まさかの落とし穴で大損も…不動産業界の元トップセールスマンが警告する「不動産投資の潜在リスク」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月6日 10時15分
不動産投資の成否を分ける「リスク管理」。そのリスクは市場変動や資産価値の下落など確認しやすいもののほか、通常は隠れて見えづらいものも。不動産企業のトップセールスマンだった齊藤郁織氏は、そのようなリスクによって大きな損失を被る投資家を多く見てきたといいます。不動産投資でしっかり資産を築いていけるよう、不動産投資の3つの潜在リスクに加え、その対応策についても解説していきます。
潜在リスク(1)…賃料減少リスク
不動産は、永遠に同じ状態ではいてくれません。建物が古くなったり、人口が減り需要が減ったり。様々な賃料減少リスクが存在します。逆に、開発が進んで地域の人気が上昇したり、インフレが進んで賃料が上がるというポジティブな変化も考えられます。
とはいえ、不動産は大きな買い物になるので、ネガティブな要因を織り込んでも良いと思える物件なのか、しっかり確認したい……。
そこで判別するカンタンな方法を教えます。それは『未来の近似家賃を探すこと』です。検討している物件が築10年で、購入後15年ほど保有を考えている場合、同エリアの間取りや広さの条件が近い築25年の物件を探してください。賃料は築年数に応じて下がるので、15年後の賃料イメージの参考になるはずです。
ラッキーなことに、今はポータルサイトを検索すれば簡単に物件情報が手に入る時代。自分の手で探せます。将来のことは誰にも読めませんが、「15年後にはこの程度まで賃料が下がる可能性あり」とイメージしておくだけでも大きな意味があります。たとえ賃料が下がったとしても、それは自分の許容できる範囲なのかしっかり検討しておくことで、リスクを織り込んだ意思決定をしてください。
潜在リスク(2)…修繕積立金の変動リスク
次に「修繕積立金」について解説します。
これはマンション共用部(外壁やエントランス等)で将来おこなう修繕に備えて、オーナーが管理組合に毎月支払うべきお金です。この修繕積立金、基本的には時間経過とともに増えます。マンションが古くなればなるほど、修繕に必要なコストは上がるので、それをまかなう金額も上がるというのは、感覚的にも理解しやすいです。マンションを買う際には、「修繕積立金はこのままの金額が続く訳ではなく、増えるのが前提」という感覚でリスクを織り込んでおきましょう。
なお管理組合は普通、「長期修繕計画」を作成しているので、それに基づいて将来の修繕積立金の変動が予想できる可能性があります。実はこれは営業マンが把握している場合があるので、直近の大規模修繕の予定、また増額が予定されてないかを聞いた上で購入を考えるといいかもしれません。
潜在リスク(3)…設備交換費用変動リスク
賃料や修繕積立金の変動のほかに、「設備交換費用」の発生も織り込んだ上で不動産投資をすることをお勧めします。
ここまで、家賃の下落や修繕積立金増額の要因としてマンションの老朽化のお話をしましたが、老朽化するのはマンションの建物自体だけではありません。各部屋の設備(エアコンや浴室乾燥機等)も同じ様に古くなります。そして、古くなった設備の交換費用はオーナーの負担となります(入居者の過失による場合を除く)。
一般的に、設備は15年程度が交換の目安とされています。また、区分マンションの場合はすべての設備を交換すると数十万円程度の出費となると言われています。
よって、築年月から15年毎に50万円程度が発生すると見込んだ上でマンションを買えば、より正確な収支の見込みを立てて投資の意思決定が出来ますし、購入後も設備交換費用が想定外の支出となることを防げるかと思います。
※ややこしいのですが、「設備交換費用」はいわゆる専有部分である各部屋にかかるもので、建物の共用部分(外壁やエントランス等)の修繕のために積み立てる「修繕積立金」とは別の支出となります。ご注意ください。
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