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病院の待合室をうまく利用しよう!精神科医が教えるプチずぼら派の情報収集術

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 11時0分

病院の待合室をうまく利用しよう!精神科医が教えるプチずぼら派の情報収集術

(※写真はイメージです/PIXTA)

老後は病院の情報をどのように収集するといいのでしょうか? 精神科医の保坂隆氏は、による著書『精神科医が教える ずぼら老後の知恵袋』の中で「プチずぼら」を推奨しています。一体それはどんなことをすればいいのでしょうか? 具体的な方法を本書から紹介します。

待合室は情報収集できます

人間、年齢を重ねればどこかにガタがきますから、病気や体の不具合とは上手につきあっていかねばなりません。しかし、若い頃は「そのうち治るだろう」と楽観的に考えられたことも、歳を重ねると「もっと悪くなったらどうしよう」「本当にこの治療でいいのだろうか」などと、いらぬ心配をしがちですね。

くよくよ考えていても症状が良くなるわけでもなく、多くは取り越し苦労というケースもありますが、そんなときは、ぜひ病院の待合室をうまく利用したいもの。具体的には、知りたいと思っている情報を集めたり、「○○がつらいですよね」「どうやって痛みを紛らしていますか」など、愚痴をこぼしあう仲間づくりです。

とはいえ、待合室で隣に座った人に「何の病気ですか」「どんな薬をもらってますか」「どのくらい通っているんですか」などと立ち入った話をいきなりしてはいけません。これではまるで事情聴取でしょう。待合室でのそつのない話題といえば、病院のことがいいでしょう。たとえば、「今日は混んでますね」とか、「こちらの先生は、説明がわかりやすいと評判ですね」といった話です。

相手のリアクションがいまひとつの場合は、それ以上話しかけるのはやめ、もし話に乗ってくるようなら、徐々に自分の知りたい情報を話題にしてみましょう。今はインターネットを使えば、評判の病院を調べることもできますが、自分にとって良いかどうかは、いろいろな人の話を聞いた方が判断しやすいもの。

せっせとあちこちの病院に通うという手もありますが、そこはプチずぼら精神を発揮し、診察を待っている時間を利用して欲しい情報を集めましょう。実際、私の知り合いも、持病で通院している病院の待合室でよく顔を合わす人と仲良くなり、「鍼灸院なら○○がいい」「○○になったときは、▽▽先生がよく診てくれてよかった」「こんな体操をしたら、腰痛が改善された」などの情報をもらって、助かったと話していました。

「いい男」「いい女」はちょっとずぼらなタイプ

一人暮らしのシニアが増えています。パートナーとの離婚、死別、そもそも結婚していないなど、事情はさまざまです。その後、結婚するかしないか、一人で暮らすか否かは別としても、やはり人間、死ぬまで異性を気にしていたいものです。こんなことを話すと、「いい歳をして恥ずかしい」と言う人もいるかもしれませんが、異性へのときめきは、生きるうえで大きな原動力ではないでしょうか。

ところで、同性ばかりが集まる趣味のサークルももちろんですが、時には男女が入り交じる集まりにも顔を出すことがあるでしょう。このとき、「異性の目がある」というだけで、背筋がしゃんとし、心が華やぎ、女性なら薄くメイクをしたり、いつもより明るい色の服を選んだりしませんか。

男性ならきちんとひげをそり、襟元がきちんとした服を選ぶなど、いろいろな変化が見られるでしょう。「次はどんなことを話そうかな」「次は何を着ていこうかな」とワクワクする気持ちが生活に張りをもたせ、アンチエイジングや脳の活性化にも効果があるのです。もう一歩進むと、それが「恋」に発展し結婚へと進んでいくケースも、最近では珍しくありません。

はじめのうちは一緒にお茶を飲んだり映画を見たりといったデートで満足だったけれど、次第に、残された時間を寄り添って生活したいという気持ちになるのは、人間としてごく自然なこと。歳をとっても恋心を忘れない「いい男」「いい女」でいることは、人生を彩り豊かにしてくれることと思います。

ただ、面白いことに、あまりおしゃれに気を配りすぎる人は、異性に人気がないそうです。普段の自分を感じさせるような自然な服装で、話し方も態度も、「自分はこんな人間だから」と無理をしない人が好かれるとか。なんだか、プチずぼら派には心強いではありませんか。

介護サービスは遠慮せずに

日本人はもともと他人に気を使い、「自分より他人を優先する」ような遠慮深いパーソナリティを持っています。「我慢は美徳」「人様に迷惑をかけてはいけない」といわれて育ったシニア層は、その色合いがより濃いかもしれませんね。

こうした特徴は良い面もあれば悪い面もあります。私の知っている老夫婦のケースをお話ししましょう。そのご夫婦は、共に80歳を超え、二人だけで寄り添うように暮らしていました。息子さんと娘さんがいるのですが、息子さんは独立して遠方に住んでいて、娘さんは夫の転勤に伴って海外生活。だから、子どもたちにはほとんど頼らず、自分たちだけで生活のさまざまなことを乗り越えてきたのです。

ところが数年前、ご主人が脳溢血で倒れ、その後、在宅介護が始まりました。民生委員さんの手助けなどもあり、さまざまな介護サービスを受けられ、周りの人たちからは、「ヘルパーさんが来てくれるのなら助かるわね」「お医者さんや看護師さんが家で診察してくれるのだから、手間が省けてよかったわ」などと言われました。

しかし、いざ介護サービスが始まると、奥様がどんどんやつれていき、ついには倒れてしまったのです。本来なら、いろいろ楽になるはずなのに、どうしてこんなことになってしまったのでしょうか。実は、この奥様は人一倍、「他人に迷惑をかけてはいけない」という気持ちが強い真面目な性格だったため、家まで来てくれる医療スタッフに失礼がないように、少しでも負担をかけないようにとがんばりすぎたのです。

たとえば、訪問サービスのある前日は、家の隅々までピカピカに磨き上げ、さらに夫の体もあらかじめきれいに拭き清めました。そのおかげで、ご主人は部屋をあちこち移動させられたり、ごしごしと体を拭かれたりと、ある意味、いい迷惑。しかし、奥様にとっては、完ぺきな妻として振る舞うため必死だったのです。

介護サービスのスタッフも、「こんなにきれいにされていると、どこを掃除していいのか……」「爪も体も清潔にされていて、私たちが手出しするところがないほどです」とこぼすほど。老老介護の夫婦の負担が減るようにと計画された訪問介護や介護サービスですが、これではかえって夫婦の負担が大きくなってしまい、本末転倒です。

何でも人に頼るのは良くありませんが、これはちょっと行きすぎのケース。人は誰でも、一人で生きてはいけません。誰かの力を借りたり、誰かに力を貸したりして生きているのです。介護サービスもそのひとつ。介護を受ける人がいて、介護をする人の仕事が成立しているわけです。

体と心に染みついた「人に迷惑をかけない」という精神も、歳をとったら「今までたくさん人を支えてきたんだから、これからは支えてもらおう」と、シフトチェンジしていきましょう。  

保坂隆

保坂サイコオンコロジー・クリニック院長

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