差が広がる今、「こんなにもらってない」という声は多く聞かれます。
介護職員として働く吉村さん(仮名/50歳・男性)。バブル崩壊後の就職氷河期を生き抜いたあとも、長らく不況に苦しめられてきた「団塊ジュニア」の世代です。
年金の受給額は?…団塊ジュニア男性の「心からの声」
「母と2人暮らしです。給与は25万円。もらっているほうなんですかね。過労死……は、しないと思いますが、体力勝負な仕事ですから、この先はとても不安です。もともと肝臓と腰が悪いので、自分の身体がダメになったらどうしようと。親のお金をあてにするのは辛い」
厚生労働省『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』では「年齢別老齢年金受給権者数及び平均年金月額」を調査しています。
厚生年金のうち、老齢年金については、受給権者数は全国に1,600万人。平均年金月額は14万3,973円です。下記が年齢別の平均年金月額です。
【60代】
60歳・・・9万4,853円
61歳・・・9万1,675円
62歳・・・6万1,942円
63歳・・・6万4,514円
64歳・・・7万9,536円
65歳・・・14万3,504円
66歳・・・14万6,891円
67歳・・・14万5,757円
68歳・・・14万3,898円
69歳・・・14万1,881円
【70代】
70歳・・・14万1,350円
71歳・・・14万212円
72歳・・・14万2,013円
73歳・・・14万5,203円
74歳・・・14万4,865円
75歳・・・14万4,523円
76歳・・・14万4,407円
77歳・・・14万6,518円
78歳・・・14万7,166円
79歳・・・14万8,877円
【80代】
80歳・・・15万1,109円
81歳・・・15万3,337円
82歳・・・15万5,885円
83歳・・・15万7,324円
84歳・・・15万8,939円
85歳・・・15万9,289円
86歳・・・15万9,900円
87歳・・・16万732円
88歳・・・16万535円
89歳・・・15万9,453円
なお、厚生年金の受給額のボリュームゾーンは「9~10万円」「10~11万円」でそれぞれ約112万人。次いで「17~18万円」が約105万人、「16~17万円」が約104万人と続きます。
年金月14万円。総務省『家計調査(二人以上の世帯)2024年(令和6年)4月分』によると、2人以上の世帯の消費支出は1ヵ月平均31万3,300円ですから、年金だけで暮らしていくことの難しさを実感してしまいます。
吉村さん、痛切な言葉を残しました。
「……僕、年金を納めていなかった時期が結構あって。大学卒業しても仕事に就けなかった時期が長らくあったんです。面接はもちろん何回、何十回と受けましたよ。でも通らなかった。フリーターの時期もありましたが、一切働いてなかった期間もあります。自分の将来の年金は正直期待できないですね」
頑張って働く日本人「自助努力」の行く末
総務省統計局の『労働力調査』によると、世代別にみた就業状態の推移において、団塊ジュニアを含む1970年代前半生まれがその前の世代に比べ、入職初期の失業率、非正規雇用比率が高かったことが明かされています。
また、いわゆる「ポスト団塊ジュニア」にあたる1970年代後半生まれは、完全失業率が大きく低下したのに比べ、非正規雇用比率の低下は小さく、非正規雇用のまま滞留していることが危惧されています。
働けど働けど貯まらないお金。せめて年金に期待したいところですが、少子高齢化が進む現在、大きな期待を寄せられないことは、もはや周知の事実です。国民全体に「自助努力」が求められている現実を、受け止めるしかないのでしょうか。日本人の暗い行く末は、もう目の前に迫っています。
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