1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

《ランキング》東京23区「土砂災害リスク」…ワースト1は「港区」、「警戒区域」は23区で1,000ヵ所超え

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月18日 7時15分

《ランキング》東京23区「土砂災害リスク」…ワースト1は「港区」、「警戒区域」は23区で1,000ヵ所超え

(※写真はイメージです/PIXTA)

自然豊かな日本では、毎年のようにさまざまな自然災害が発生します。梅雨時や台風のときに注意したいのは土砂災害。山間部で起きる災害で都会では無縁と思いがちですが、実は東京都心でもその危険性をはらんだ地域が……身近にある災害リスクについてみていきます。

山間部だけではない…都市部でも発生する土砂災害

雨の多い日本で、毎年のように発生している土砂災害。昨今は、線状降水帯による局地的な集中豪雨が頻発し、多大な被害をもたらしています。

国土交通省の発表によると、昨年は43の道府県で1,471件の土砂災害が発生。昭和57年の統計開始以来の平均発生件数である1,099件はもとより、直近10年間の平均1,466件を上回りました。

土砂災害といえば、急斜面が崩れ落ちる「崖崩れ」、緩やかな斜面に大量の水がしみこみ、えぐられるように滑る「地すべり」、山の斜面が崩壊し、大量の土砂が川などに沿って一気に下る「土石流」の3つを想像するでしょう。

そのため、土砂災害といえば山間部とその周辺に発生するというイメージをもち、都市部とは無縁と思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、近年、その危険性が叫ばれているのが「都市型土砂災害」です。

記憶に新しいのが、2020年、神奈川県逗子市で発生した土砂災害。マンション下の斜面が崩れ、当時18歳の女子高校生が亡くなりました。

災害は、よく晴れた冬の朝。最低気温1度という寒さのなか発生しました。道路脇の高さ約16メートルの斜面が突然崩落し、たまたま通りがかった女子高生が犠牲になったのです。無降雨時の土砂災害は極めて異例で、主因は「乾湿、低温による風化」とされました。また現場は安全対策が手薄になりがちな私有地だったことも、悔やまれることのひとつです。

都市型土砂災害は、大きく2つに分かれます。ひとつが都市外縁型の土砂災害。2014年、広島県で発生した大規模な土砂災害はこれにあたります。河川が山から平地へと流れ出るところに広がる扇状地。川の勾配が急に小さくなるため、上流から運ばれてきた土砂が堆積しやすい地形です。そのため土石流が発生すると、扇状地で一気に土砂が広がり、大規模な災害となるわけです。

もうひとつの都市型土砂災害が都市内部型。造成の際に盛り土がされますが、大量の雨が染み込んでいくと水圧が高まり、土を支える擁壁を破壊させるというものです。都市部には無数の盛り土がありますが、すべての盛り土が危険というわけではなく、排水がきちんとされていない盛り土は、そもそも大雨による崩壊の危険が高いといえます。さらに昨今、局地的な集中豪雨が頻発し、排水能力の限界を超えることも。そうなると、排水がしっかりとされている盛り土であっても、崩壊がないとはいいきれないのです。

東京都心の官庁街にも土砂災害の危険性がある

国土交通省では土砂災害の恐れがある範囲を調べる基礎調査を全国で進め、約70万箇所の警戒区域、特別警戒区域を指定しています。

それは土砂災害とは無縁のように思える東京都心部にも。東京都が公開している「土砂災害警戒区域等マップ」で土砂災害警戒区域をチェックしてみると、たとえば千代田区の官庁街、内閣府内閣官房の裏手に土砂災害特別警戒区域を表す赤色のエリアが……。このように東京都心部でも、まさかこんな身近に、というところに、土砂災害の危険性が潜んでいるのです。

東京23区の「土砂災害警戒区域」についてみていくと、該当エリアがないのは「足立区」「葛飾区」「墨田区」「江戸川区」「江東区」「中央区」の6区。隠れた危険地域はあるかもしれませんが、ほかの区は、土砂災害の危険性が顕在化したエリアが存在し、その数、1,004ヵ所。そのうち「特別警戒区域」は692ヵ所にも及びます。

なかでも警戒区域が最も多いのが「港区」で208ヵ所。そのうちは特別警戒区域114ヵ所あり、ほかの区を圧倒しています。実際に港区には「赤坂」や「乃木坂」など、坂がつく地名が多く、それらの地域では都市化の過程で盛り土がされました。そのため、土砂災害の危険性が高い区域が多く点在しているわけです(関連記事:『【ランキングをすべてみる】東京23区「土砂災害リスク」ワースト23』

◆東京23区「土砂災害危険度」ワースト5

   警戒区域  うち特別警戒区域
1    港区   208   140
2  板橋区   146   114
3  文京区   106   63
4  世田谷区    103   80
5  大田区   96   59

※出所:東京都建設局

このような都市部でも点在する土砂災害の危険区域。災害に巻き込まれないためにも、前出の「土砂災害警戒区域等マップ」など自治体で発表している情報をしっかりと確認。また雨の際に排水パイプからの水が濁っていたり、そもそも大雨にも関わらず排水パイプから水が出ていないのは、土砂災害の黄色信号。その場を離れたほうがいいでしょう。

[参照]

東京都『土砂災害にそなえるために:東京都における土砂災害対策事業』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください