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金銭トラブルを避けたいから「おこづかいを渡さない」は逆効果?この夏休みに親子で学びたい、未来に繋がる“お金管理スキル”【現役ママFPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月28日 8時45分

金銭トラブルを避けたいから「おこづかいを渡さない」は逆効果?この夏休みに親子で学びたい、未来に繋がる“お金管理スキル”【現役ママFPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

「そろそろ子どもにおこづかいを渡すべき時期かも」そうは思うものの、後先考えない無駄遣いや、友達とのおごり・おごられ、ゲーム課金など、子どもが金銭トラブルに合わないか心配で足踏みをしているママ・パパもいるのではないでしょうか。キャッシュレス時代で、スマホでピッ!サイトでポチッ!が子どもが目にする大人の当たり前の買い物風景という環境ではありますが、そんな中でも1円の重みを感じ、お金をコントロールできる大人になってほしいもの。それは、現金の扱いを通してどれだけの感情を味わったかの経験値でこそ育まれます。おこづかいを最大限生かし、未来のお金力を育む方法を現役ママFPがお伝えします。

娘が心配でおこづかいが渡せない…

30代共働きのBさんご夫婦。日々忙しい中、10歳の娘を育てています。

娘さんがおこづかいを欲しがっても、金銭トラブルに繋がるのでは? と心配で、未だに渡せずにいます。夏休みを前に、友達とお祭りで屋台を楽しむという希望も叶えてあげたいとは思うのですが心配は尽きず……とのことです。

金銭トラブルを防ぎつつ、子どもたちがお金を大切に、幸せなお金の使い方を学べるおこづかい管理はどのような方法で伝えていったらいいのでしょうか?

STEP1: 金銭トラブルを心配するなら!親が適切なお金環境を整える

子どもの金銭トラブルを考えるとき、外部からの影響ばかり心配し、つい見落としがちなのが家庭内での親のお金への向き合い方です。子どもの金銭トラブルというと、後先考えない無駄遣いや、友達とのおごり・おごられ、そして最近ではゲーム課金といったものが挙げられますが、親側のお金に対する在り方や声掛けで防げるものも少なくないのではないでしょうか。

お金に対する感情や感覚は、幼少期からの親の影響がとても大きい

口では「お金は大切」と話す親が、実際はお財布を机の上に置いたままにしていたり、おつりをポケットに無造作に突っ込んだりする様子を見れば、お金を軽々しく扱い、友達とのトラブルになるかもしれません。また、次々と衝動的に物を買う親の姿を見れば「お金は無限にあり、欲しい物はすぐ買えばいいのだ」とも覚えるでしょう。

すぐに飽きて新しいものをねだる子どもに、言われるまま買い与えていると、その目的が“欲しいものを手にすること”ではなく、“買ってもらうこと”になり、その欲求を満たす高揚感で満足し、おこづかいで達成感や我慢を覚えるお金の管理スキル向上とは程遠くなるでしょう。

スマホでの金銭トラブルは、セキュリティー上の対策はもちろん必須ですが、まったく見せないのは好奇心を駆り立てるだけで逆効果だと私は考えています。我が家では、ネットショッピングや課金はどんなときに利用し、どんなことに気をつけているのかなど、私の価値観とマイルールを子どもにも話し見せることで、うっかり出来心でというトラブルを回避しています。

小さい金額からスタートし、徐々に金額UPすることでトラブル回避

金銭トラブルを警戒するあまり、中学生以上になって必要に駆られてからおこづかいを始めると、手にする金額が最初から大きな金額になりがちです。親子のコミュニケーションが減る可能性もある年齢だと、親がお金のトラブルに気づきにくく、気づいたときには被害が大きくなっていることも。

そうならないよう小さい金額から始め、親がフォローできる小さな失敗をたくさん経験できる早い時期に、スタートできるといいですね。

STEP2: 収入の中で支出をコントロールするスキルは『目的別おこづかい管理法』で鍛える!

