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子どもは映画制作・演劇事業以外は<労働基準法>により働けないと聞きました。たまに「女子高生社長」「小学生起業家」が誕生するのはなぜですか

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月12日 8時15分

子どもは映画制作・演劇事業以外は<労働基準法>により働けないと聞きました。たまに「女子高生社長」「小学生起業家」が誕生するのはなぜですか

日本は労働基準法により、映画の制作または演劇の事業以外で子どもが働くことはできません。一方で「女子高生社長」や「小学生起業家」として起業し、社会で活躍している子どもたちもいます。それは一体なぜなのでしょうか? 本記事では金融教育プランナーの盛永裕介氏監修の書籍『子どもにもできる資産形成 いますぐ知りたいお金のしくみ』(マイクロマガジン社)より一部を抜粋・再編集(監修者による加筆・修正等を含む)し、「子どもと労働の関係性」について解説します。

子どもも働ける?

子どもが働いてよいかどうかは労働基準法という法律で決められています。労働基準法の中で子どもは年齢により3つに分けられ、それぞれ許可される仕事の種類や働ける時間が決められています。

13歳未満の子どもができる仕事は、主に映画や演劇、モデル、音楽活動などの芸能分野に限られます。つまり子役やモデルであれば、労働基準監督署長の許可をとり、働くことができます。

なお、労働基準法は、他人に雇用される場合の規定なので、自分で会社をつくったときには直接は当てはまりません。

子どもを守る労働基準法

労働基準法は、働く人を守る法律です。子どもが仕事をするとき、働く子どもを守るための決まりもこの法律で定められています。

年齢ごとに決まりを3つに分けている

18歳までを3つに分けて、決まりを定めています。

未成年者を守る法律 

15歳になってからむかえる4月1日〜18歳未満、つまり中学校を卒業したら、いろいろな仕事ができるようになります。しかし、まだ未成年であるため、この年齢の子どもを守る法律が定められています。

<未成年者が働くときの大切な決まり

  • 保護者などが未成年者にかわって、職場と仕事に関する約束(労働契約)をしてはいけない
  • 労働契約が未成年者にとって不利な場合、保護者などが解除することができる
  • 保護者などが未成年者にかわって賃金を受け取ってはいけない

※参考:労働基準法第六章第五十八条・第五十九条(未成年者の労働契約)

子どもが会社をつくる方法

会社の設立や運営について守らなければならないことを定めた法律を会社法といいます。会社法では、会社を設立できる年齢は定められていません。つまり、何歳でも会社をつくれるのです。

しかし、会社をつくるときに必要な印鑑登録証明書は15歳以上でしか取得できないため、実際には15歳以上でなければ難しいですが、親権者の同意があれば取得可能です。そのため、未成年でも親と共同で起業すれば15歳未満でも会社をつくることができます。

株式会社の設立の流れ

1. どんな会社か決める

会社の名前や場所、仕事の内容、会社設立の手続きをする人(発起人)などを決めます。

2. 会社の基本情報(定款)を作成&役所で認めてもらう

会社のルールなどをまとめた書類(定款)をつくり、公証役場という役場で認めてもらうことが必要です。

3. 会社を運営するためのお金(資本金)を銀行に振り込む

資本金の振り込みは、会社設立に必要な書類「払込証明書」を作成するために必要です。

4. 会社について知らせるための書類(登記書類)を作成

どんな会社か皆に知らせる(商業登記する)ための書類を作成します。

5. 登記書類を法務局へ申請する

会社がある場所(本店所在地)を管理している法務局へ、代表取締役が書類を提出します。

※会社を経営、運営する人を取締役といいます。会社には3人以上が取締役になって会社について決める取締役会を置く会社と、取締役会を置かない会社があります。取締役会がある場合、そのなかから代表者(代表取締役)を決めることもあります。

発起人が未成年の場合に必要なもの

発起人が15歳以上の場合

  • 本人の印鑑登録証明書
  • 父と母の実印を押印した同意書
  • 父と母の印鑑登録証明書
  • 戸籍謄本

発起人が15歳未満の場合

  • 父と母の実印を押印した同意書
  • 父と母の印鑑登録証明書
  • 戸籍謄本

未成年が会社を経営、運営する場合

15歳以上の場合

取締役、代表取締役、どちらにもなることができます。

15歳未満の場合

取締役会がないと、取締役になれません。取締役会をつくり、取締役になることはできますが、代表取締役になることはできません。

12歳で起業した加藤路瑛さんにインタビュー

インタビュー対象:加藤路瑛(じえい)さん

■加藤路瑛さんの経歴・活動

2018年、中学1年生(12歳)のときに親子起業で株式会社クリスタルロードを創業。親子起業支援事業を経て、2020年、中学2年生のときに、自分の悩みごとでもある感覚過敏の問題を解決するために感覚過敏研究所を立ち上げる。

視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった感覚が過敏なことで悩む人のために、商品の開発や販売、大学との共同研究、感覚過敏の課題を社会に伝える活動などをしている。

Q1. 12歳のときに起業したのは大変でしたか?

大変なこともありますが、それ以上に楽しさや、やりがいを感じることが多いです。子どもの起業のよい点は、生活費を稼ぐために事業をしなくてもいいことです。住む場所や食事は家族に助けてもらうことが多いでしょう。

ですから、お金を気にせずに本当にやりたいことに集中することができます。また、大人から応援してもらえたり、力を貸してもらえるたりすることも多いです。

Q2. 起業してみて思っていたのと違ったことはありますか?

会社を作ること自体とても簡単だったことです。難しい書類の用意はすべて司法書士にお願いしましたが、あとは法務局に行って書類を出すだけでした。

「中学生なの? すごいね。がんばってね」というような反応があると思っていたのに、事務的に書類が受け付けされ、あっさりと会社ができてしまった感じでした。

Q3. 起業するときは司法書士に頼んだんですね。

はい。自分ですることも可能ですが、年齢によって必要なことなど調べながらするのは大変です。司法書士にお任せすると、作業は楽になり、時間もかかりません。

同じように、会社の仕事でのお金関係は、税理士にお任せしています。専門的な知識が必要なことは、専門家に頼るのがいいと思います。

Q4. いろいろな仕事をされていますが、どうやって仕事になりそうなことを見つけていますか?

「困っていること」から見つけています。どうしたら解決するだろうと考えることが仕事に繋がっていますね。

Q5. たとえばどんなことがありますか?

今、一番力を入れている仕事、感覚過敏研究所の運営は、まさしく自分が困った経験を生かした仕事です。感覚過敏によって食べたいものが食べられない、カラオケに行きたいけれど音でつかれてしまう……。

そんな人たちでもやりたいことをあきらめなくてよい社会をつくりたいと思い、研究、商品開発、講演会などを行っています。

Q6. 働いていて楽しいのはどんなときですか?

自分がつくった商品やサービスで、人に喜んでもらえたときです。お客さんから「つくってくれてありがとう」「おかげで悩みが解決できた」など、感謝の気持ちをいただいたときは、頑張ってよかったとうれしくなります。

最後に……みんなへのメッセージ!

やりたいと思った気持ちをとじこめないで、まずはまわりの人に伝えてみる!

子どものうちに会社を立ち上げたり、お金を稼ぐのは大変ですが、まわりの協力を得ることで、一人ではできなかったことができるようになります。

金融教育プランナー・JAM ACADEMY 学長

盛永裕介

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