設備の更新・リノベーション…バブル期の中古マンションを〈選ばれる物件〉にするためのポイント【不動産投資のプロが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月15日 7時45分
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(※写真はイメージです/PIXTA)
古い物件にはマイナスのイメージがあるかもしれません。しかし、バブル期に建てられたRC造マンションは新耐震基準が適用されており、品質が非常に高いのが特徴です。そのため築古だと敬遠するのは損だと話すのは、株式会社プラン・ドゥの代表・杉山浩一氏です。とはいえ長く使い続けるためには、適切な設備更新やリノベーションも欠かせないとも話します。今回は、その点について杉山氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋し、ご紹介します。
時代のニーズに合わせたリノベーションとは?
構造が非常にしっかりしているバブル期のRC造マンションに関しては、「築古」というイメージに惑わされず、長く使い続ける道を探すべきではないかと考えています。
しかし、それには欠かせない条件があります。その条件とは「修繕」と「更新」の2つです。建物は大規模修繕で安全性を確保し、設備や内装、間取りについては時代のニーズを取り入れながら更新する必要があります。
不動産「投資」という側面から見ても、「解体すれば多額のコストのかかる構造を長く使い続けるために、設備を更新していく」との考え方には合理性があります。だからこそ、構造と設備は分けて考える必要があるわけです。
設備の更新に関して、まずはシンプルに、「ある程度劣化が進んだものを交換するのか、もう少し使い続けるのか」という選択があります。
例えば、エレベーターの寿命は一般に30~40年です。エレベーターを交換しようと思うと1基あたり約1,000万~1,500万円かかります。築40年のマンションの場合であれば、「建物自体がもう古いし、そう遠くない先に住めなくなるから、そこまでコストをかける必要はない」と考えるオーナーも少なくないでしょう。
しかし、マンションは100年もつと知っていたらどうでしょうか。少なく見積もっても70~80年は快適に住み続けられるという前提に立つのであれば、築40年はちょうど折り返しの時期です。
現実的な耐用年数の中で効果性、効率性の高い設備交換を実施しようと考えれば、建築当時のエレベーターを動かせなくなるまで使い続けるよりも、全体計画の中の中間地点(築40年)での交換がクレバーな選択。まさにグッドタイミングなわけです。
建物を活かすにはニーズの見極めが重要
あるいは、まだそれほど劣化が進んでいなくても、時代と共に性能が向上しているなどの理由から更新を検討すべきケースも存在します。
その筆頭がサッシや玄関扉です。これを30年前と比較すると、防音性、断熱性、防水性、耐震性、デザイン性など、あらゆる面で性能が格段にアップしています。環境への配慮という観点から見ても、例えば、断熱性能に優れたサッシに換えることで、エアコンの稼働時間を減らすことができるなど、さまざまな効果が見込めます。
このような設備を使うことで建物全体へのダメージを抑え、マンションとしての寿命をトータルで延ばしていく。これも重要な観点の1つです。
さらには、バブル期と現在のライフスタイルの違いから、リノベーションが必要になるケースも存在します。
バブル期といえば、各家庭における子どもの人数が現在よりも多く、その一人ひとりが個室を欲しがった時代でした。2LDKよりは3LDK。そんな具合に、同じ平米数でも部屋数の多い方が好まれました。
近年では一住戸あたりの居住人数が減っているために、子ども部屋の数よりもリビングの広さや快適性を重視する家庭が増えていました。
過去形で表現したのは、コロナ禍で状況が一変したからです。リモートワークの進展により家にいる時間が増えたこと、そして、オンライン会議へのニーズから、大人が個室を求めるようになってきたのです。
人々が住まいに求めるものは時代と共に変化します。特に賃貸物件は選んでいただいて初めて成り立つもの。建物を活かすにはニーズの見極めが重要だということです。
杉山 浩一 株式会社プラン・ドゥ 代表取締役
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