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年金25万円・72歳「元大手企業勤務の勝ち組サラリーマン」でも、時給1,280円のコンビニバイトを続ける切実理由

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月8日 11時0分

年金25万円・72歳「元大手企業勤務の勝ち組サラリーマン」でも、時給1,280円のコンビニバイトを続ける切実理由

(※写真はイメージです/PIXTA)

物価高で生活がひっ迫する昨今。特に、収入が限られている年金生活者には切実な問題で、バイトをして乗り越えようという人が増えています。一方で、バイトをする高齢者のなかには、生活苦とは違う理由で働くケースも。みていきましょう。

物価高直撃の高齢者「バイト時給アップ」に歓喜!

厚生労働省『毎月勤労統計調査』によると、今年4月のパートの時給は平均1,315円。前年比3.6%の増加でした。賃上げブームは、パート・アルバイトにも確実に波及しています。

【パートタイムの平均時給の推移】

2023年3月:1,254円(1.2%)

2023年4月:1,261円(2.3%)

2023年5月:1,268円(2.4%)

2023年6月:1,265円(3.0%)

2023年7月:1,283円(4.0%)

2023年8月:1,291円(3.4%)

2023年9月:1,280円(3.3%)

2023年10月:1,293円(3.8%)

2023年11月:1,301円(4.2%)

2023年12月:1,307円(3.8%)

2024年1月:1,337円(3.6%)

2024年2月:1,324円(3.8%)

2024年3月:1,325円(4.9%)

2024年4月:1,315円(3.6%)

この流れに年金受給者も大喜びのよう。スーパーで週3のアルバイトをしているという60代女性。「年金だけでは生活が苦しいから」と、10年ほどぶりに働きに出たといいます。

今年、6月支給分の老齢基礎年金は、満額で6万8,000円。前年6万6,250円から2.7%の引き上げとなりました。またモデル夫婦の年金額は、23万0,483円。前年22万4,482円から5,000円近く増えています。しかし物価高はそれ以上で、実質年金は減額といった状況。女性のように、アルバイトなどをして、この物価高を乗り切ろうとしている高齢者が増えているのです。

2年ほど前からコンビニでバイトをしているという72歳の男性。時給は1,380円。それがアルバイト3年目に突入する今月、150円アップになるとか。

――やった!

その喜びよう、バイト仲間の中でも話題になったとか。

67歳で退職、その直近の月収は70万円!完全勝ち組でもコンビニバイト、3年目

ただ男性の場合、生活困窮とは別の理由でコンビニバイトをしているとか。60歳定年まで大手企業で働いていたという男性。その後、関連会社に出向し、67歳まで勤務。退職直前の給与は月収70万円、年収も1,000万円近くあったとか。まさにサラリーマンの勝ち組人生を歩んできたのです。

また退職後から受け取っている年金も月25万円ほどと、平均を大きく上回る金額。なんの不自由もないように思える元エリート。そんな男性がなぜコンビニを続けているのか……それは「生きがい」。

生きがいというと、どこか余裕のある人の言葉のように思えますが、男性には切実な事情があるといいます。

――学校を卒業してから仕事だけやってきたから、仕事をやめたら、何もすることがなくて

元来、プライベートな人付き合いが苦手だったという男性。退職後は家から出ることもほとんどなくなり、精神的に落ち込むことも。知人から勧められて病院に行った結果、軽いうつ状態と診断されたといいます。

厚生労働省『厚生労働白書』によると、気分障害の年齢別患者割合は、「20代」が6.8%、「30代」12.9%、「40代」21.1%、「50代」18.7%、「60~64歳」7.6%に対し、「65歳以上」は31.7%。高齢者うつの主な要因は、「喪失感を覚える頻度が増えるから」とされています。親やパートナー、友人……大切な人との別れが、どうしても高齢者になると多くなり、それが喪失感を生むというものです。

また喪失感を覚えるのは、大切な人との死別だけとは限りません。男性のように「仕事」もそう。生きがいを感じて取り組んでいた仕事から完全に離れたとき、心に大きな穴がぽっかりと……。

――このまま家に閉じこもっていては本当に壊れてしまう

そう思い、現役時代とは違う、人と触れ合う接客業に挑戦してみようとコンビニバイトに応募。覚えることは多く大変でも、客とのコミュニケーションが楽しいと男性。また150円の昇給であっても、自分の頑張りが評価されたと大きな喜びを感じるといいます。

退職後に覚える大きな喪失感は誰もが抱き、心を崩す可能性があります。これは誰にでも起こりうること。現役世代の人たちは、まず将来に起こりうるリスクを知ることが、予防に向けての第一歩になります。

[参照]

厚生労働省『毎月勤労統計調査』

日本年金機構『令和6年4月分からの年金額等について』

厚生労働省『厚生労働白書』

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