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国際通貨基金「2024年世界経済」最新予測…フィリピンは成長率「アジア2位」の見通し

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 7時15分

国際通貨基金「2024年世界経済」最新予測…フィリピンは成長率「アジア2位」の見通し

写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は国際的な経済専門機関による、フィリピン経済および世界経済の最新予測についてみていきます。

IMF「アジア新興市場は世界経済の主要なエンジン」

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通し報告書で、国内総生産(GDP)成長率予測について、中国(5%)、インドネシア(5%)、マレーシア(4.4%)、カザフスタン(3.5%)、イラン(3.3%)を上回ります。また、タイ(2.9%)、エジプト(2.7%)、韓国(2.5%)、パキスタン(2%)、サウジアラビア(1.7%)、日本(0.7%)に対し、フィリピンは2024年6%、2025年6.2%としました。これはインドの7.5%のGDP成長予測に次ぐものです。

IMFは2024年の世界成長予測を3.2%、2025年を3.3%とし、前回の報告書の予測から大きく変わっていません。IMFは米国の成長予測を今年は2.6%に引き下げましたが、2025年の成長は1.9%で維持しました。アジアの新興市場は世界経済の主要なエンジンであり続けているとしています。

新興市場および発展途上国の成長予測は上方修正されており、この増加は特に中国とインドの強い経済に支えられています。新興市場および発展途上国のアジアの成長予測を今年は5.4%、2025年は5.1%としました。

中国の成長予測も今年は5%に引き上げられました。これは主に民間消費の回復と第一四半期の強い輸出によるものです。中国の成長は高齢化と生産性の成長鈍化の逆風により、来年には4.5%に鈍化し、2029年までには3.3%にまで減速すると見られています。

IMFは、リスクはバランスが取れているとしているものの、インフレの上振れリスクは、サービスインフレ抑制の進展の欠如や、新たな貿易や地政学的緊張から生じる価格圧力から生じる可能性があるとしています。

高インフレのリスクは、長期的な高金利の可能性を高めており、これが財政、金融のリスクを増大させるとしています。金利の不均衡から生じる持続的なドル高は、資本の流れを混乱させ、計画された金融緩和を妨げ、成長に悪影響を与える可能性があるとも指摘しています。持続的な高金利は借入コストを引き上げ、金融の安定性に影響を及ぼす可能性があるともしています。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、直近の会合で、金利を5.25%~5.5%のまま据え置いています。

AMROによる予測…比成長率、ASEANでは2番目と予測

ASEAN+3マクロ経済リサーチ研究所(AMRO)による最新の更新では、フィリピンの国内総生産(GDP)は今年6.1%拡大と見込み、4月の見込み6.3%からわずかに低下しました。それでも2023年の5.5%のGDP成長率よりは高く、政府の今年の目標である6~7%の範囲内です。

AMROは、外部セクターの回復が予想よりも弱かったと、フィリピンだけでなく多くの地域の国々の成長率も引き下げていますです。

さらにフィリピンの成長がインフラ投資の減速によって弱くなっているという分析から、2025年のGDP成長予測も6.5%から6.3%に引き下げました。。政府はこの問題を非常に意識しており、計画とのギャップを埋めようとしていますが、パンデミック時に大きな財政出動をしたため財政出動には制約があります。

フィリピン政府は今年、インフラに1.47兆ペソを費やす予定で、マルコス政権は2024年から2025年にかけてGDPの5~6%をインフラ投資に維持することをコミットしています。また、海外からの直接投資(FDI)に対して、フィリピンには依然として適度なビジネススペースがあり、より多くの外国投資を引きつけることができますが、実際には、他の東南アジア諸国と比べ低調な状態が続いています。

今回の修正により、フィリピンの経済成長予測は、カンボジア(5.6%)、インドネシア(5.2%)、マレーシア(4.7%)、ラオス(4.5%)、ブルネイ(4%)、タイ(2.7%)、シンガポール(2.4%)、ミャンマー(1.8%)を上回り、東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかではベトナム(6.3%)に次ぐ2番目です。

AMROは、4月以降、世界経済のリスクの全体的なバランスは改善したものの、商品価格や物流コストの急騰、予想以上に厳しい米国の金融政策などのリスクがあるとしています。他のリスクには、米国とヨーロッパでの急激な経済減速、中国での成長の弱まり、米国大統領選挙の動向が含まれます。米国大統領選挙は11月5日に実施されます。

また地政学的な緊張がASEAN+3経済にとってより重要になっているとし、地経済的分裂の脅威は、米国の中国に対する最近の関税措置に続いて、より多くの国が貿易管理や保護主義的措置を発表するなかで再び頭をもたげています。グローバルな貿易に統合されているASEAN+3経済にとって、これらの貿易摩擦の負の影響が出る可能性があるとしています。

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