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〈年金40万円・退職金5,000万円〉共に元国家公務員の70代夫婦…「高級老人ホーム入居」で余裕の老後のはずが「悔しくて…」と涙したワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月14日 7時15分

〈年金40万円・退職金5,000万円〉共に元国家公務員の70代夫婦…「高級老人ホーム入居」で余裕の老後のはずが「悔しくて…」と涙したワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

住まいの経年劣化は避けられず、住み続けるには修繕は欠かせません。しかし高齢者になると「直すのではなく住み替える」という選択肢も。その場合、ひとつの候補となるのが「老人ホーム」です。老人ホームを選ぶ際には、齟齬が生じないように見学をしっかりしておきたいところ。ただ見学をしておけば安心かといえば、そういうわけではないようです。見学でも見抜けなかったポイントとは?

人生で最も高い買い物のひとつ「マイホーム」だが…住み続けるにはお金がかかる

アットホーム株式会社が行った『一戸建て修繕の実態調査2023』によると、「これまでの住宅修繕にかけた合計費用はいくらですか?」の問いに対して、平均は615.1万円、木造に限ると628.8万円、鉄筋・鉄骨造に限ると582.4万円でした。

【築年数別にみる住宅修繕費の合計】

「30~34年」:595.6万円/476.7万円

「35~39年」:546.4万円/665.7万円

「40~44年」:750.8万円/671.9万円

「45~49年」:594.8万円/781.4万円

「50年以上」:858.6万円/559.0万円

※数値左「木造」、右「鉄筋・鉄骨造」

修繕を行ったことのある場所を聞いたところ、最も多かったのが「外壁」で平均回数1.7回、修繕費合計は138.3万円。1回目の修繕時の築年数は平均18.8年で、その際の費用は平均100.7万円でした。1回目の修繕時の平均築年数が20年を下回るのは、「給湯器(1回目平均築16.7年、費用平均28.8万円)」、「シロアリ関連(1回目平均築18.9年、費用平均29.4万円)」、「駐車場(1回目平均築18.3年、費用平均45.7万円)」、「庭(1回目平均築19.1年、費用平均33.1万円)」。また1回目の修繕時の平均築年数が最も遅かったのは「窓(1回目平均築25.0年、費用平均34.1万円)」。修繕回数が最も多いのは、「シロアリ関連」で2.0回でした。

いずれにしても、大金をかけて買うマイホーム、維持していくにもそれなりのお金がかかります。そのため、あるタイミングで高齢者が悩むのが、「修繕をするか、それとも住み替えるか」という選択。

――終の棲家と考えて、バリアフリーを施す

――いつまで自宅で過ごせるか分からないから、修繕を我慢する

――いっそのこと、住み替える

色々な選択肢があるでしょう。内閣府『令和6年版高齢社会白書』によると、高齢者の住み替え意向は5.8%。「将来的に検討したい」も含めると3割に達します。また住み替え佐紀として考えている住居形態としては、「戸建て/持ち家」が最多で28.7%。「集合住宅/持ち家」16.6%、「シニア向け分譲マンション」6.3%と、なんだかんだといって持ち家にこだわりたい人が半数以上。一方で、老人ホームへの入居を希望する割合は、15.4%と6人に1人の水準。やはり老いと共に不安が大きくなる医療や介護の問題。老人ホームであれば安心、といったところでしょうか。

*介護保険施設と有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅の合計

元国家公務員夫婦、「修繕」か「住み替え」か…「高級老人ホーム」が第一候補に

老人ホームといってもその形態はさまざま。主に民間企業が展開する有料老人ホームでは、さらに「自立型」「住宅型」「介護付き」の3つに分かれます。自立型は自身で身の回りのことができる人を対象としたホームで、同じ施設内に医療や介護との連携がある場合もありますが、ない場合は仮に要支援・要介護となると退去する必要があります。

