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「ちょっと話がある」←離婚の切り出し方で使わないほうがよいワケ【弁護士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月29日 10時0分

「ちょっと話がある」←離婚の切り出し方で使わないほうがよいワケ【弁護士が解説】

普通のカップルであっても、一方的に別れを切り出すのは難しいものです。結婚しているとなるとさらにハードルが高まるでしょう。法律によって婚姻関係が認められているものを解消するのですから、揉めてしまうと裁判になるなど想像以上に大事となる可能性も。本記事では、Authense法律事務所の離婚問題に精通する白谷英恵弁護士が、離婚を上手く相手に切り出す方法について解説していきます。

離婚を切りだせない…気持ちを上手く相手に伝える方法

DVや不貞など、具体的な理由があれば離婚を切り出しやすいものですが、価値観が合わない、いつの間にか嫌悪感が蓄積していたといったことが理由の場合は、離婚を切り出しづらいものです。

しかし、離婚したい気持ちを抱えたまま夫婦生活を続けても幸せにはなれませんから、気持ちを上手く伝える準備をしておきましょう。

離婚するのに適している3つのタイミング

離婚をすると生活環境が変わりますから、子どものことや家族の状況も加味しなくてはいけません。ライフステージによっては相手が受け入れやすいこともあるので、離婚をするのに最も適したタイミングを見極めておきましょう。

1.パートナーの定年や転職のタイミング

定年や転職など、今までとは違うライフスタイルになるタイミングは、離婚のことを切り出しやすいです。パートナーにとっては突然の離婚話であっても、人生の転機ですから、それに合わせてある程度冷静にこれからの人生を考えて離婚を検討してもらえる傾向にあります。

また、定年退職のタイミングであれば、退職金を分けて、離婚後の生活資金の当てもできます。定年や転職など新しい人生をスタートさせるときは気持ちも切り替えやすいですから、適したタイミングといえるでしょう。

2.子どもがいる場合は幼少時もしくは自立したあと

子どもがまだ小さい場合は、親の揉めごとを理解するようになる前に離婚を切り出すのがベストです。パートナーが納得して離婚するまでには時間がかかるかもしれませんから、そのあいだは家庭内の雰囲気が悪くなります。もちろん小さいときでも雰囲気を察知しますが、離婚を理解できる年齢になっていなければ子どもの心へのダメージを軽減できます。

小学校中学年以降になってしまうと、親の離婚による心の傷が最も大きく出る年齢になるので、できれば精神的に自立し始める高校生や大学生になるまで待ったほうがいいかもしれません。子どもの気持ちを優先できる状態であれば、高校卒業や金銭の負担が減る大学卒業、成人のタイミングが理想的です。

3.自分が冷静に離婚を伝える用意ができたとき

定年まで待てない、子どもの成長も待てないという場合は、自分が落ち着いて離婚の意思を伝えられるときが最も適したタイミングになります。普通の生活のなかでは、なかなか離婚を切り出すタイミングというものはありません。どんなタイミングであってもパートナーは驚きや怒り、悲しみなど負の感情を抱くことになります。だからこそ、相手がどのような態度であっても冷静に対応できる時が適しているのです。相手の感情に合わせて自分の感情もアップダウンしてしまうと、離婚の話はスムーズに進められません。

ただ、パートナーが仕事で疲れきっていたり、離婚のこと以外で揉めごとがあったりするときは、感情的になりやすいのでやめておきましょう。離婚の話をしたあとに、パートナーがゆっくり考える時間が取れる休日や休日前の夜など、離婚の話を先延ばしにしないタイミングを選んでください。

離婚の上手い切り出し方

離婚の話をするうえで悩んでしまうのが切り出し方でしょう。お互いの気持ちが離れていれば切り出しやすいですが、普通の生活を送っている場合は、どうやって切り出せばいいかわからないかもしれません。ここでは、切り出し方を3つご紹介するので、自分に合った方法を選んでみてください。

1.自分の気持ちを紙に書き出す

金銭トラブルや浮気、DVやモラハラなどの具体的な離婚理由があれば、それを伝えることで切り出せますが、性格の不一致やすれ違い、子どもの教育に対する考え方の違いなどの場合は、いきなり離婚の話をしても自分の思いをうまく伝えられないかもしれません。離婚理由があらゆる方向に飛んでしまっては、パートナーも理解しづらく離婚する意味もわからないので話し合い自体が始まらないでしょう。

また、自分でも論点が絞れなくなってしまうので、離婚したいと思う理由や今現在の気持ちを整理して紙に書き出しておいてください。書き出しておけば、論理的に伝えることができますから切り出しやすくなります。

