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約半世紀勤めた会社で定年間近の64歳男性、1年前に執行役員を役職定年→継続雇用も…65歳以降は再雇用を選択しない「給与以外」の意外な理由

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 11時15分

約半世紀勤めた会社で定年間近の64歳男性、1年前に執行役員を役職定年→継続雇用も…65歳以降は再雇用を選択しない「給与以外」の意外な理由

(※写真はイメージです/PIXTA)

人生100年時代、金銭面でも“生きがい”の面でも、「定年後のキャリア」の重要性が増しています。定年を控えた会社員は自身の「定年後のキャリア」をどのように考えているのでしょうか。金澤美冬氏の著書『おじさんの定年前の準備、定年後のスタート 今こそプロティアン・ライフキャリア実践!』(総合法令出版)より、現役世代の“生の声”をみていきましょう。

会社に残る道もあったが…再雇用を選択しなかったワケ

サラリーマン生活からマインドチェンジを。定年後は特に“自分らしさ”を追求―― 百中宏幸さん(64歳/定年後再雇用、65歳退職後は起業を目指しリ・スタート)

<略歴>

1957年三重県生まれ。高校卒業後、関東の総合化成品メーカーに就職(住宅設備機器事業部門配属)。以来、職住近接の工場勤務の後、本社に転勤。

その後、分社化やファンドへの売却などで社名が2度変わることを経験したが、ほぼ半世紀1社勤務。その間、5回の異動を経験。後に都内の子会社取締役を経験後復帰、59歳のときに愛知県の子会社に転属し、単身赴任を初体験。

2020年63歳で執行役員の役職定年を迎え、以降は継続雇用でWEBマーケティングと人財育成業務の後進の育成(サポート)の一担当となる。同時期に新型コロナでテレワークとなり、介護が必要な親元の三重県に引越し。以降、65歳起業にむけて、学びと出逢いに投資中。

家族は現在茨城県の自宅に妻と長男が暮らし、嫁いだ長女は県内で円満な家庭を築いている。次男は20歳のまま天国から見守ってくれている。

<資格・取り組み>

アドラー式価値観ファシリテーター、予祝講師資格取得。

現在、WEBマーケティングのビジネススキルアップと並行してより人間力アップの学びを優先。アドラー心理学や「ワクワクしながら夢を描き切ることで成功する!」日本古来の予祝メソッドを学び、実践している。

――百中さんは、現在64歳で現役でいらっしゃいますね。

百中:はい。2020年5月役職定年の際、再雇用を選択して残り2年を後進の育成の一担当として会社に残っています。退職まではあと1年足らず……という時期です。

――定年後は、どんな働き方、過ごし方をイメージされていますか?

百中:ひと言で言うと、定年後も「ワクワク働いて笑おう!」です(笑)。人の役に立つことで、自分がイキイキする働き方をしたい。人生100年時代のセカンドキャリアをワクワク愉しむ人を応援する仕事ができたら良いなと考えています。

サラリーマン生活のなかで「失われていくもの」

セカンドキャリアには様々な捉え方があると思いますが、突き詰めると「自分らしさ」が肝なのではないかと思っているんです。サラリーマンを長いことやっていると、「自分らしさ」というものを失う人が多い気がします。

普通に勤めていれば、毎月お給料をもらえる。自分自身を振り返ってもこれは本当にありがたいことですが、一方、会社を退職した後、いざハローワークに行って「60歳以上の求人はありませんか?」と言っても、すごくミスマッチで狭き門だと聞きます。そして、「どんなことができますか?」と聞かれた際「管理職です」と言っても仕事があるはずないですよね。

10数年前の先輩は60歳から年金がもらえ、悠々自適に見えました。今は、様変わりですよね。将来70歳まで年金受給ができない時代も来る。その予測のもとで、そのために今何ができるかを考える。

サラリーマン経験を活かせる再就職は「かなり厳しい」という現実

私はまだまだ会社に残ってやりたい仕事もありました。でも役職定年を機に65歳からのリ・スタートの道を考え始めた。

最近は高齢者向けの転職サイトができたり、会社が退職後の働き方に対するサポートなどを行うところもあるようですが、それも限られたものだと思います。

つまり、何十年か過ごしたサラリーマン経験を活かせる再就職はかなり厳しい、と早めに認識しておく必要があると感じます。

「定年退職した後の仕事でも、年収6割は欲しいな~」なんて話も聞きますが、これも甘いと思います。ここに早く気づいて、何をするかが大事だと思います。そうすれば現役年収の6割も夢じゃない。

それどころか、やり方次第では現役時代を上回る可能性もあるのでは。そう思うだけでワクワクしませんか。

これらを含めて考えると、私自身もまさにそうなのですが、「手放すと得られる」ことを知る。定年退職を機にまずマインドチェンジをしなければならない。

サラリーマン生活が長い人のズレた考えにダメ出しするのではなく、そういった方に対し「60歳からの生き方・あり方」をサポートできるような仕事を退職後に行っていきたいと思っています。

百中さんが思い描く「定年後の自分」とは

――今お聞きした定年後のイメージは、ある程度の期間をかけて考えていらっしゃったのでしょうか。

百中:いえ、当初はちょっと違ったんですよ。昨年、父が亡くなったのですが、この前後は“老活[おいかつ]”ということにテーマを絞ったサポートの仕事ができないかと考えていました。亡くなる直前、あるいは体が動かなくなってから様々なことを整理したり考えるのではなく、「前もって計画的にやりましょうよ」という活動を支援していきたいと思っていました。

しかし、50代の方にとっては、まだこういったイメージがしにくいようで想定していたペルソナ(人物像)が少ない。

「では、今の50代の人たちはどんなことを考えて、どんなことをやりたがっているのか」ということを知りたくて、おじさんLCCの門を叩き参加させていただくようになりました。 ※おじさんLCC:定年前後の活動を考える、男性・女性のためのライフキャリアコミュニティ

参加されている全員の方とお話をさせていただいたわけではないですが、おおむね「60歳になったら会社の延長雇用を受けずに、自分自身で生計を立てるなど、新たな道を探りたい」といった人が圧倒的に多い。

私自身、コーチングの勉強をしていることもあり、老活サポートではなく「自分らしさ」を一緒に見つけてセカンドキャリアに導いていくようなサポート事業ができれば良いなと思っています。その中で老活のニーズがあれば含めるというカスタマーファーストで。

――そのサポートの仕事を目指すにあたって、目下の課題はどんなことでしょうか。

百中:私自身が実践を積んでいかなければいけないこと。自分自身は普通のサラリーマンの中では様々な体験をしてきているし、コーチングも学んでいる。でも、サポートの実践経験はまだまだ足りないので、こういった経験を増やしていかなければいけないと思っています。

金澤 美冬 おじさん未来研究所 理事長/プロティアン株式会社 代表 株式会社YEデジタル 社外取締役

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