1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

60代一人暮らしのシニア男性が「家事は面倒」どころか、心底楽しみながら「月16万円以上」の副収入まで得ているワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月25日 7時15分

60代一人暮らしのシニア男性が「家事は面倒」どころか、心底楽しみながら「月16万円以上」の副収入まで得ているワケ

会社で働くことは「大変」だと言われるのに、家事は「やって当たり前」と軽視されがちです。とくにシニア世代では、妻に家事を任せっきりにしてきた男性もいるのではないでしょうか。しかし、家事を時給換算すると1,470円、月給だと16万円を超えるという話も。つまり、それだけ家事は大変な労働だということです。そんな中、妻亡き後、一人暮らしの中で副収入まで得ながら前向きに楽しく家事に取り組むシニアもいます。本記事では、フリーコンサルタント、YouTuberとしても活躍する〈ぺこりーの氏〉の著書『妻より長生きしてしまいまして。』(大和書房)より一部を抜粋して、家事が楽しい理由と楽しむ方法をご紹介します。

家事が楽しければ毎日が楽しい

ネーミングがどうも悪い。「家事」と聞いて、楽しいことを連想する人は誰もいないんじゃないかな。

「家の事」と書いて家事。その通りなのだが、家の事ってあまりにざっくりで、なんだか雑に呼ばれている気がしてならない。かといって、気の利いた呼び名も思い浮かばないが、もう少し世の中の主婦(主夫)のみなさんに敬意を表して、ランクアップしたネーミングをつけてあげたいものだ。

「家の事」というが、家事といえば中身はほとんど掃除と洗濯と料理だろう。リビングでYouTubeを見ながら自分ではヨガと思ってやっている変なポーズや、カウチに寝そべって昼間のテレビ東京を見ている奥様を見ても、誰もそれが家事だとは言わない。

でも、なんだか家事以外のほうが楽しそうでもある。このあまり楽しげじゃない家事を時給に換算すると、約1,470円になるという。月給だと16万1,250円! 

どうだろうか? 結構な価値ではないだろうか。しかもこれが、お父さんたちが会社でやっている仕事と違って、もし楽しかったら? 

妻の死と向き合い、家事のスイッチがONに

私の場合は、わざわざ家事を楽しくなどしなくても、家事が楽しくてしょうがない。

まだ妻が生きていた頃は、完璧なまでに家事をこなす妻がいたため、私の出番はほとんどなかった。いつもきれいに整頓されていて、掃除が行き届いた部屋。栄養バランスを考えた美味しい食事。新品のように畳まれたTシャツ。

妻は何がモチベーションだったのかは今になっては知る由もないが、とにかく家のことで私が口出しすることなど何もなかった。妻の家事労働を月給換算するなら、私のサラリーではおそらく雇えない額だっただろう。しかし、そんな妻は還暦を待たずして、天国へと旅立ってしまった。

あの日から、あんなに掃除が行き届いていた部屋はホコリだらけになり、2匹の犬はまるでマンションに住む野良犬。毎日カップラーメンとエイヒレと酒だけの食事。物干しからそのまま乾いたシャツを着る日々。おそらく、家事ができないひとり暮らしの男の部屋とはこんなものなんだろう。

私の場合は、家事ができないのではなく、この頃は家事をやる気力がなかったのだ。家事は、自分のためにはなかなかやらないのではないか。亡くなった妻も、私が気持ちよく過ごせるようにと、私のために家事に励んでいたような気がする。単純に言えば、来客があるから掃除をするようなものだ。

当時は、どうやって生きていたのかもあまり記憶になく、ただ息をしていただけの生活だった。それから時間が経ち、元々なんでもマメにやるほうの私は、盛大な断捨離を実行することになる。

捨てたのは、主に食器類と妻の衣服だ。もちろん、妻が寝ていたベッドや家具類などもことごとく捨てた。捨てて捨てて捨てまくって、それから私は妻と暮らした家を引っ越しすることにした。それが、今の古いオンボロマンションである。

