1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

バブル期に建てられたマンションには「古い」というデメリットを覆すほど〈高い価値〉があるワケ【不動産投資のプロが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月18日 7時45分

バブル期に建てられたマンションには「古い」というデメリットを覆すほど〈高い価値〉があるワケ【不動産投資のプロが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

バブル期といえば今から30年以上前。この頃に建てられたマンションと聞くと「古い」と感じるかもしれません。しかし今も残っているバブル期に建てられたマンションは、その時代に建てられたからこその高い品質を備えていると話すのは、株式会社プラン・ドゥの代表・杉山浩一氏です。今回はなぜバブル期のマンションに大きな価値があるのかを、杉山氏の著書『新富裕層のための本質的不動産投資』(明日香出版社)より一部を抜粋し、ご紹介します。

バブル期のマンションはなぜ高品質なのか?

一般的に、築30年を経過したあたりから、その物件に対してネガティブな印象を抱く人が多いようです。しかし、「バブル期(1990年前後)に建てられたマンションは総じて品質が良い」ということを知らないと、本当に価値のあるものを見逃してしまうことになりかねません。

まず、バブル期の建物は基本的に、対賃料収入という観点での費用対効果を考えて建てられてはいません。言い換えれば、そこで生活する人が必要とする以上に贅を尽くしている、という側面が色濃く存在しているわけです。

そのような時代背景の中で、なぜ多くの人がこぞってマンションを建てたかというと、「土地は値上がりする」という「土地神話」が機能していたからです。購入時の値段がどれだけ高くても、後で転売するときには時の経過とともに値上がり益が出る。だからこそ、地上げのような問題も含めて、多額の金銭が土地に注ぎ込まれたわけです。

賃料というリターンを狙う必要はなく、転売時に高く売れるよう、つくりをできるだけゴージャスにすることがプライオリティでした。これは分譲マンションだけでなく、賃貸マンションの場合も同様です。

賃貸でも分譲マンションの仕様と同等レベル、ないしはそれ以上のつくりであることが当たり前。スーパーゼネコンが手がけるのも当たり前。さらには外壁全体のタイル貼り、共有エントランスの石張り、システムキッチンの天板を人造大理石にするなど、実用性や賃料には直接影響しない部分にまで多額のコストがかけられました。

実際、分譲マンションが一棟で買われて、賃貸マンションとしてマーケットに出てくるケースもありました。

今も存続していること自体が「良いマンション」である証し

2つ目の理由として、建築資材のコストが現在の半分ほどで済んだため、良い資材をどんどん活用できたという点が挙げられます。こうした事情に加えて、当時は建設人口も豊富だったため、今ではまったく考えられないことですが、スーパーゼネコンが請負金額5億円以下の建築を受注するほど競争は過熱していました。

このような物件が盛んに造られたのは、1989年から1991年にかけてです。平成5年を過ぎるとバブルが崩壊するので、ゴージャスな物件の数は一気に減り、それ以降は同様の条件下でマンションが建てられる時代は訪れていません。

同じような物件が「これ以上はもう建たない」という意味で、バブル期のマンションは「希少価値がある」という見方ができるかもしれません。

とはいえ、当時は「建てれば売れる時代」でもありました。多くの物件がハイスピードで建てられ、今のように安全に対する意識も十分ではなく、すべての物件が丁寧に扱われたわけではないことも事実として認識しておくべきです。

しかし、一流のゼネコンはそんなバブルの最中であっても、品質管理を強化し、現在の観点から眺めても、本当に良いものを造っていました。

気候や天候の激しい変化の中で、大きなダメージを受けるような計画や施工となっていないか、20年、30年先に大規模な修繕や設備の交換を考えたときに、スムーズでリーズナブルな工事が可能になるような配慮がされているか、など、見てくれのゴージャスさに惑わされない真のプロの姿勢は30年以上を経た今だからこそ、私たちにも分かるものがあります。

施工不良の建物の場合、数年のうちに不具合が表面化してきます。ダメなものは、あっという間に分かりますが、良いものが本当にいいと分かるのは、時間がかかります。

現在でも部屋が埋まり、入居者が快適に暮らしているのであれば、それはもともとの品質の良さの証しでもあります。適切な管理と修繕は欠かせない条件ですが、今も存続していること自体が「良いマンション」である最大の証しなのです。

このように、バブル期のRC造マンションが高品質である理由をご理解いただければ、リノベーションをして使い続けることの意義もお分かりいただけると思います。

杉山 浩一 株式会社プラン・ドゥ 代表取締役

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください