和田秀樹氏「70歳を過ぎたら、健康診断は受けるべきではない」の真意…健康診断よりも重要な“2種類”の検査
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月8日 10時0分
![和田秀樹氏「70歳を過ぎたら、健康診断は受けるべきではない」の真意…健康診断よりも重要な“2種類”の検査](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_61905_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
ほとんどの会社員が毎年受ける「健康診断」。また自営業であっても、実施しているクリニックに申し込めば無料で受けることができます。病気の予防と早期発見につながることから、厚生労働省も定期的に健診を受けるよう勧めていますが、東大卒の医師で『老害の壁』(エクスナレッジ)の著者・和田秀樹氏は「70歳を過ぎたら、健康診断は受けるべきではない」といいます。その理由を詳しくみていきましょう。
70歳を過ぎたら「健康診断」は受けなくていい
受ける数十項目のうち、病気との因果関係があるのはわずか「5~6項目」
私は70歳を過ぎたら、健康診断は受けるべきではないと言っています。健康診断では50~60項目くらいの検査をしますが、病気との因果関係がある程度はっきりしているのは(それでも本当の意味でエビデンスはないのですが)、血圧や血糖値、赤血球数などの5~6項目くらいです。
血圧や血糖値にしても、将来的に健康を害する可能性が確率論的に高くなるだけの話ですし、それ以外の検査項目に関しては、よほどの異常値でない限り、寿命と関係するというエビデンス(根拠)はありません。
むしろ、血圧や血糖値の薬を飲んで、無理に数値を下げると、頭がぼんやりして、活動レベルがガタッと落ちてしまう人がいます。交通事故や転倒・骨折のリスクが上がってしまうのです。
コレステロールを薬で下げれば、免疫力が低下しますし、男性ホルモンの減少で意欲が低下し、うつになるリスクも増えてきます。
そもそも、海外のデータ(日本にはそのデータがありません)ですが、血圧や血糖値、コレステロールなどの数値が高くても、心筋梗塞や脳梗塞になる人の確率が少し高くなるだけで、ならない人の確率のほうが大きいのです。
毎年の健康診断より、3年に1度「突然死」を防ぐ検査を受ける
心筋梗塞は突然死を引き起こす可能性を秘めているため、心配だという人がいますが、コレステロールや血糖値が正常でも、心筋梗塞を起こす人がいます。「数値が正常でも心筋梗塞になるなら、いったいどうすればいいの?」と心配な人もいるかもしれません。そういう人に私は心臓ドックを勧めています。
例えば、心臓ドックを3年に1度くらい受けていると、心臓に酸素や栄養素を運ぶ太い血管(冠動脈)のどこに動脈硬化が進んでいるか、血管のどこが狭くなっているかがわかります。
その検査で、いずれ梗塞を起こしそうなところが見つかったら、狭くなった血管をバルーンやステントで拡げることで、確実に起こりそうな心筋梗塞を予防することができます。
ちなみに、カテーテルを用いて血管を拡げる血管内治療の技術は、世界の中でも日本はものすごく進んでいます。海外の要人がお忍びで治療を受けに来るくらいのレベルなので、信頼してよいと思います。
「脳ドッグ」もおすすめだが…
もう1つ、脳ドックも私は勧めています。ただし、脳ドックに関しては誤解があります。ほとんどの脳ドックは、認知症の早期発見をうたっていますが、認知症を早期発見しても、何のメリットもありません。
逆に、認知症と診断されたら、働いている人は会社をやめなくてはならなくなるなど、デメリットのほうが大きいのです。それに、認知症の薬は進行を少し遅らせるぐらいのことしかできず、治すことはできません。
たとえ認知症になったとしても、ゆっくり進行する病気なので、知らぬが仏で今までどおり仕事を続けていたほうが、脳の働きは落ちません。
そんな実態もあるので、私は高齢者のがんは切らない選択もありだと言っています。それに、高齢者はほかの臓器にもがんがある可能性があります。せっかく胃がんを切っても、すぐに他のがんが見つかることは十分ありえるのです。浴風会病院の剖検でも、85歳以上でがんが1つもなかった患者さんはほとんどいませんでした。
それがわかっているのに、医者は「がんを切れば長生きできますよ」といって、手術しようとします。決して、「切ったら今みたいに食べられなくなりますよ」とは言いません。外科医にとっては、切ることが仕事だからです。
和田 秀樹 精神科医 ヒデキ・ワダ・インスティテュート 代表
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