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70歳以上世帯の平均貯蓄「2,503万円」だが…どんどん露わになる日本人の「恐ろしい経済格差」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月4日 19時15分

70歳以上世帯の平均貯蓄「2,503万円」だが…どんどん露わになる日本人の「恐ろしい経済格差」

(写真はイメージです/PiXTA)

「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 総務省『家計調査報告〔貯蓄・負債編〕2023年(令和5年)平均結果の概要 (二人以上の世帯)』などとともに、「日本人の貯蓄」事情について見ていきます。

高齢世帯「平均貯蓄2,000万円超え」

少子高齢社会となって久しい日本。令和4年の総務省の調査では、15~64歳人口の割合は59.4%となっており、過去最低であった前年と同率の数値を記録しています。一方で65歳以上人口の割合は「過去最高」を更新しました。

総務省『家計調査報告〔貯蓄・負債編〕2023年(令和5年)平均結果の概要 (二人以上の世帯)』より、年齢別・二人以上の世帯の貯蓄現在高について見てみると、40歳未満「782万円」、40歳~49歳「1,208万円」、50歳~59歳「1,705万円」、60歳~69歳「2,432万円」、70歳以上「2,503万円」となっています。

60歳以上の世帯では、軒並み2,000万円超え。老後資金を十分に用意している高齢世帯が多いといえるのでしょうか。

二人以上世帯全体の平均では1,904万円、世帯主が会社や官公庁等に務めている勤労者世帯に限っては1,474万円となっています。

「そんな貯金ないよ……」との声も上がりそうな金額です。それもそのはず、日本では、経済的格差が深刻化している現状があります。

株式会社野村総合研究所の調査によると、2021年、富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多となりました。その数及び保有資産額の推計は次のとおりです。

超富裕層(5億円以上)・・・9.0万世帯/105兆円

富裕層(1億円以上5億円未満)・・・139.5万世帯/259兆円

準富裕層(5,000万円以上1億円未満)・・・325.4万世帯/258兆円

アッパーマス層(3,000万円以上5,000万円未満)・・・726.3万世帯/332兆円

マス層(3,000万円未満)・・・4,213.2万世帯/678兆円

あまりにも途方もない金額に、愕然としてしまうところです。

深刻化する格差…「超富裕層(5億円以上)」は9.0万世帯

「こんなにお金があるなら困ることなんて何一つない」と思いたくなるところですが、日本の富裕層が頭を悩ませ続けているのが、税金の問題。

特に日本の相続税は「3代で財産がなくなる」と言われるほど高額です。たとえ「今」お金持ちでも、「次の世代で」お金がすっからかんになる、というのは現実に起こっている事態なのです。

相続税では「3,000万円 + 法定相続人の数×600万円」が控除の対象となります。つまり、その金額を超えてしまった場合は、相続税が発生します。

どうにか税金を抑えたい日本の富裕層。需要あるところに、供給あり。高齢化が進む今、「相続(税)対策」を掲げるビジネスが跋扈している現状があります。

相続対策としてよく語られることの一つが賃貸経営。「賃貸物件を建てることで、相続税がガクっと減りますよ」と謳う不動産営業マンは少なくありません(ざっくばらんな説明ですが、特例の活用など、その実情は複雑です)。もちろん適切な対策をしてくれる業者なら問題ありませんが、悪徳業者が存在していることも確かです。

“営業マンは、この節税効果ばかりを強調し、アパート経営のリスクやデメリットについては、ほとんど語りません。例えば、借入金を返済していくことで債務控除の効果が年々減少することや、今後の人口減少等による空室リスクなど、アパート経営に非常に重要な部分についてのものです。

しかし彼らは噓を言って受注を取っているわけではなく、借入れによるアパート建築の節税効果は紛れもない事実です。何が問題かというと商品を提供する側(ハウスメーカー等)に有利な情報しか伝えない点です。リスクを細かく説明すると受注が難しくなるためあえて説明しないでいるのです。

たとえ説明をしたとしても、さらりと行うだけで、なかにはキチンと説明せずに提案書等の末尾に小さい文字で記載してあるだけということも多々見られます。これが提案する側のやり方です。”(成島祐一著『相続財産は"不平等"に分けなさい』幻冬舎MC・2018年12月)

恐ろしい争いを防ぐ…高齢化社会で生前対策する意義

目先の税金対策に目がくらんだ結果、かえって大損をしてしまうことに……とは、相続界隈ではよく聞かれる話。家族のためを想った相続対策に魔の手が潜んでいるのです。

相続税を「払わない」のではなく、「払えない」事例も相次いでいます。現金として保有していたならまだしも、相続財産が不動産だった場合。「たくさん財産をもらったんだから、相続税を支払ってください!」と国に言われても、いやいやそんな現金ないですよ……という悲惨な事態に陥る例が少なくないのです。

2060年、日本人の平均寿命は男性84.19歳、女性90.93歳になると推計されています(内閣府HPより)。高齢化に伴い、相続対策はますます重要視されていくことでしょう。

税金対策を主とした「相続『税』対策」は確かに一定の資産を持つ方に限った話ですが、自分の死後、資産をどうするか?という「相続対策」は、必ず直面する問題です(それはもちろん、現金などの『プラスの財産』に限らず、借金などの『マイナスの財産』を含みます)。

相続には法定相続人という考え方があり、「あの人だけにお金を託す!」と本人が意気込んだとしても、そう簡単にはいかない仕組みになっています。だからこそ、生前対策をしたつもりでも、故人のお金をめぐり恐ろしい争いになる例が絶えないのです。相続のプロのなかには、「財産を使いきるのが最強のトラブル防止策」と断言する人も少なくありません。

どんな選択を取るにしろ、まずは情報収集から。自分はどうしたいのか?というゴールを明確にした上で、逆算的に生前対策を講じるには、早め早めの準備が大切です。

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