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団塊の世代に続き「しらけ世代」「新人類世代」「バブル世代」が高齢者市場に参入…令和は高齢者マーケティングの〈黄金期〉と言えるワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月24日 11時45分

団塊の世代に続き「しらけ世代」「新人類世代」「バブル世代」が高齢者市場に参入…令和は高齢者マーケティングの〈黄金期〉と言えるワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

平成中期の失敗から、高齢者はマーケティングの対象外とされたも同然の扱いでした。しかし、これから「高齢者マーケティング」が最も過熱する時期に突入すると、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーを務めた経験もあるマーケティングアナリストの原田曜平氏は指摘します。そこで本稿では、原田氏による著書『「シニア」でくくるな! "壁"は年齢ではなくデジタル』(日経BP)から一部抜粋して、今後20年間に起こると予測される、高齢者マーケティングの“黄金期”について解説します。

実は金を使いまくる高齢者

高齢者消費のインパクトを見ておきたい。いかに総人口に対する割合が大きくても、彼ら、彼女らが消費をしてくれなければ、企業のターゲットにはなり得ない。

だが、総務省が実施した2023年家計調査によると、60代以上の消費支出の割合は既に約50%に達している。区分が60〜69歳、70歳以上となっているため、65歳以上という高齢者の定義とは若干ずれるが、大雑把には合致していると考えて差し支えはないだろう。

すなわち、単に人口割合が多いだけでなく、消費割合でも高齢者は主要プレーヤーに躍り出ているのが実態だ。

また、年間の収入は50〜59歳を境に減少傾向にあるが、貯蓄がそれを補う点も消費を考える上でメリットとなる。60歳以上の平均貯蓄額は、50〜59歳の実に約1.4倍となっている。

消費の財源は、年収に加えて貯蓄からの切り崩しが想定され、年収減少のデメリットを補完できる可能性は十分にある。

加えて、近年の傾向として高齢者消費の追い風となるのが、65歳以上の就業者が増加していることだ。近年、話題となった「老後2000万円問題」や「人生100年時代」など、国が喧伝(けんでん)するスローガンに踊らされている感もあるが、現実として家計を補う観点から、もはや高齢になっても仕事を続けるのが、当たり前のライフスタイルになりつつある。

実際、内閣府の調査では、65〜69歳の半数、70〜74歳の3割強が働き続ける選択をしている。

今後も就業増によって高齢者の年間収入が増加し、現在より消費支出が活発化することも予想されるのだ。

今後20年が、高齢者マーケティングの〝黄金期〟

さらに、言及すべきことがある。それは平成と令和では、高齢者像が激変することだ。まず、平成とは主役が交代する。高齢者のボリューム層となるのが、団塊の世代以降の戦後世代だ。

現在、75歳以降の後期高齢者になりつつある団塊の世代に加え、新たに高齢者として流入してくるのが、DCブランドブームに明け暮れ、憧れの新婚旅行先が従来の熱海からハワイに変わった「しらけ世代」。

さらに、高度経済成長期に育ったため消費意欲が高い「新人類世代」、そして、昭和末期の好景気を体感した「バブル世代」など、従来の高齢者より消費を好む世代が隊列を成して続々と高齢者市場に参入してくる。

いわば、消費志向が高い高齢者の人口ボーナスが、令和の時代は続くのだ。

後に続く、団塊ジュニア世代は、人口が多いため高齢者ボリュームの増加には貢献するが、この世代は、バブル崩壊後の就職氷河期を経験し、その後の世代も、日本が長いトンネルに入る「失われた30年」を生きたロスジェネであり、消費という点ではどちらかといえば「堅実志向」だ。

言ってみれば昔の日本人像に逆戻りしている。団塊ジュニアからゆとり世代までは人口ボリュームも減ることから、高齢になったときの消費はあまり期待できないかもしれない。

そうした点で見ても、団塊の世代、しらけ世代、新人類世代、バブル世代と続く今後約20年が、高齢者マーケティングにとっての黄金期になる可能性は十分にある。日本の高齢者マーケティングは、今からが本番なのだ。

原田 曜平

マーケティングアナリスト/芝浦工業大学デザイン工学部教授

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