それからようやく妻の死と向き合えるようになり、妻の写真に向かってたくさんの思い出を語るようになった。いつまでも悲しみの淵に沈んでいてはダメだ。前へ進もう! 妻が生きていた頃のように、きれいに掃除をして、料理を作り、シャツにアイロンをかけよう。30年も妻がやってくれたことを、今やめるわけにはいかない。

時間はかかったが、ようやく私の心にも血が通い始めた。そして、家事のスイッチがカチッと音がしてONになった。

YouTubeの家事動画は、家事の労働対価16万円を上回った

ちょうどその頃に60歳を迎えた私は、会社を辞め、フリーランスとしての仕事を始めた。割と家にいる時間が増えたことで、自ずと家事をやる時間も増えることになった。

家事の何が楽しいかと聞かれれば、私はこう答える。終わりがあること。評価がすぐもらえること。

私がフリーのコンサルタントを始めたばかりの頃、売上9兆円を誇るある小売業グループのプロジェクトに参加したことがある。プロジェクトの目的は、新規事業開発。要するに、新しいイノベーションの柱を、本業以外にもうひとつ作るということだ。

フリーになりたての私にとっては、実に心躍るプロジェクトだった。しかし……。プロジェクトチームで決めたことが、クライアントの役員会で決まらない。役員会で決まらないと予算が決まらない。時間ばかりが過ぎる。そのうち、プロジェクトの担当役員が異動になる。新しい担当役員のもと、また一からプロジェクトを始めてくれと言われる。

あの時に、大企業って本当につまらない組織だと思った。誰もリスクをとろうとしない。誰も決めようとしない。それで何がイノベーションだ! アホ! プロジェクトを100年やっても、成果なんか出るわけがない! 本当に時間の無駄だと思った。

それに引き換え、家事はすぐに成果が出るのだ。掃除をすれば、部屋はすぐにきれいになる。洗濯を終えれば、洗濯機は空になる。料理をすれば、誰かが美味しいと評価をくれる。小さな達成目標がないと、大きな目標は永遠に達成されない。目標を達成すると気持ちがいいもんだ。

だから家事が終わると、とても気持ちがいい! 特に、料理を取り上げてみると、最近はInstagramをはじめ、いろんなSNSで写真を投稿できるようになった。料理を作れば、自分以外に世界中の人が見てくれて評価をくれる。たとえ、ひとり暮らしで評価をくれる家族がいなかったとしても、世界中の人がアプリを通じて評価してくれるシステムができあがっているのだ。

私の場合はブログがメインだったが、もちろんInstagramもやっているし、なんならアカウントも5個以上持っている。去年から始めたYouTubeも、そのほとんどが料理の動画である。もちろん洗濯や掃除のシーンだってあるから、家事をすることで動画に高評価がもらえ、さらにチャンネル登録までしていただけるのだ。

冒頭に「家事の労働対価は月給にすると約16万円」と書いたが、私がYouTubeでいただいている家事動画の対価はその額を上回る。これが楽しくないわけがない。

家事のアイディアが浮かべば、それは「コンテンツ」

私は最近はあまりテレビを見なくなったが、それでもたくさんの家事番組があることは知っている。家事が得意な芸人さんがいろんな家事のライフハックを教えてくれたり、時短テクニックを披露

)するという内容が多いが、これがゴールデンで放送されているんだから人気があるんだろう。

あと最近、伝説の家政婦として大人気のタサン志麻さんも、もうスピード違反だろというような速さで料理が作れることで大人気になった。

テレビだけではない。YouTubeだって、家事がテーマの動画が大量にある。日本だけではなく、海外の多くのクリエイターが家事をテーマに動画を配信しているから、世界的に家事の動画を見る視聴者が多いということに違いない。

要するに、家事はもはやコンテンツなのだ。ひとり暮らしのあなたが、散らかった部屋を片づけるだけなら、それはただの掃除だ。しかし、散らかった部屋を片づけるちょっとしたアイデアが浮かんだら、それはもうコンテンツになるということ。

いつも仕方なくやっている家事。その家事のことを少し考えてみないか? そうしてあなたも、いつかひとり暮らしのクリエイターになる日がくるのかもしれない。

ぺこりーの コンサルタント・YouTuber

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください