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「なんだ、この匂いは…!?」年金月20万円・70代の父がポツンと住む実家、40代長男夫婦がアポなし訪問で驚愕した〈まさかの光景〉

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月11日 11時15分

「なんだ、この匂いは…!?」年金月20万円・70代の父がポツンと住む実家、40代長男夫婦がアポなし訪問で驚愕した〈まさかの光景〉

(※写真はイメージです/PIXTA)

既婚の中高年男性にとって、自分よりも妻が先立つという事態は想像しにくいことなのかもしれない。しかし、そんな「想定外」が現実になると…。実情を見ていく。

「自分が亡くなるときは、妻に見送られて…」と考える男性多数

多くの中高年男性は当然のように「妻より自分が先立つもの」という認識を持っている人が多いようだ。

厚生労働省『令和4年人口動態』によると、2022年の死亡者数は156万6,032人。そのうち結婚している男性の死亡数は47万0,585人、結婚している女性の死亡数は16万4,550人。この数字から「夫を亡くした妻」のほうが圧倒的多数であることがわかる。

60歳を前に亡くなる夫は1万7,642人、妻は1万3,902人。当然だが、年齢が上がるほど「妻(夫)に先立たれる夫(妻)」は増えていく。結婚している65歳以上の男性の死亡者数は43万9,891人、女性の死亡者数は14万3,116人となっている。

男女の平均寿命の差、配偶者との年齢差から、何の疑いもなく「最期は妻に見送られて…」と考える男性は多いだろうが、現実は必ずしも思った通りではないかもしれない。「見送る立場」になる夫も、年間14万人近くにのぼるとみられる。

◆男女別・年齢別「有配偶者の死亡数」

60~64歳:13,052人 / 7,532人

65~69歳:24,661人 / 12,142人

70~74歳:56,975人 / 23,591人

75~79歳:73,045人 / 27,392人

80~84歳:100,986人 / 33,807人

85~89歳:106,830人 / 29,848人

90~94歳:61,634人 / 13,922人

95~99歳:14,636人 / 2,299人

100歳以上:1,124人 / 115人

※数値の並びは「男性/女性」

住み替えを提案する息子に「家を離れたくない…」

「うちの両親は大変なおしどり夫婦でした。父は〈母と老後を楽しく過ごすのだ〉といって、70歳になっても仕事をつづけ、老後資金の貯蓄に励んでいたのですが…」

そう語るのは、40代の佐藤さん(仮名)。

「健康不安のないはずの母が、心筋梗塞で突然死してしまったのです」

ひとり残された父親を、佐藤さんは心配した。

佐藤さんは大学卒業後に川崎市の実家を離れ、東京や神奈川を転々としていたが、いまは勤務先の都合で茨城県に自分の家族と暮らしている。また、3歳年下の妹は、埼玉県で配偶者と配偶者の両親と暮らしている。

佐藤さんは父親に、ひとり暮らしには広すぎる実家を売って自分たちと同居してはどうかと持ち掛けたが、父親は「母さんと暮らした家を離れたくない」とかたくなだった。

結局、佐藤さんの父親は、これまで通り実家に暮らし続けることになった。

「父の年金は20万円ぐらい。預貯金もありますし、生活費の問題なさそうです。それに、父はあの年代には珍しく、家事もまあまあできるのです。妹と相談して〈本人の希望なら、しばらく見守ろう〉という話になりました」

電話越しの父の声、元気そうで安堵したが…

佐藤さんと妹は、折を見て父親に連絡を入れていたが、電話の向こうの父親は、受け答えもシッカリしており、それなりに規律のある生活を送っているように感じられた。

「お兄ちゃん、お父さんに連絡してる?」

「うん。たまに電話している。元気そうだよな」

佐藤さんきょうだいは、電話越しの父親とのやり取りに安堵し、そのまましばらく経過した。

「お父さんの顔を見に行かなくていいの?」

電話だけでなく、父親の顔を見るように促したのは、佐藤さんの妻だった。

「そうだな…」

佐藤さん夫婦は、久しぶりに実家を訪問することにした。

「あれ? なんだか様子が違う…」

前庭の草花は伸び放題となっており、芝生も雑草に覆われている。

怪訝に思いながら、門柱のインターフォンを鳴らすが、返事がない。

佐藤さん夫婦は庭を通って玄関ドアの前に立つと、異常な臭気が漂ってきた。

「なんだこの匂いは…!」

玄関ドアは施錠されておらず、扉を開けると、室内の床一面に数えきれないゴミが散乱していた。開かなくなっているリビングのドアの隙間から室内を覗くと、父親がソファでぐったりしているのが見える。エアコンは効いているようだった。

「お父さん、お父さん? 大丈夫ですか?」

「お父さん、一体どうしたの!」

佐藤さん夫婦がかわるがわる声をかけると、父親は、

「突然なにしに来たんだ、帰れ!」

と大声をあげた。温厚だった父親の変貌ぶりに、佐藤さん夫婦は驚愕した。

「お父さん、もしかして認知症かしら…?」

「まさか、電話ではずっと普通だったぞ?」

佐藤さん夫婦が小声で会話を交わしていると、それに気づいた父親は再び大声をあげた。

「だめだ、このままにはしておけない。すぐに施設を探さないと…」

パートナーに先立たれたことで孤独を募らせ、自ら社会とのかかわりから遠ざかってしまう高齢者は少なくない。

内閣府『令和5年版高齢社会白』によると、「65歳以上の住居形態」で最も多いのが「持ち家・一戸建て」で75.6%。「持ち家・分譲マンション等」11.8%、「賃貸住宅(マンション等)」8.4%、「賃貸住宅(戸建て)」2.0%と続き、老人ホーム含む「高齢者向け住宅・施設」は1.1%。

65歳以上人口は3,500万人といわれていることから、全国で40万人近い高齢者が老人ホーム等で暮らしていることになる。

佐藤さん夫婦は、妹と連絡を取り合いながら、父親を入居させる老人ホームを大急ぎで探し回っている。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年人口動態』

内閣府『令和5年版高齢社会白書』

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