ほったらかしていたら4年で2.4倍、9,400ドルが2万2,800ドルに…「アンティークコイン投資」で英国王室の金貨が跳ね上がったワケ【サラリーマン投資家が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月18日 17時30分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
サラリーマンが投資をするのに勤務中、気が気でないようなものは避けたほうがよいでしょう。では、常に見張らなくてすみ、値動きが激しくなく、ほったらかしにできる投資先とは…? 本記事では、サラリーマン投資家の松田二朗氏の著書『臆病なサラリーマンが見つけた!5年で資産を倍にする「ずぼら長期投資」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集し、アンティークコイン投資ついて解説します。
年利10%超のリターンをねらえる「ずぼら長期投資」の実例
私は個別株のように値動きの激しいものへの投資は控え、ほったらかしにできる投資信託や実物資産への投資を活用して資産形成しています。
ここで気になるのは、「将来的に値上がりが期待でき、長期間ほったらかしにしておける実物資産」なんて、そう簡単に見つかるものなのだろうか、ということだと思います。ここでは、具体例として、可能な限り値動きが少なくほったらかしにできる投資商品として、私がアセットアロケーション(資産配分)に組み込んだ実物資産を紹介します。
「アンティークコイン」です。
実例「アンティークコイン」:英国王室が人気…4年で2.4倍の価格になったものも
アンティークコイン投資についてはすでにご存じの方も多いかもしれませんが、コインを購入し長期間保有することで価格上昇をねらう投資です。
アンティークコイン投資は安定的に年利10%のリターンをねらえる投資なのですが、中にはイギリスのジョージ6世の5ポンド金貨のように、4年間で価格が2.4倍になったコインもあります。このコインは、2014年9月に9,400ドルだったものが、2018年8月には2万2,800ドルになりました。2024年5月時点で498万円で販売されているものもあります。
このコインがなぜこんなに高騰したのでしょうか?
私が考える理由は、映画「英国王のスピーチ」の影響です。吃音に悩むジョージ6世が周囲の力を借りながら克服していくストーリーで、ご存じの方も多いと思います。
もしこの考えが正しいとすると、金価格そのものやコインのデザインだけではなく、話題性でも価格が大きく変動することになります。地金の金では考えられないことが起こるのは、アンティークコインの面白さの1つだと思います。
私がアンティークコイン投資を始めたのは、貴金属に興味を持ったからです。
それまでは、株主優待ねらいで株を買ったりしたほか、投資信託や海外不動産の投資経験はあったのですが、金やプラチナのように、世界的に価値が認められ安定的に高価格取引されている貴金属にも興味がわいてきて、調べ始めました。すでに投資をしていた知人の紹介で知り合った投資アドバイザーがアンティークコインのことを詳しく知っていたので、話を聞くことにしたのです。
初めはオンラインで話を聞き、現物を見るためにアドバイザーのところに行きました。そこでいくつかのコインを見せていただき、この1枚というコインの購入を決めました。アンティークコインは発行枚数に限りがあるので、時間とともに枚数が減ることはあっても増えることはありません。
つまり、コインそのものの希少性は時間とともに高まる傾向にあり、コレクターがいなくならない限りその価値が毀損することは考えにくいのです。これが、アンティークコインが高い利回りを期待できる理由の1つです。
量産品でないので適正価格がわかりにくいのですが、オークションが定期的に開催されていますので、どのコインがどのくらいの価格で取引されたか実績を確認できます。適正価格でアンティークコインの売買をしたいのであれば、日本コインオークションのようにアンティークコインに詳しい専門業者が介在するオークションを活用したり、詳しい専門業者に代理で売買してもらったりするのがいいと思います。
金貨の価値と魅力
前述のジョージ6世の5ポンド金貨のように、アンティークコインの魅力は見た目のデザインのよさもありますが、金属そのものの希少価値もあります。
アンティークコインは通常、金や銀でつくられますが、私は金貨がいいと思っています。理由は2つあります。
1.埋蔵量が限られている
2022年4月現在で採掘済みの金は約20万5,238トンで、価値は11兆9,000億米ドルを超えます(WGC〈World Gold Council〉の調査結果)。これまでに採掘された金の供給量は、オリンピック公式競技用プール3杯弱しかない上に、地球上に残る金の総量は7万トン前後と言われていて、プール1杯半です。
鉱山での生産によって毎年3,400トンの金が追加されており、単純計算すると残り20年ほどで地球上の金をすべて産出してしまいます。やがて金がこれ以上採掘できなくなったら、価格は今よりも上がっていくことが予想されます。
2.保存が楽
銀は空気中の硫黄分と反応し硫化銀の被膜をつくり、これが黒ずみとなり変色の原因になりますので、保存方法に気を使います。金はこのようなことがないので、銀に比べて保存が楽です。
アンティークコインを国別に見ると、フランスやロシアなどもありますが、やはりイギリスの人気が高いと言えます。特に、イギリスの造幣局であるロイヤルミントに在籍した伝説のデザイナー、ウィリアム・ワイオンの代表作である「ウナとライオン」「ゴチック・クラウン」「スリー・グレイセス」は、今でも根強い人気があります。
1839年、ヴィクトリア女王の即位を記念して発行された「ウナとライオン」ですが、2019年に復刻版として再発行されたものでも入手困難で、世界中で高値で取引されています。右手に笏を持ったヴィクトリア女王がライオンを率いていますが、ライオンはイギリスの国の象徴であり、ヴィクトリア女王がイギリスを率いていく先を示していると考えられます。まさに、イギリスそのものを象徴した金貨です。
スリー・グレイセス、ゴチック・クラウンも、ウナとライオン同様に復刻版として2020年、2021年に再発行されましたが、いずれも高い人気を誇ります。どのコインもデザイン性が素晴らしく、多くの人がその価値を認めており高値で取引されています。
松田 二朗
サラリーマン投資家
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