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平均年収666万円・元勝ち組サラリーマン「211万円の壁」で大損の危機に瀕するワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月10日 9時0分

平均年収666万円・元勝ち組サラリーマン「211万円の壁」で大損の危機に瀕するワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

「103万円の壁」や「130万円の壁」という言葉、働かれている方は一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。現役世代の方にとっては切っても切れない壁の存在ですが、実は年金生活でも意識しなければならない壁があります! そこで今回は「勝ち組会社員は要注意!211万円の壁で泣く人はこんな人」というテーマでお送りします。

平均年金月17万円…現役時代の給与額は?

登場人物

ゆめこさん……大正時代からタイムスリップしてきた26歳女性。なぜか、現代社会にめちゃくちゃ詳しい。全文太字部分

・おじさん(以下、解説)……解説担当。

ワイ(以下、ワ)……ゆめこさんの白い飼い犬。お菓子好き。ミーハー。

日本の公的年金は、国民年金と2階建てとなっていることは聞いたことがあるかと思いますが、自分が受け取れる年金額の計算方法をご存じですか?

ワ:知らない! 教えて~!

ちょっとややこしい計算になりますが、こちらの式をご覧ください。

・国民年金の年間受給額は「年金額×保険料の納付月数÷480ヵ月数」 ・厚生年金の年間受給額は「①平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入月数」と「②平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入月数」

を足すと分かるんです! ご自身の年金受給額が分かるとこのあとのお話も理解しやすいので、みなさんもぜひ一度は計算してみてください!

ワ:計算がめっちゃ難しいねえ

日本の年金制度は、会社員や公務員は厚生年金として2階部分も受給できるけど、国民年金は一律だから満額以上に増やすことは基本的にできないんです。

一方、厚生年金の2階建て部分は現役時代の収入によって変わります。上限はあれどもたくさん稼いできたいわゆる「勝ち組会社員」ほど、年金の受給額も増えるということになるんです。   ワ:たくさん稼いだ分が年金で返ってくるのは嬉しいよね!

お:ちなみに厚生労働省の調査によると、65歳以上の厚生年金受給者の平均年金月額は男性で17万円ほど。 国民年金を満額受給しているものとすると、厚生年金部分は10万6,000円ほどになる計算です。

ワ:厚生年金が占める割合の方が多いんだねー。

解説:このように月17万円の年金を受給できる人たちは、現役時代に平均年収530万円ほどだった計算になります。現役時代の平均年収は、大学卒業した人が60歳の定年まで働いたと仮定すると37年間の平均値のことを指します。

日本のサラリーマンが37年間働いたときの平均年収は480万円ほど。大卒に限ると平均年収は546万円となるので、先ほど計算した平均年金17万円受給している人の現役時代の年収に近くなります。

つまり、年金の平均値である月17万円を受給している人は、大学を卒業して平均以上の給与を受け取ってきた、いわゆる「勝ち組会社員」に限られてくると言えるんだね。

ワ:働いていたときの給与が平均以上の「勝ち組」じゃないと、年金の平均である月17万円をもらえないって、世知辛いなー

多くのシニアにとって老後な主な収入は年金です。できるだけ多く年金を受け取りたいと考えがちですが、そこには思わぬ落とし穴が潜んでいて損をしてしまう場合も…。それが現役時代の平均年収が666万円ほどだった人たちなんです。

ワ:えー! どうしてたくさん稼いでいるのに、損しちゃうの?

年金211万円と年金212万円…たった1万円の差が10万円超の差になることも

年金を受給するようになると211万円の壁が立ちはだかります。これは夫婦2人、年金収入のみで生活している65歳以上の世帯が住民税非課税で生活できるかどうかの境界線のことです。高齢夫婦世帯で主に稼いでいる人の年金収入が211万円以下で、配偶者の年金収入が155万円以下なら、住民税非課税世帯となります。

ワ:住民税を支払わなくていいなんて助かるねー。

ところが、年金を月18万円ほどを受給している、現役時代の年収が666万円以上の人は、211万円の壁を超えてしまうかもしれないのです。ちなみに50代男性の平均年収は658万円です。平均ぐらいの年収を得ていたという実感のあるシニアは、まさに要注意です。すっぽり落とし穴にはまってしまう可能性があります。

ではさっそくこの壁を超えたらどうなるのかを解説してもらいましょう!

解説:年金211万円と212万円の場合、年金211万円であれば住民税がゼロになり、国民健康保険料や介護保険料も減額の対象となります。国民健康保険料は多くの自治体で2割、5割、7割のいずれかで減額対象になり、介護保険料は10〜13段階で保険料の負担金額が変わります。

ワ:保険料は地味に高いから減額になるのはありがたいね!

解説:一方、212万円の場合は毎月5,000円程度の住民税がかかりますし、国民健康保険料や介護保険料も通常通りかかってしまいます。そうすると、たった1万円の差で10万円以上損してしまう可能性もあります。

ワ:1万円多く年金を受け取るだけでこんなに税金がかかっちゃうの!?

現役時代に年収666万円以上を稼いでいた勝ち組の会社員が、毎月税金の支払いに追われて苦しむのはこのためです…。

解説:ちなみに、年金受給者の住民税非課税限度額は住んでいる地域によって異なり、「211万円の壁」が、「203万円の壁」、「193万円の壁」となったりします。一度は自身の住んでいる地域がどのくらいの壁なのかを確認しておきたいですね。

ワ:きゃー!  はやく役所に確認しに行かなきゃー!

「送りたい老後」から逆算して、早めの対策を

というわけで今回は、「勝ち組会社員は要注意! 211万円の壁で泣く人はこんな人」というテーマでした。

このような年金の壁の話を聞くと、何とか年金額を減らそうとする人もいるかもしれません。原則65歳からとなっている年金受給を早める繰り上げ受給を選択すれば最大30%も減額できる可能性がありますが、その年金額が一生続いてしまうため、悩ましいところです。

また、年金は頻繁に制度改正がある分野なので出来るだけ多く受給した方が無難かもしれません。住民税非課税世帯になるために、年金受給を開始する年齢を繰り上げるのはリスクが大きいといえます。住民税非課税のメリットを受けられないのは悲しいですが、年金自体が減ったら元も子もありません。

「211万円の壁」を意識して対策を講じるよりも、ご自分が老後にどんな暮らしを送りたいいのかを考えていくことが大事であると言えます。そこから逆算して、早いうちにしっかりと準備を進めていきましょう!

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