住宅型は連携する介護サービスはあるものの、基本的に介護費は月額費用に含まれていません。その代わり、比較的自由があるスタイルです。「介護付き」は介護サービスが月額費用に含まれているスタイルです。介護状態には自立から要介護5までランクがありますが、施設によって受け入れ幅が変わるので、しっかりと確認する必要があります。また認知症の受け入れについても施設によるので、チェックしておきたいポイントです。

ともに国家公務員だったという70代夫婦も、40年近くまえに東京の郊外に戸建てを、修繕するか、それとも住み替えるか、悩んでいたというふたり。ふたりの子どもは独立し、マイホームを購入しているため、仮に相続となっても誰も住むことはありません。そのような状況のなか「家を直して住み続けても……」という思いが強くなったといいます。そのようなとき、新聞公告で「高級老人ホーム」の存在をしり、「選択肢のひとつとして悪くない」と検討するようになったといいます。

高級老人ホームに決まった定義はありませんが、設備もサービスもランクが上の施設で、ライフスタイルを充実させたいという高齢者から支持を集めています。その分、費用も別格。最高ランクになると、家賃の前払いとなる入居一時金は億を超えるケースも。

月々の年金は夫婦で40万円を超え、退職金はふたりで5,000万円近くになり、そのまま残っているという夫婦。さらに貯蓄も2,000万円ほどの余裕があります。マイホームの売却益を考えなくても、それなりのホームに入居できるのではないか……そんな皮算用で、ホームを探し始めたといいます。

ふたりが決めたのは都区内で夫婦でも入居可能という介護付き老人ホーム。入居一時金は4,500万円、月額費用は50万円という高級老人ホームです。費用的な懸念は特になく、「ホーム選びは見学必須」というインターネットでみたアドバイスをもとに、しっかりと試食も含めて見学をして、「ここであれば間違いない」と入居を決めたといいます。

しっかりと見学しても見抜けなかった…老人ホーム選びの失敗

しっかりとした検討のうえ入居を決めた70代夫婦。高級老人ホームでさぞ、優雅な毎日を過ごしている、かと思えば、実は別のホームに転居したといいます。

――想像していた生活と違うことが色々とあって。この先もずっと続くかと思ったら、悔しさがこみ上げ震えながら泣きました

と妻。入念な見学のうえ決めたにも関わらず、何が想像と違っていたのか……

まず思い違いだったのが食事。試食会での料理は特別食で、入居後、普段の食事とはまったく異なるというケースがあります。「試食会での食事は美味しく、好みだったのに……」ということも。高級老人ホームの食事は一般的な老人ホームよりも食事に力を入れていることが多いものの、「高齢者に配慮した食事」という前提があり、どの施設も健康に配慮したもの。自立の人にとっては物足りないと感じるケースもあるようです。

また「過度なサービス」もストレスだったといいます。高級老人ホームは、至れり尽くせりのサービスが自慢のひとつですが、特に自立の人にとっては、過剰に感じてしまうこともあるようです。特に要介護者が中心のホームだと、スタッフの声掛けは頻繁に行われます。ある程度、プライベートの時間を優先したいという人にとっては煩わしく感じてしまうこともあるかもしれません。

老人ホーム選びも、通常の住まい探しと同じ。見学で見抜けないこともあり、退居や転居ということも珍しいことではありません。それでも夫婦のケースであれば、食事は通常時の食事を試食する、見学の際にスタッフの距離感を観察するなどすれば、防げたことだったかもしれません。

その後夫婦は、手厚いサービスは魅力的であるものの、スタッフとは適切な距離がほしいと考え、住宅型の有料老人ホームに転居。食事サービスもあるものの、居室はキッチン付なので自炊も可能。介護・医療施設も隣接しているので安心。前のホームよりランクは下がったものの、「ここであれば一生涯いられると考えている」と話しています。

[参照]

アットホーム株式会社『一戸建て修繕の実態調査2023』

内閣府『令和6年版高齢社会白書』

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