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仏壇も位牌も残っているが…都内在住の70代女性、亡き夫の故郷・北関東にある〈実家不動産〉を手放したい

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 11時15分

仏壇も位牌も残っているが…都内在住の70代女性、亡き夫の故郷・北関東にある〈実家不動産〉を手放したい

(※写真はイメージです/PIXTA)

夫を亡くしたある女性は、夫が保有していた「夫の実家」をどうするべきか、頭を悩ませていました。これからの時代の「正解」を探ります。相続実務士である曽根惠子氏(株式会社夢相続代表取締役)が、実際に寄せられた相談内容をもとに、生前対策について解説します。

亡き夫が保有していた不動産、これからどうしたらいいのか…

今回の相談者は、70代の田中さんです。2カ月前に亡くなった夫の遺産について、今後どうしたらいいのか相談に乗ってほしいと、筆者の事務所を訪れました。

田中さんの夫は大手企業の幹部だった人で、現役時代はかなりの高所得でした。また、出身地である北関東に、複数の不動産を保有しています。

資産内容は、数千万円の現預金のほか、都内の自宅、出身地には、いまは空き家となっている実家の土地と建物、空き地を保有しています。

「夫は大学時代から実家を離れて生活しており、いまの自宅も自分で購入しました。ただ、長男なので、親から実家やそれ以外の不動産も相続し、維持してきたのです」

空き家になっている夫の実家には、いまも亡き舅姑の位牌がある仏壇が置かれており、田中さんはこれまで、年に数回足を運び、掃除をしていました。

「うちには2人息子がいますが、夫の実家には子どものころ遊びに行ったぐらいで、将来、息子たちが継ぐことは考えられません。それに、私も年を取り、管理のために足を運ぶのは大変です。これからどうすればいいか、アドバイスしてもらえないでしょうか?」

懸念の相続税、「特例」を生かせば…

筆者の事務所の提携先の税理士が財産評価したところ、基礎控除の4,800万円を超えており、相続税の申告が必要だと判明しました。しかし、配偶者は1億6,000万円まで無税という特例があるので、その特例を生かし、田中さんが全財産を相続する場合は、相続税の納税は不要になります。

問題は亡夫の実家の不動産です。都内の自宅から遠く、田中さんも子どもたちも、今後活用する可能性はほとんどありません。維持すれば固定資産税や草刈りなどの費用がかかり、このまま残しても、子どもたちにとって良い結果にはなりません。

そうした状況から判断すると、早めに売却することが妥当だといえます。空き家や空き地のままでは固定資産税がかかるだけです。不動産は住んだり、活用したりしなければ、価値があるとはいえません。

有効活用できない不動産は、速やかに手放して

田中さんは子どもたちと相談した結果、夫の遺産はとりあえず田中さんが相続し、夫の1周忌が過ぎたら、夫の故郷の実家や土地などは全部売却することになりました。

「仏壇は処分し、舅と姑の位牌は、夫の位牌とともにこちらに置きたいと思います」

夫の故郷は過疎が進む地域であり、買い手を見つけることが次の課題だといえますが、価格にこだわらずに処分していきたいとのことで、筆者も引き続きサポートすることになりました。

次世代を見据え、「持っているだけ」の不動産の処分を進めるのは、とても現実的な対策だといえます。土地を相続された方のなかには「現状維持」することに一生懸命となり、有効活用できない土地に固定資産税や樹木の手入れといった費用を注ぎ込み続ける方がいますが、それでは資産とはいえません。

今後は地方も過疎化が進む地域が増えてきます。そのような資産を持たれている方は、早い段階で決断し、売却や組み換えを行い、有益な形で手元に残していただけたらと思います。

※登場人物は仮名です。プライバシーに配慮し、実際の相談内容と変えている部分があります。

曽根 惠子 株式会社夢相続代表取締役 公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士

◆相続対策専門士とは?◆

公益財団法人 不動産流通推進センター(旧 不動産流通近代化センター、retpc.jp) 認定資格。国土交通大臣の登録を受け、不動産コンサルティングを円滑に行うために必要な知識及び技能に関する試験に合格し、宅建取引士・不動産鑑定士・一級建築士の資格を有する者が「公認 不動産コンサルティングマスター」と認定され、そのなかから相続に関する専門コースを修了したものが「相続対策専門士」として認定されます。相続対策専門士は、顧客のニーズを把握し、ワンストップで解決に導くための提案を行います。なお、資格は1年ごとの更新制で、業務を通じて更新要件を満たす必要があります。

「相続対策専門士」は問題解決の窓口となり、弁護士、税理士の業務につなげていく役割であり、業法に抵触する職務を担当することはありません。

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