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悔やんでいます…大企業の持株会、東日本大震災後1年で半値以下になった株を〈狼狽売り〉の末路「10年で7倍のはずが」【サラリーマン投資家の実話】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月21日 17時30分

悔やんでいます…大企業の持株会、東日本大震災後1年で半値以下になった株を〈狼狽売り〉の末路「10年で7倍のはずが」【サラリーマン投資家の実話】

(※写真はイメージです/PIXTA)

その瞬間の値動きだけを見て、慌てて株を売却してしまう「狼狽売り」。数年後に株価が値上がりし、後悔するという人も少なくありません。本記事では、サラリーマン投資家の松田二朗氏の著書『臆病なサラリーマンが見つけた!5年で資産を倍にする「ずぼら長期投資」』(朝日新聞出版)より一部を抜粋・再編集し、株の失敗から学ぶ投資志向について解説します。

臆病な投資志向

自分の投資志向を知った上で投資判断することがとても重要なのですが、実際には投資経験を積んでみて初めて自分の投資志向に気づくこともあります。

そこで、本記事では、私が「ずぼら長期投資」にたどり着いた経緯を紹介しますので、ご自身の投資志向を見つける際の参考にしてください。

まず、私の投資志向には、「投資に臆病だった」という性格が強く影響していると思います。臆病になった理由は、勧誘電話や自分の生い立ちにあるのですが、実際に投資に手を出し失敗したことも大きく影響しています。個別株への投資で、しかも二度も大きな損失を出して以来、完全に腰が引けてしまったのです。

この失敗ついて詳しく説明します。

持株会の株が東日本大震災以降急落…解約して大損

私が以前勤めていた会社には、従業員持株会(以下、持株会)がありました。持株会は従業員から会員を募り、毎月の給与からの拠出金を原資として自社株を共同購入し、拠出金額に応じて持ち分を配分する制度です。毎月自動で引き落としてくれるので、自分が意識しなくても株式の形で貯蓄が増えていくことがメリットです。さらに、10%前後の奨励金(会社が上乗せする出資金)を出してくれるのもいい点です。

私は元々、持株会に対して否定的でした。というのも、会社に万が一のことがあった場合、職と同時に保有資産も失ってしまう可能性があり、リスクヘッジができないからです。でも、周囲でやっている人も増え始め、持株会をやっているような大きな会社であれば万が一のことも起きにくいだろうと安易に考え、購入を決意しました。出資額は、奨励金と合わせて月々1万1,000円でした。

数年は株価も順調に推移し、「当初は否定的だったけれど、持株会をやってよかった」と思い始めたとき、東日本大震災という未曽有の災害が発生しました。直後は株価に変化がなかったのですが、その年の8月くらいから少しずつ下がっていきました。

大災害があったとは言え、株価が下がった時期が震災のタイミングと合致しておらず、なぜ下がったのか直接的な理由がわからず焦りましたが、奨励金ももらっているし、それほど損することはないだろう、と高をくくっていました。

値動きに一喜一憂して狼狽売り

しかし、その後の値動きは決して楽観視できるものではありませんでした。2011年の初めには3,000円だった株価が、2011年終わりに1,800円、2012年には1,270円まで下がったのです。

わずか1年で株価が半値以下まで下がり、10%の奨励金では損失がカバーできず慌てて売却しました。もちろん大きな損失を出しましたが、まだ下がるのではという不安が大きくなり、いわゆる「狼狽()売り」をしたのです。

この頃は会社業績も思わしくなく、昇給もなく、残業規制もかかっていました。持株会でも損を出してしまい、リスクヘッジできないと思っていたことが現実になったのです。後悔の気持ちしかありませんでした。ちなみに、その会社の株価ですが、2023年9月の時点で8,000円を超えています。1,270円の頃慌てて売らずに持ち続けていれば、10年で約7倍になっていた計算です。「後悔先に立たず」です。

株は上がるときもあるし、下がるときもあります。どっしり構えることが大切なのでしょうが、臆病なせいで日々の値動きに一喜一憂してしまう自分には向かない投資なのかな、と思い始めていました。

それでも株以外に投資先を知らなかった私は、今回はたまたま選んだ銘柄が悪かっただけで、別の銘柄を買えば利益を出せると自分に言い聞かせていました。

松田 二朗

サラリーマン投資家

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