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“1日1杯のジュース”で長寿・健康に?…体内の「長寿遺伝子」増加を促すかもしれない“ある果物”【医学博士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月11日 15時45分

“1日1杯のジュース”で長寿・健康に?…体内の「長寿遺伝子」増加を促すかもしれない“ある果物”【医学博士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

2003年、世界的に有名な学術誌Nature誌にて「レスベラトロールという物質が長寿遺伝子を増強する」という論文が発表されました。この「レスベラトロール」は赤ワインに含まれていることで有名ですが、『最新科学で発見された 正しい寿命の延ばし方』(総合法令出版)の著者で代謝機能研究所所長の今井伸二郎氏によると、長寿遺伝子の発現を誘導する成分を摂取したければ、赤ワインよりも「断然おすすめな食品」があるそうです。その正体をみていきましょう。

「長寿遺伝子」サーチュインの発現誘導を促進する“ある果物”とは

赤ワインからレスベラトロールを摂取しようとすると、かえって肝炎やアルコール中毒になってしまいます。 ※レスベラトロール……抗酸化作用を持つポリフェノールの一種で、赤ワインに含まれる成分。「長寿遺伝子」といわれるサーチュインの遺伝子発現を促進する活性が強く、メタボリックシンドロームや老化に伴う疾患を予防する機能があるとみられている。

そこでおすすめしたいのが、ザクロです。図表1に示すように、エラグ酸やプニカラギン、プニカリンなど複数のサーチュイン遺伝子発現誘導成分が多く含まれています。このため、食品としてサーチュイン遺伝子発現誘導成分を摂取しようとするなら、ザクロがおすすめです。

図表1にあるウロリチンはザクロ自体に含まれているわけではなく、エラグ酸が体内に入り、腸内で腸内細菌の作用により変換されウロリチンとなります。このウロリチンの作用も相まって、サーチュイン遺伝子の発現量がアップすることが期待されます。

1日1杯のザクロジュースで健康に

それでは、どのくらいザクロを食べればいいのでしょうか?

市販されているザクロジュースには、エラグ酸が100mlあたり30mg程度含まれている商品もあり、1日1杯ザクロジュースを飲むことで健康効果が期待できます。

たまに、街角で庭木などの観賞用に栽培されているのを見かけますが、日本では古くから栽培された果樹の一つで、果実は食用になります。残念ながら、かなりの専門店でない限り果物屋さんや八百屋さんではあまり目にしないため、果実から成分を定期的に摂取するのは難しそうです。そこでおすすめなのがジュースです。

ザクロジュースを買うときに確認すること

ザクロジュースはさまざまなものが販売されていますが、まずは表示を確認し、果汁量が多い商品を選択してください。果汁量は100%以上のものがいいでしょう。

「100%以上とわざわざいうことは、200%のものとかあるの?」と疑問に思ったかもしれません。ジュース類は原産地からの輸送コストを抑えるため濃縮してから輸送し、販売拠点で加水することで元に戻す濃縮還元製法が用いられます。このときに加水量を減らせば、果汁が100%以上になるケースも出てくるわけです。

ザクロの有効成分は加熱に強いので、濃縮還元製法のジュースでも成分は変性することなく有効に摂取することができます。

ザクロのほかに健康効果があるものは?

前述のレスベラトロールの場合、食品からの有効量摂取は難しいですが、健康食品としてブドウ種子から抽出濃縮した商品も販売されていますので、これらのような商品を利用する方法もあります。

しかし、残念ながら健康食品業界は景品表示法などの表示に関して違法な商品が出回りやすい業界であり、疑惑の多い商品も少なくありません。このようなリスクがあることも理解して、なるべく信頼できるメーカーの商品を賢く選択するようにしてください。

レスベラトロールのみならず、エラグ酸も近年注目を浴びている成分です。こちらも健康食品として、青汁などに配合されている商品が多数販売されています。いずれも、1日あたりの成分摂取量として数十mg以上の商品を選ぶようにしてください。

ルテオリンを多く含む植物、ミロバランに注目

レスベラトロール、エラグ酸に次いでご紹介したいのがルテオリンです。ルテオリンは、フラボンとよばれる化学構造の成分ですが、他のフラボノイドと同じように、黄色の結晶状の成分です。天然成分としてルテオリンは、シクンシ科のミロバランに多く含まれています。ミロバランはあまりなじみのない名前ですが、インドからインドシナ半島の熱帯アジアを原産とした落葉中高木です。

日本にも古い時代に伝わり、正倉院の『種々薬帳』という書物には、呵か梨り勒ろくとして紹介されています。種々薬帳には、ミロバランは整腸作用や下痢止めの効果がある生薬(漢方薬)として紹介されています。

ミロバランはタンニンを多く含むため染色材料としても用いられ、黄色、カーキー色に染まり、藍とともに染めると青磁に似た薄い緑色に染まります。

ミロバランにはルテオリンが多く含まれており、特に葉に多く、外皮や樹皮にもふくまれています。シャジクソウ属の花、ブタクサ属の花粉、サルビア・トメントーサの花にも含まれていますが、我々がよく食用とする食品としては、食用菊、セロリ、ブロッコリー、ピーマン、パセリ、シソ、ニンジンなどにも含まれています。  

今井 伸二郎 医学博士 代謝機能研究所所長/東京工科大学名誉教授/藤田医科大学客員教授

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