2.手紙で切り出す

自分の口から上手く伝える自信がないという方は、手紙で切り出してみましょう。離婚したいという意思や離婚を考えるに至った理由だけではなく、離婚後の生活などを盛り込むと、相談ではなく離婚を前提に話し合いが進められます。

ただし、相手に対しての不満や文句を書くのは避けてください。パートナーが不快になったりむかついたりするような内容を書くと、離婚云々ではなく喧嘩になってしまいます。感情論になってしまうのは得策ではありませんから、離婚をスムーズに進めることにフォーカスした内容にまとめましょう。

3.メールで切り出す

手紙で切り出しても、いずれは直接話し合わなくてはいけません。そのほうが気まずい、しかしいきなり直接話すのもためらいがあるという方は、最初にメールで離婚のことを切り出してみましょう。

このとき、「ちょっと話がある」など曖昧な言い方をしてしまうと、いろいろと勘ぐって不安になってしまうので得策ではありません。離婚について話し合いたいから時間を取って欲しい、ときちんとなにについて話し合うかを明確に伝えることが大切です。

離婚の話し合いでは離婚理由を論理的に伝える

離婚を切り出された場合、まず知りたいのはなぜ離婚しようと思ったのかということです。離婚理由を伝えてもすんなり受け入れてはもらえないのが一般的ですが、パートナーとしては修復点を見つけたいかもしれませんし、納得したい気持ちがあるのでしっかり順序立てて伝えましょう。

ただし、自分の意見を押し付けるのではなく、相手の意見も聞きながら、折り合いがつけられることがあれば1つずつ解決していくのがベストです。一方的に離婚理由を押し付けてしまうと円満な離婚はできないので、理由を理路整然と伝えて焦らずに話し合いを進めてください。

親権や慰謝料については離婚が決まってから

離婚となった場合、子どもがいれば親権のことが気になりますし、DVや不貞があった場合は、離婚後の生活を考えると慰謝料もしっかりもらっておきたいという気持ちもあり焦ってしまうかもしれません。しかし、こういった話し合いは離婚が決まってからするものであって、離婚の話をするときに自分の要望を伝えるのはNGです。

自分としては離婚が決まっているので早く話を進めたいかもしれませんが、まだ納得をしていない方からすると、そこまで考えていることが不快に感じます。相手が不快になると話がこじれてしまいますから、親権や慰謝料、財産分与などの話し合いは離婚の同意を得てからにしましょう。

相手に上手く気持ちを伝えるには?

相手に上手く気持ちを伝えるには、離婚を切り出された側の身になって言葉を選びましょう。いくら相手に積もり積もった不満や怒りがあるとしても、それをストレートに伝えてしまったら、パートナーもすんなり受け入れるのが難しくなります。

ところどころに相手を思いやる気持ちやこれまでの感謝なども織り交ぜながら、それでも我慢できない、結婚を続けられない、続ける意思がないということを伝えるといいでしょう。

ついつい相手を非難したり蔑んだりすると…

離婚を切り出すときには、相手を非難したり蔑んだりするのはやめましょう。離婚理由によっては、相手を責めたくなるかもしれません。

しかし、自分に非があったとしても、責められると反発したくなりますし、人間性を否定したりすると、性格によっては逆ギレして「絶対に離婚しない」「慰謝料や養育費はいっさい払わない」などと言い出す可能性もあります。離婚を切り出されるのは、相手にとって辛いことだったり自尊心を傷つけられたりするので、こじらせないようにするためにも相手を非難するような言い方をしないように注意しましょう。

離婚のきっかけとなった問題は曖昧にしない

相手を思いやる気持ちを持って離婚を切り出すのはいいことですが、離婚を考えるきっかけとなった問題点を曖昧にするのはNGです。オブラートに包みすぎた言い方で問題点を曖昧にしてしまうと、「やり直せるかもしれない」「離婚するほどのことではない」という気持ちを抱かせてしまうので話が前に進みません。

離婚の決定打となった事柄は、感情的にならないように事実を的確に伝えて、理解してもらう必要があることを忘れないでください。

お互いが同じタイミングで「離婚しよう」とはならない

ほとんどの場合、お互いが同じタイミングで「離婚しよう」とはなりませんから、離婚を切り出してすぐに理解してもらえるということはありません。タイミングや伝え方を間違ってしまうと、第三者に入ってもらわないと話が進まない状態になってしまいます。

離婚は自分の意思だけでできるものではないので、相手の気持ちを考えながら進めていくことが大事です。離婚のタイミングにも配慮し、しっかりと事前準備をしておくことが円満離婚への近道なのです。

白石 英恵

Authense法律事務所

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