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カメラが回ってない場所でも「定子推し」の“ファッサマ清少納言”に感謝…どん底にあっても『枕草子』に“幸せ”を見出した定子の強さ【高畑充希】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月22日 7時15分

カメラが回ってない場所でも「定子推し」の“ファッサマ清少納言”に感謝…どん底にあっても『枕草子』に“幸せ”を見出した定子の強さ【高畑充希】

NHK提供

大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合・午後8時ほか)で、藤原道隆(井浦新さん)の長女で、一条天皇に入内した藤原定子を演じている高畑充希さん。7月21日放送の第28回「一帝二后」では、3人目の子供である姫皇子を産んだ定子が25歳で世を去る様子が描かれました。一条天皇の寵愛を一身に受け、清少納言らが集う才気あふれたサロンを作り上げながらも悲運に見舞われた定子を演じた高畑さんにお話を伺いました。

15歳から25歳までの定子を生き抜いた

――まずは定子を演じきってみての心境をお聞かせください。

高畑充希さん(以下、高畑):最初は、中宮定子といえば、『枕草子』で描かれるような明るくてユーモアがある魅力的でハンサムな女性というイメージがありました。でも、中盤以降、次から次へと辛い出来事が定子に降りかかり、華やかだけではない定子を演じる時間が長くなるにつれて、自然に定子がつくられていった感じがあります。

私は15歳から25歳までの定子を演じたのですが、ここまで生き抜く役柄というのはそれほど多くあるわけではないと思います。これだけいろいろなことが起こって周りの環境も変わって、短いながらもドラマティックな人生を歩んだ方でもあるので、本当に生き切ったというか、「最後のゴールテープを切ってバタッ」みたいな感覚で撮影を終えました。

“推される役”の不安も…「ウイカちゃんとソウルメイトを演じられてよかった」

――ファーストサマーウイカさん演じる清少納言と定子の「尊い関係」もSNSを中心に話題になっています。

高畑:ウイカちゃんは撮影の中でも外でも私を推してくださっていて、それに救われた部分が大きかったです。私自身はどちらかと言うと、「推す側」というか、何かに憧れたり、何かに対してエネルギーを持ったりする役のほうが多くて、逆に「推される」、エネルギーを持たれる側はほとんど初めてに近い経験だったので、「憧れられる人物を演じなければ」という、“推される役”の不安もありました。

そういう意味で、当時はすごくプレッシャーを感じていたのですが、ウイカちゃんが上げてくれ、私を憧れの存在として扱ってくれたことですごく楽になったし、ウイカちゃんと一緒にソウルメイトの役を演じられて楽しかったです。

――第21回の「旅立ち」では、『枕草子』を書き始めた清少納言と定子がクロスするシーンも印象的でしたが、1000年後の現在に至るまで、定子がユーモアに富んだ知的な女性として語り継がれていることについてはどんなふうに感じますか?

高畑:文字の力というか、文字に残すことがこんなにパワーがあることなのかと……。ウイカちゃんと一緒に『枕草子』が誕生するシーンを撮影して、オンエアを見たときに「こういう守り方があるんだ」と受け取れて、清少納言はなんてかっこいい女性なんだろうと思いました。

一条天皇に寵愛される定子を演じる上で一番悩んだこと

――一条天皇の定子への寵愛ぶりも話題になっていますが、一条天皇を演じる塩野瑛久さんとの共演はいかがでしたか?

高畑:一条天皇も「定子さん、好きです」と持ち上げてくださって、恥ずかしげもなく言葉で表現してくださる方だったので、それに救われた感覚は強かったです。めちゃくちゃ愛される役ってどこかずっと不安なんです。自分で大丈夫かなとずっと思いますし、そんなときにウイカちゃんや塩野さんは中でも外でも推してくれるので、セリフの上だけではなくてすごく助けてもらえたなと思います。

ただ、一条天皇とのシーンは常に複雑で……。一条天皇は、定子にとっては最初は可愛い弟分だったのですが、そこから一人の男性として見るようになって愛し合っていきます。その後は「この人に見放されたら自分も子供も行く場所がなくなるし、終わってしまうという保身的な部分も加わってきて……。

それに対して、一条天皇は相変わらず「愛の一本勝負」で来てくれるのですが、そこの温度差も感じるようになるし、男性と女性の違いも見えてきて「愛情をもらうのは嬉しいし、全力で応えたいけれど、考えなければいけないこともあるし……」のような混沌とした感情が後半のほうでは強くなってきて、辛いというか、ただ好きな相手を求めるという部分だけではいけないもどかしさのようなものがありました。

もちろん、一条天皇に対する愛情が減ったわけではありませんが、いろいろな状況が重なって真綿で首を絞められていくような苦しさはあったと思います。

定子を演じて一番悩んだ部分もそこで、家族が不利な立場にならないように政治的な面を見せるシーンもあるのですが、あまりにも政治的に見えてしまうと、一条天皇への愛情も嘘に見えてしまう可能性もある。家族のことも考えなければいけないし、でも一条天皇への愛も嘘ではなくてお互いが本当に愛し合っていたというふうに見えるように、監督に相談しながら撮影していきました。

「どん底の状態にいても幸せを見つける力がある」

――「定子は幸せだったのか、不幸だったのか?」というような、誰かが幸せだったかどうかは周りがジャッジするべきことではないとは思うのですが、高畑さん自身は演じられていてどんなふうに感じましたか? また、定子が幸せを感じた瞬間があったとしたら、どんな瞬間だったと思いますか?

高畑:難しいですね……幸せ。定子の場合は幼少期が幸せだったんですよね。でも家族が去ったり離れていったりしてしまうのは辛いことだったと思いますし、おそらく元々なかったものがないことよりは、元々あったものがなくなることのほうがより喪失感は強いのかなって。特に人生の後半は幸せだったとは言い切れないとは思うのですが……。

でも、私が定子を好きなのは、どれだけどん底の状態であっても、幸せを見つける力、気力がある方なんじゃないかなと思っていて、その強さがすごく素敵だなと思います。だからこそ、清少納言が書いてくれた『枕草子』の文章に幸せを見出せたのかなって。清少納言ととりとめもない話をするというシーンも出てくるので、そんな瞬間に穏やかな幸せを見出していたのかもしれないですね。

――そんな強さを持った人だからこそ、清少納言とも唯一無二の関係を作れたのかもしれないですね。

高畑:そうですね、おそらく自分というものがちゃんとあった人だから、清少納言との関係性を作れたり、一条天皇にも愛されたのかなと思います。でも、一条天皇の寵愛を受けすぎたからあんな最期になってしまったし、頭が切れたから姑(藤原詮子)にも煙たがられたりしてしまって、彼女の良いところがマイナスに転んでしまう瞬間も多々あるので、もっと鈍感だったらこんなに苦しまなくても済んだのかもしれないですね。

『光る君へ』

『光る君へ』は、平安時代中期の貴族社会を舞台に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公。のちの紫式部であるまひろが、藤原道長への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で「光源氏=光る君」のストーリーを紡いでゆく姿を描く。脚本を手掛けるのは、『セカンドバージン』や『知らなくていいコト』『恋する母たち』などで知られる大石静さんで、今回が2度目の大河ドラマ執筆となる。 THE GOLD 60編集部

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