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1億円超の白金タワマンに住まう「世帯年収2,000万円の50代共働きパワーカップル」…家賃20万円の格落ち・埼玉低層マンションへ転居を決めたワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月19日 11時45分

1億円超の白金タワマンに住まう「世帯年収2,000万円の50代共働きパワーカップル」…家賃20万円の格落ち・埼玉低層マンションへ転居を決めたワケ

(※写真はイメージです/PIXTA)

まだまだ人気の衰えないタワーマンション。しかし、実際に住んだ人のなかには、やっぱり転居しようという人も少なくないようで……。一体どのような理由があるのでしょうか? 本記事では、Aさん夫婦の事例とともに、高齢期を見据えた住まいの考え方について社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。

なぜ人はタワマンに憧れるのか

タワーマンション(以降タワマンと表記)とは、一般的に集合住宅としてつくられた20階以上の高層建築物を指します。

タワマンと聞いて思い浮かぶワードは「富裕層」「勝ち組」「パワーカップル」などでしょう。共有スペースが豪華であることや、窓からみえる夜景の美しさなどが人気の理由です。特に都内で有名・人気のタワマンといえば、港区をはじめとした湾岸エリアがあげられます。人気エリアの物件は、同じタワマンのなかでも眺望や共有施設の充実具合などが優れており、多くの人が一度は住んでみたいと憧れる、ステータスの高い住まいであるといえるでしょう。

白金タワマンに住むパワーカップルの過去

今年、定年を迎える同い年のAさん・Bさん夫婦は共働き。2人とも年収は1,000万円を超え、大手企業に勤めるいわゆるパワーカップルです。ですが、2人はパワーカップルになるまで幼少期からの苦労がありました。

2人は学生時代の同級生です。お互いの幼少期には、貧しさという共通点がありました。Aさんの父親は収入が少ないものの、きょうだいが多く、妹や弟たちとずっとひとつの部屋で生活しなければなりませんでした。Bさんは母子家庭により、築古の狭いアパートに暮らしていました。こうした境遇から、友達を家に呼んだことは一度もありません。自身の部屋を持つことはできず、「なんでうちは古くて狭いの」「恥ずかしくて友達を家に呼ぶこともできない」と反抗していた時期もあります。

AさんとBさんには、「いつか、堂々と友人を家に呼べる、人が羨むような広くきれいな家に住みたい」という願望がありました。猛勉強の末、国立大学へ進学、大手企業に就職を果たします。

借りていた奨学金も2年で完済し、貯蓄に充てました。結婚当時は東京近郊の社宅に住み、2人でいつかタワマンを購入しようと目標を立て、頑張ってきました。

40代後半には2人の年収は1,000万円となり、貯蓄は5,000万円超に。そこでお互いの仕事の利便性を考え、夢を叶えるため白金にあるタワマンの購入を決めます。

夫婦には子どもがいなかったため、1億円超の白金タワマンを購入するにも頭金2,000万円と返済に無理がないローンを組むことができました。40歳からの25年ローン、65歳年金受給で完済予定で月々の返済額は40万円ほど。時折、友人を家に呼ぶこともでき、長年の夢が叶ったと仕事に忙しくするなかでも楽しいタワマンライフを過ごしていました。

タワマンに住んで10年、老後はどうするか?

そんな2人ももうすぐ定年を迎えます。定年後は再雇用で65歳まで働く予定です。タワマンライフももうすぐ10年となり、定年後も引き続きタワマンで暮らすことも可能です。しかし、定年後の年収が下がることから、2人で今後の生活について話し合うことに……。

いまの生活に不満はないし、念願の広くてきれいな家に住めており、お互いの友人たちと楽しい時間も過ごせているという点で意見は一致しました。

しかしAさんが口を開きます「近ごろ、日本各地で災害も多く、高齢期になってからもし災害等で停電し、エレベーターが使えなくなった場合を想定するとタワマンに住み続けるには不安な気持ちがある」。

Bさんが答えます「確かにあなたのいうとおりね。あと私は、いまとなっては部屋数が多いことも悩みなの。いまは人を呼んだときの来客用として使っているし、なにより広いことは生活のゆとりだと思っていたけれど……。それでもほら、あそこの部屋。あそこだけは日当たりも悪いくて、まったく使わず物置状態よね。掃除の手間もかかるし、使っていない部屋には埃も溜まりやすいし、正直、持て余していると感じているわ」。

今後について不安があるという点でも2人の意見は一致しました。

見栄を張る必要もないことに気づいたとき

定年後の生活は、年収が下がり、働き続けても現役時代より休日が増え、自分の時間が増えることになります。65歳で年金生活になった場合、物価の高い都心より、近郊で周りに医療・商業施設など充実した場所にある低層マンションでも充分だと考えます。

幼いころの目標を達成したこともあり、見栄でタワマンを購入したわけではありませんでしたが、はたからみると見栄っ張りと思われたかもしれません。定年後は給与が4割程度下がるため、管理費や修繕積立金も高いことから、住み替えもありかという考えにシフトしていきました。

会社の休みも取りやすくなるため、身の丈にあった低層マンションに住み替えて、旅行や趣味などに使うのも一案かもしれません。思い立ったら吉日。早速休みの日に不動産会社に行ってみることにします。

家賃20万円の低層マンションへ

不動産会社からの説明では、タワマンをいま売却するとタワマン売却で得た利益、ローン返済で浮いた分があるとのこと。いままでの貯蓄と合わせ余裕資金ができると、AさんBさん夫婦はこれなら老後を豊かに暮らせると気づきます。2人は提案を受けた埼玉にある家賃20万円の低層マンションへ転居を決めました。

パワーカップルなので、退職金も2人あわせて4,000万円。高齢期で働けなくなったときの備えは貯蓄と退職金、そしてタワマン売却益で老後は安泰のようです。日々の生活は2人合わせた年金額は約45万円。年金のみでゆとりある生活を送るにも十分な金額です。

賃貸に決めたワケ

今回のタワマンからの住み替え経験から、年齢を重ねると先々で転居の必要性がでてくるかもしれないと感じたAさんとBさん。また新たに家を買ったとしても、10数年後には老人ホームなどの高齢者施設へ2人で入るときがくるかもしれません。さらに、子どもがいないことから、後々の相続などの問題を危惧し、賃貸に住む決断をしました。

Aさん夫婦にとって子どものころの思い出は辛く寂しいことが多かったかもしれません。だからこそ、パワーカップルとして目標ができ、夢を叶えることができました。定年退職を機に、ゆったりとした生活にシフトし、長生きリスクに備えるとともに豊かな老後を過ごすための転居を検討することも一案でしょう。

三藤 桂子 社会保険労務士法人エニシアFP 代表

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