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ステータスと利便性を兼ね備えた〈都心一等地〉の「超高額・大規模タワマン」が大人気だが…この先、価格が下がる可能性は?【不動産のプロが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月10日 10時45分

ステータスと利便性を兼ね備えた〈都心一等地〉の「超高額・大規模タワマン」が大人気だが…この先、価格が下がる可能性は?【不動産のプロが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

都心の一等地にあるタワマンは誰にとっても憧れです。不動産価格が高騰する今、「この先、価格は下がるのだろうか?」と様子見をしている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、不動産コンサルティング会社〈さくら事務所〉の創業者である長嶋修氏(さくら事務所)の著書『マンションバブル41の落とし穴』(小学館)から一部抜粋して、一等地のタワマン市場の現状と、この先の見通しをご紹介します。

都心の新築・大規模・タワマンが大人気

目下、人気が高い不動産の特徴は次の4点に集約されます。都心、駅前・駅近、大規模、タワー。つまり、都心の駅周辺の大規模タワマンが大人気だということです。

かつては郊外の一戸建てに住むことがステータスでしたが、今は都心のタワマンに住むことがステータスです。比較的収入の高いパワーカップルなどの実需に加え、富裕層や国内外の投資家も条件を満たす物件を求めており、引き合いはかなり強くなっています。

タワマンには高いステータス性に加えてホテルライクな生活ができること、セキュリティ面での安心感、眺望の良さなど、さまざまな魅力がありますが、特に大きなメリットと言えるのが生活利便性の高さです。

多くのタワマンは駅のすぐそばや駅直結の立地で、周辺に商業施設なども充実しています。駅に近いということは不動産価格を大きく左右するポイントなので、駅前・駅近のタワマン人気は、これからも長く続いていくでしょう。

都心部にある職場のすぐ近く、たとえば千代田区・中央区・港区の都心3区の大規模タワマンに住みたいと思っている一般ファミリー層の方もいらっしゃるでしょうが、そのためには相当の資金力が必要になります。

2023年7月、1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の新築マンションの平均価格が9,940万円に達し、1億円に迫る勢いを見せたことが話題になりました。これは都内の高額物件の販売開始が相次いだことが影響しています。

東京23区に限定すると、新築マンション平均価格は2023年の上半期時点で1億円の大台に初めて到達。平成バブル期を超えて、前年比60%超の1億3,000万円弱となりました。もっとも、これは一部の超高額物件が引き上げた結果なので、平均価格を見ることにはあまり意味がないとも言えます。

東京23区のなかでもとりわけ新築マンション平均価格が高いのは、前述の通り都心3区です。建物の床面積1坪(約3.3㎡)あたりの価格を算出したものを坪単価と呼びますが、2024年現在、都心3区では坪単価が1,000万円を超える、途方もない高額物件が多く売出されています。

好立地エリアに建つタワマンの「強気の値段設定」は続く

最近話題になったのは、2023年11月に開業した東京都港区の麻布台ヒルズの超高額物件です。麻布台ヒルズにはオフィス、商業施設、ホテル、住宅、文化施設などが入っていますが、そのなかに大阪のあべのハルカスを抜いて日本一の超高層ビルとなった麻布台ヒルズ森JPタワーがあり、54〜64階部分が住宅エリアになっています。

この住宅エリアは「アマンレジデンス 東京」という名称で、世界有数のラグジュアリーホテル・アマンとの提携によって作られたもの。販売価格は明らかにされていませんが、1戸あたり20億円前後と見られており、もっとも広い最上階の住戸は200億円とも300億円とも噂される、異次元の価格設定です。

このような超高額物件は一般公開されず、一部のVIPに紹介制で販売されます。住宅ローンで借りられる金額には限度があるので、顧客の多くは現金一括で購入できるケタ外れの富裕層か投資家です。

特に海外の投資家は、昨今の円安で日本の不動産への投資に積極的です。彼らからすると、日本は「物価の安いお買い得な国」であり、なかでも東京は、さまざまな魅力を備えた投資妙味のある都市と見られています。

東京の不動産は、世界の大都市――たとえばシンガポールや香港などの不動産よりも割安です。それらの大都市でハイエンドな物件を買おうとするとかなり高くつくため、海外の投資家は東京の高級物件に目をつけるわけです。

かつては東京のなかでも、湾岸エリアのタワマンに対する需要が旺盛でしたが、最近のターゲットは都心3区に移っています。

その結果、今では都心3区、及びその周辺の一部エリアの不動産だけが、グローバル基準に近い水準で売買されるようになりました。アマンレジデンス 東京はその象徴と言えます。

東京の例を挙げましたが、2023年には大阪の一等地にある25億円のタワマン住戸が早々に売れるなど、好立地エリアのタワマンの強さが目立ちました。日本の不動産価格全般が下落するような局面でも、このような物件が大きく値下がりする可能性は低いでしょう。

不動産デベロッパーも、もはや一等地では一般ファミリー層への売却を念頭に置いていません。強気の価格設定は揺るがないはずです。

長嶋 修

さくら事務所 会長

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