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手取り24万円・30歳男性「母が生活費を…」親子共働きのリアル

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月5日 13時30分

手取り24万円・30歳男性「母が生活費を…」親子共働きのリアル

(※写真はイメージです/PIXTA)

少子化、人口減少の過酷な日本。縮小していくであろう国内経済を見据え、令和を生きる日本人はどのように資産形成しているのでしょうか。「日本人の生活のリアル」を見ていきます。

「親と同居」する30歳既婚男性の本音

内閣府によると、2025年、75歳以上の高齢者は2,180万人となると予測されています。さらなる「超少子高齢社会」が眼前にせまるなか、現役世代はこの現状にどのような思いを抱え、資産形成をしているのでしょうか。

竹中さん(30歳・男性/仮名)。2つ上の妻、息子と娘、そして現在60歳になる実母とともに生活しており、月の収入は30万円、手取りでは24万円ほどになります。奥様は妊娠を機に退職しており、現在は専業主婦として2人の子どもを育てています。

「ボーナスが支給されるので、年収は450万円ぐらいです。父が亡くなったことをきっかけに母と一緒に住むようになりました」

竹中さん一家が暮らすのは、首都圏近郊の2LDK。家賃は月8万円です。

「5人で2LDKは、僕としてはなかなかしんどいです。母に一室を用意していて、もう片方の部屋で妻と子どもと僕の4人で寝ていますが、『自分の時間が欲しいな…』と思うときがあります。いずれ戸建ては持ちたいですね。子ども部屋だって用意してあげたい」

マイホーム願望を語る竹中さん。現在の貯蓄状況を伺うと…。

「貯金は、どうでしょう。平均値がわかりませんが、そこそこあるほうではないでしょうか。独身のころから続けていた預金200万円と、結婚資金として妻の両親からいただいた300万円、あわせて500万円ぐらいです」

金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(令和5年)によると、2人以上の世帯において、金融資産(預金・株・投資信託等)の保有額は、平均値「1,307万円」、中央値は「330万円」となっています。

親との同居について、思う節はあるのでしょうか。

「母は今60歳ですが、近所でパートタイムの仕事をしていて、僕たちの生活費も援助してくれています。その意味でも同居はありがたいです。妻と姑の関係は…悪くないと思いますけどね。日中は仕事で僕はいないので分からないけど、土日の様子を見る限りは普通です。料理は僕の母が結構作っています。妻はもっぱら子育てって感じです」

「母はいずれ、老人ホームに入ると言っていますが、まだまだ先の話だと感じています。健康そのものですし。しばらくはこのまま、『親子共働き』の状態がベストかと」

貯金1,500万円夫婦が直面した「老後2,000万円」問題

続いて、桐本さん(59歳・男性/仮名)。フリーランスの翻訳家として働きながら、同い年の妻と夫婦2人で暮らしています。現在の貯金は夫婦合わせて1,500万円。老後への心配はないのでしょうか。

「私の場合、定年とかないですからね。フリーとして働き始めて10年近く経って、収入はかなり安定しています。健康だけには気を付けたいところですが、体力勝負の仕事でもないので、今後も働き続けるつもりです。年金は繰下げ受給します」

前述の『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(令和5年)では「老後の生活への心配」についてもアンケートをとっています。

老後の生活について「心配である」と回答した世帯は78.5%で、「それほど心配していない」世帯は21.6%となりました。なお「心配である」と答えた世帯にその理由を聞いてみると(複数回答)、「十分な金融資産がないから」が68.1%、「年金や保険が十分ではないから」が49.3%となりました。

「『老後資金2,000万円』には足りない貯蓄ですが、年金を繰り下げる分、受給額は増えるはずなので、その金額に期待したいところです」

年金受給額の平均値はいくらほどなのか。厚生労働省年金局発表『令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)受給者の平均年金月額は、老齢年金が14万4,982円です。国民年金受給者の老齢年金の平均年金月額は、5万6,428円となっています。

老後資金について不安も多いなか、お金のプロはこんな指摘もしています。

“老後必要な金額というのは、「いくらの収入を得られるか」「どのような暮らしをするか」によって、家庭ごと大きく異なるということです。もし、65歳を過ぎてもアルバイトなどで3万円程度の収入を得られたとしたら、無理に生活費を下げずとも、3万円を補填した暮らしができます。さらに生活費を抑え、補填額が少なく済むようであれば、もっと少ない老後資金でも問題ないのです。

とはいえ、一点だけ、現状「生活防衛資金」が十分でない場合は、留意すべきといえるでしょう。

生活防衛資金とは、体調を崩したり、生活上必要不可欠な高額なものが壊れたりするなど、万が一の事態に対処するための資金のことを指します。少ない額からでもいいので、不要な支出を今からカットし、毎月この資金を貯金することが大切です。取り組み自体が、老後の支出を抑える生活に直結しますので、準備が早すぎるということはありません。

このように、「漠然とした不安」が、段階を追って「具体性を持った問題」へと変わっていけば、不安は軽減されていきます。自分の将来が不透明だったとしても、表面的な部分に飛びつき不安になるのは、本当に無意味なことなのです。”(関連記事『年金受給見込み額「17万円」、老後が不安…貯金もできてない』横山光昭氏)

桐本さん、高齢化社会についてこんな思いを打ち明けました。

「私や妻は、今からどんどん老いていきます。子どもにはもちろんのこと、世間様にも迷惑はかけたくないですが、だからといって『高齢者の自助努力』には限界がある。私は働き続けるけれど、それは単純に運がよかっただけですし、この先どう転ぶかも分からない。不安はもちろんあります」

「ゆくゆくは老人ホームに入るんですかね。実父を看取ったときに思いましたが、高齢者世帯の生活は本当に大変です。誰かがいつでも駆けつけてくれる状態でいないと、後々大変なことになる。老い先に楽するためにも、今はお金を稼ぎます」

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