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不祥事や想定外の環境変化も頑張りどころ?…30代であえて「修羅場経験」を積んでおくべき理由【転職のプロが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月24日 8時15分

不祥事や想定外の環境変化も頑張りどころ?…30代であえて「修羅場経験」を積んでおくべき理由【転職のプロが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

35歳を超えてからの転職は難しい…いわゆる「35歳転職限界説」を気にして、転職すべきか悩んでいる人もいるかもしれません。実際には35歳以上の転職数は増えており、この説も「昔話」と言われることが増えています。とはいえ、年を取れば取るほど即戦力性や高い専門能力、マネジメント能力などが求められることに変わりはありません。そこで本記事では、木村勝氏による著書『会社を辞めたいと思った時に読む セカンドキャリアの見つけ方』(ビジネス教育出版社)から一部抜粋し、30代が転職に向けてやるべき準備について解説します。

30代になったら自分の「市場価値」を常にウォッチすること

30代では、会社を辞めたいと思っても思わなくても転職サイトに登録することは、基本中の基本動作と思ってください。なぜなら、30代という年代は、転職市場において最も人材として求められ転職オポチュニティが高まる時期であり、このチャンスをみすみす逃す手はないからです。

現在大手の転職サイトでのマッチングは、ほぼAIによって行われています。企業側が求める条件を要素に分解し、一方転職者側のキャリアも職種、業界などに要素化し、それをAIが自動的に結びつけます。自分の志向とは合わない求人情報が頻繁に飛んでくる場合には、転職サイトに登録したご自身のキャリアの棚卸しが不十分なことも考えられます。

ご自身の今までのキャリアや今後の希望を外の世界に提示し、それを外部の目で見てもらうことは重要です。転職サイトへの登録は無料ですので、転職する気がなかったとしても無料で外部からの客観的なキャリア診断をしてもらえていると考えるだけでも登録しない手はありません。

「ライフキャリアレインボー」の考え方

ライフキャリアレインボーという言葉を聞いたことがありますか。ライフキャリアレインボーとは、キャリア=職業とは考えず、キャリアを人生のある年齢や場面のさまざまな役割(ライフロール)の組み合わせと定義するキャリア理論です。

アメリカの教育学者、ドナルド・E・スーパーが1950年代に提唱しました。人は生涯にわたり、社会生活や家族の中において経験や役割を積み重ねていきます。その中で自己のキャリアを形成していくという考えです[図表1]。

30代という年代は、この役割が重層的に増えていく時期と重なります。結婚することによって、パートナー(配偶者)という役割が加わり、子どもが生まれることにより、親という役割が加わります。

30代からの「会社を辞めたい」においては、前もってこのように役割が増えていくことを計画に入れておく必要があります。

一般的にいって結婚前の時期でしたら、比較的自分の独断で「会社を辞める」ことを決めることができますが、家庭を持つとキャリアチェンジに関しては、多くの場合〝制約〟がついてきます。結婚後は、パートナーの意向も考慮する必要がありますし、子どもの教育環境の要素も考慮に入れる必要も出てきます。

関係者が増えれば増えるほどキャリアチェンジには慎重な対応が求められるようになることは常に頭に入れておく必要があります。ライフキャリアレインボーに関して付け加えると、従来は高校・大学で終了と考えられていた学生(=学ぶ人)という役割の位置づけも変わってきています。

学生時代の蓄積と会社に入ってからの社内研修のみで定年まで行けた時代は終わりました。「人生100年・現役80歳時代」には、常に学び続けることが必要であり、「学ぶ人」という役割は終生続きます。

30代は踏ん張りどころ、あえて積んでおきたい「修羅場」経験

外資系コンサルティング会社が官僚や伝統的な大企業に変わって東大生の就職先の上位を占めるようになっています。

2022年卒業生の就職先で最も多かったのは、外資系コンサルのアクセンチュア。就職先の上位10社は、以下、2位ソニーグループ、3位楽天グループ、4位マッキンゼー・アンド・カンパニー、5位日立製作所、6位に同数でソフトバンク、野村総合研究所、PwCコンサルティング、9位に同数でヤフーと富士通が続いています。

外資系コンサルと言えば、一般的には激務のイメージが強い業界ですが、高い給与水準に加えて、自らの成長とやりがいを重視する学生には適した環境が用意されていることが人気の理由にあるかと思います。コンサルの仕事をステップに、起業やキャリアアップを目指す学生も少なくありません。

時間をかけてじっくりと優秀な社員を育てる日本型の伝統的な企業のやり方では、ますます激化するグローバル競争やパラダイムチェンジする企業環境の変化についてはいけないという本能的な危機意識の表れかもしれません。

30代は「修羅場経験」をあえて積んでおきたい時期でもあります。修羅場経験とは、それまでの経験では太刀打ちできないような大変な経験のことを指します。例えば、不祥事対応や想定外の環境変化などに立ち向かうといったことが修羅場経験に当てはまります。

高度成長の時代には、一人前になるまで10年~15年とじっくり時間をかけ育成していく伝統的大企業の育成方法が効果的でした。専門知識・スキルを時間かけて獲得していくことにより、企業へのエンゲージメントも高まりますし、企業に個別最適な、言い換えると他社での汎用性がそれほど高くない専門知識やスキルを時間かけて獲得してもらうことは人材の社内囲いこみの観点でも合理的でした。

それが今は変わりました。短期間のうちに密度濃く修羅場経験を積んでいくコンサル企業のほうが環境変化に対してキャリア的にも合理的な選択肢になってきたのです。

あなたがどんな業界にいるにしても30代は進んで修羅場経験を積んでいくべき時代です。もちろん健康を害するような激務はNGですが、目の前に現れた修羅場に関しては、逃げることなく経験として立ち向かっていくことがあとのキャリアに効いてきます。

キャリアチェンジの成功者の自伝を読むと、やはり成功のベースには若いころの修羅場経験にあることがわかります。誤解を招く言い方になるかもしれませんが、頑張りどころを逃すことなく、この時期は流行に乗るようにワークライフバランス派に安易に追従しないことも必要です。

木村 勝 行政書士 リスタートサポート木村勝事務所 代表

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