【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…7月第2週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月11日 10時15分
![【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…7月第2週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_61795_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
歴史的な円安環境にある現在、「米ドル円」に対する世の中の関心はかつてないほどに高まっています。そこで、来週の米ドル円相場の動向に影響を与えそうな「注目の経済指標」について、東京海上アセットマネジメントが解説します。
前週の米ドル/円の振り返り
為替市場では、前週末に開催された⽶⼤統領選挙の第1回討論会で、インフレ再燃リスクを内包する政策を掲げるトランプ候補が優勢との⾒⽅が⾼まったことで、1⽇は、⽇⽶⾦利差の拡⼤を意識した、円売り⽶ドル買いが優勢となり、1⽶ドル=161円台後半まで円安が進⾏しました。
その後は、6⽉のISM⾮製造業景況指数などの低調さを背景に、⽶利下げ観測が⾼まったことを受け、円⾼が進⾏する場⾯があったものの、⽇⽶⾦利差が⼤きく開いた状況に変わりはないとの⾒⽅が根強く、⼀⽅的な円買い⽶ドル売りが進む展開とはなりませんでした。
5⽇には1⽶ドル=161.17円と6⽉28⽇(161.07円)に⽐べわずかに円安⽶ドル⾼となりました(図表1)。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/800m/img_a31dd05011320caf21393018bc10d078103582.jpg)
最近の円安の背景として、⽶財務省が6⽉20⽇に外国為替報告書で、⽇本を「監視リスト」に加えたことから、為替介⼊に踏み切りにくい(介⼊に踏み切ったとしても、効果は⼀時的)との⾒⽅に加え、⽶国⼤統領選挙でのトランプ候補の勝利が、財政⾚字の拡⼤とインフレ再燃(⽶⾦利上昇)につながるとの思惑などが、市場ではささやかれています。
⽇⽶⾦利差が縮⼩しているにも関わらず、円安が進⾏したのは投機筋による円売りが続いたことが⼤きかったとみられます。 シカゴ通貨先物市場IMMにおける、投機筋による円のポジション※3(持ち⾼)をみると、ネットの円ショートのポジションは、6⽉25⽇締めの集計で17.4万枚と、円売り・ドル買いポジションに⼤きく傾いています(図表2)。
※3 IMMポジションについて ⽶国のシカゴマーカンタイル取引所(CME)に上場している「IMM通貨先物」のポジション動向のことです。為替市場の参加者の間で特に注⽬されるのが、Non-Commercialと呼 ばれる⾮商業部⾨(投機筋)の数値です。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/7/3/800m/img_73d6034623040f7d9208e6727d3f4cca118118.jpg)
これは為替介⼊したとされる時期(4⽉29⽇、5⽉2⽇)の18万枚に匹敵する⽔準になります。6⽉26⽇、神⽥財務官が「最近の急速な円安の進⾏には、深刻な懸念を持っている。⾏き過ぎた動きに対しては、必要な対応をとる」と述べているだけに、市場の関⼼は為替介⼊のタイミングに移っています。
7月第2週に注目したい経済指標
来週は、国内で公表される5⽉の毎⽉勤労統計や ⽶国で公表される6⽉の消費者物価指数(CPI)などに注⽬しています(図表3)。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/800m/img_462df212bc791ac585bdf95adfadbc75343131.jpg)
5⽉の毎⽉勤労統計では、基本給に相当する所定内給与(共通事業所)が、前年⽐+2.2%と4⽉の同+2.1%から⼩幅ながら伸びが拡⼤することが予想されています。5⽉以降は、春闘賃上げ率が賃⾦に反映されるため、特に所定内給与が「賃⾦と物価の好循環」を⽬指す⽇銀にとって、利上げの判断材料になります。
なお、「⽉例経済報告等に関する関係閣僚会議 資料」(内閣府)によると、2023年春闘で決定した 改定後賃⾦の⽀給開始時期は、5⽉15⽇までに⽀払われた割合が46.4%となっており、前回(4⽉)の毎⽉勤労統計では、旧基準(改定前の賃⾦)の⽀給が多かったと推察されます(図表4)。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/6/6/800m/img_66566f89257dc5f8824c2033b7ae35d171041.jpg)
新基準(改定後の賃⾦)の⽀給が反映される5⽉以降、所定内給与がどの程度伸びを⾼めるかが、注⽬されます(所定内給与の推移は図表5参照)。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/7/6/800m/img_7606d4787890b487b0afbbc536dd9d4a112135.jpg)
6⽉の消費者物価指数(⾷料品及びエネルギーを除く、コアCPI)は前⽉⽐+0.2%と、インフレ鈍化が⽰唆された5⽉と、同⽔準となることが予想されています。
パウエルFRB議⻑は、「(最近のインフレ指標について)インフレが再び鈍化傾向をたどっていることを⽰唆している」としたうえで、「当局者らは、利下げに動く前にさらに多くのデータを⽬にしたい考えだ」と発⾔しているだけに、今回もインフレ鈍化が⽰唆されれば、市場では、FRBが9⽉にも利下げに踏み切るとの⾒⽅が強まることが予想されます。
東京海上アセットマネジメント
※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…7月第2週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」』を参照)。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…7月第3週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 10時15分
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…7月第2週の「米国経済」の動き
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月14日 20時15分
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが振り返る…7月第1週の「米国経済」の動き
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月7日 20時15分
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…7月初週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 10時15分
-
【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…6月最終週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月23日 20時0分
ランキング
-
1申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
2「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
-
3大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
-
4「380円のデザートを10人で分けて…」“ラーメン屋でラーメンを頼まない”ヤバい客の実態を店主のプロレスラーが赤裸々証言
文春オンライン / 2024年7月17日 11時0分
-
5リーマンショックで〈全財産1,100万円〉をわずか1ヵ月で失った後、4年で復活を遂げた〈億トレーダー〉が徹底している「守りの資金管理」とは
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月17日 11時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)