お金に向き合う環境が整ったところで、実際にどんな管理方法でどんな効果があるのかみていきましょう。

目的別に予算管理するのは大人も子どもも同じ

子どものおこづかいというと、好きなものを買うために使うイメージでしょうか? 慣れてきたら、ぜひ下記表の4つの目的別の合計額で渡すことをおススメします。

好きな物を買うためだけのおこづかい額より多くはなりますが、子どものお金スキル向上のための教材と考えると納得です。徐々に親が買い与えていた物をおこづかいで購入する物に移行していきます。それに合わせ、おこづかい額を増やし、予算内に収まるようやりくりを覚えていきます。

このように任せる物が増え、自立して管理できるようになると、そのまま将来の家計管理の基礎に繋がりますね。具体的な例は[図表1]のとおりです。

おこづかい(収入)全体を把握し、先取り貯金の習慣を

“もらったらすぐに4つの予算で仕分け管理”を徹底して練習することで、将来も先取り貯金と先取り投資をし、残りで生活するという習慣が身につきます。

また、自分のためのお金は、必要な物【NEED】とほしいもの【WANT】を常に意識し、振り返り習得することが最重要課題です。先にWANTを買ってしまって、NEEDが買えなかったという悔しい思いを子どもの頃に重ねておくと、大人になって大きな金額で失敗することを予防できるでしょう。

我が家では、毎月の長男の散髪代をおこづかいで出すように予算内に入れています。WANTで使い過ぎると身だしなみが整えられないピンチに! お手頃なお気に入りのお店を見つけたり、短めに切って頻度を減らしたり、息子なりにやりくりしている様子に成長を感じています。

私は、失敗を防ぐような先回りした声掛けは一切しません。多感な子どもの頃こそ、お金にたくさんの感情を感じ、使い過ぎて悔しい我慢の経験こそ失敗ではなく学びの種と考えています。

STEP3: おこづかい帳でおこづかい作戦のフォローを

ここまで具体的な管理方法をお伝えしてきましたが、この仕組みを意識していけるように記録するのがおこづかい帳です。大人も書くことで理解できるのと同じで、子どもは“できた”を形にすることで一段とやる気アップします。

秘訣は記入することを貯めずに、月初に今月のNEEDとWANTを設定、増減はそのたびに記入、月末に良い買い物だったか改善できる使い方だったかを振り返り、自分の買い物のクセを見つけます。これは親も一緒に自分の買い物行動を振り返ると、家計改善になるかもしれませんよ! 

おこづかい帳の上で、1年後が購入目標となる大きな買い物を設定し、その逆算で先取り貯金の毎月の金額を決めるサポートもぜひしてあげてください。「ちょっと高いけどほしいものは何? 貯金してたら自分で買えるよ!」と自分のお金で買うワクワク感を膨らませてあげると、お金へのモチベーションも高まりそうですね。

親の思う無駄遣いは子どもにとっては学びの宝の山

初めは使い過ぎて我慢することも多いと思うので、親が「どうしておこづかいが足りなくなっちゃったのかな?」と、子どもに考えるヒントを手渡す声掛けをしてあげましょう。

このとき、失敗を子ども自身で気づかせることがポイントです。大人が思う無駄遣いを見つけて、「それならおこづかいあげない!」と責めてしまうと、子どもはお金を見るのもイヤになり、お金は豊かになる道具ということに気づく機会をうばってしまいます。

親は『おこづかいは未来のために練習する、自由に使っていいお金』と捉え、失敗の練習と見守る体制でいましょう。

お金は使ってこそ豊かになれるツール

お祭りも多い夏休み。ぜひ、たくさんの屋台を前に、決まった金額の中で最大限自分が満足する使い方を事前に考え、お金をやりくりする体験をさせてあげてください。

我が家の小学生の娘は、くじがなかなか当たらず、つい予定を超えてくじを引き、欲しくもないおまけを手に、次のおこづかい日まで懐寂しい我慢の日々を過ごすという経験から多くのことを学んだようです。商品がすべてではなく、ドキドキする気持ちを味わうようなサービスという価値もあるから自分の心地いいお金の使い方を見つけようという話をしました。

子どもたちが大人になるまでに“自分サイズの自分らしい”の豊かな使い方を身につけ、自信をもってその背中を応援できる親でありたいものですね。

北村 由紀

ファイナンシャルプランナー

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