オンボロマンション、自分の寿命が尽きるまで暮らす…70代・年金月15万円の熟年離婚組バツイチ男性が、シミだらけの部屋に住み続ける〈切なすぎる事情〉
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月23日 11時15分
![オンボロマンション、自分の寿命が尽きるまで暮らす…70代・年金月15万円の熟年離婚組バツイチ男性が、シミだらけの部屋に住み続ける〈切なすぎる事情〉](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_62200_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
建築当初はまばゆいばかりのマンションも、いずれは大規模修繕工事が必要になり、築40年以降となれば建て替えも視野に入ってくる。しかし、大規模修繕も建て替えも簡単ではない。実情を見ていく。
人のみならず、マンションまでも…高齢化が進展するニッポン
日本では、国民の高齢化のみならず、「マンションの高齢化」までも進展している。国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、築40年以上のマンションストック数は2012年調査では29.3万戸だったが、2022年調査では125.7万戸と、この10年の間に、4倍以上にも増えている。この先、10年後には260.8万戸、さらに10年後には445.0万戸になると推測されている。
![](https://ggo.ismcdn.jp/mwimgs/f/4/800m/img_f4781b2e23b4cfcc2d34ca145d46502d43159.jpg)
横浜市郊外の分譲マンションに暮らす70代の男性は、今後の生活拠点について頭を悩ませている。
「このマンションを購入したのは20代後半、結婚してすぐでした。ひとり娘もここで生まれ、巣立っていきました。恥ずかしながら還暦手前で熟年離婚しまして、元妻は実家の親族を頼り、貯金の大部分をもって関西に帰っていきました。いまは私ひとりで暮らしています」
築40年を超えるマンションは外壁が傷んでヒビが入り、天井の隅には大きなシミが広がっている。フローリングも日焼けし、古い冷蔵庫の下の塩ビのタイルの下にもシミが見える。
「空き部屋か、高齢者ばかりですよ。若い人なんて見かけません」
マンションだけでなく、入居者の高齢化も進む。マンション入居者で最も多いのは「60代」で27.8%、次いで「50代」23.7%、「70代」21.7%となっている。5年前調査と比較すると「30歳以下」が7.1%から6.2%と減少する一方、「70代」は22.2%から25.9%と増加している。
3ヵ月以上空室の戸数割合だが、築10年以内のマンションでは「0%=空室なし」が71.3%のところ、築40年以上のマンションでは32.1%。また、総戸数に対する所在不明・連絡先不通の住戸の割合が0%超~20%のマンションは3.3%。
空き家が多い、所有者に連絡がつかないという状況は、修繕の問題に直結する。実際、マンションなどの集合住宅における修繕費の不足は社会問題となっている。今回の調査では4割のマンションが「修繕積立金残だが計画に比べて余剰がある」と回答する一方、「計画に対して20%超の不足」と回答したマンションは11.7%、つまり10棟に1棟の割合だ。
老朽化対策についての議論の有無は「議論を行っていない」が66.1%で最多。「議論を行い、建て替えや解体、修繕・改修の方向性が出た」というマンションは13.3%にとどまっている。自身の住まいが「老朽化」という厳しい状況にあっても、それと向き合わない人たちが一定数存在するのである。
「自分の寿命が尽きるまで、どうにかもってほしい」
男性の年金は手取りで15万円程度。人付き合いもほぼゼロで、趣味もないため、生活はこれで回っているという。
「問題は、いつまで現状のまま住み続けられるか、ってことですよ」
男性は自嘲気味に笑う。
現状は問題ないが、元妻に多くの預貯金を渡してしまった男性は、大規模修繕等のまとまった出費が必要となれば、家計は大きく傾いてしまう。
建て替えの話もあるというが、状況はサッパリ動かない。多くの住民はこの男性と似たり寄ったりの状況なのかもしれない。
「そうじゃなければ、こんなところにしがみつかないでしょう? つまり、先立つものがないですから無理ってことですよ」
「妻と離婚してから、娘ともほとんど没交渉です。いまは連絡先もわからない。だから、私がここを離れたら、連絡手段がすべてなくなってしまうんです」
いま暮らしているマンションに買い手がつくとは思えず、もし別の賃貸に暮らそうにも、高齢者が借りるのはハードルが高い。
「寿命が尽きるまで、どうにかもってほしいですね。早いところ、お迎えが来てくれれば…」
日本の高齢化の問題は、高齢者のみならず、建造物にも大きな影を落としている。
[参照]
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本初!マンションの「建替バリュー」 を見える化する「スマート建替」、エリア限定リリース
PR TIMES / 2024年7月14日 21時40分
-
自分が先に逝くか、それとも…〈年金18万円〉81歳のおひとり様、雨漏りの天井を見つめ絶望「こんな結末を迎えるとは」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月13日 7時15分
-
ベンチャー企業勤務の40代男性、都内の半地下「じめじめマンション」から湾岸タワマン購入・お引越し→快適性に驚くも「いずれ手放す」と断言のワケ
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月6日 11時15分
-
押し潰されて死ぬなんてイヤだ「年金13万円」77歳のおひとり様女性、「耐震不安のマンション」を出ていけず、怯えて生きる絶望の老後
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月29日 9時45分
-
【年金月38万円・60代夫婦】余裕の老後生活へシフトのはずが一転。郷里の兄嫁、クルマに90代の母を乗せ、遠路はるばるやってきて…人生最大の番狂わせに「いまは無の境地」
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月26日 11時15分
ランキング
-
1泥酔して道端で寝ていると…介抱してくれた“女性”のまさかの正体。一ヶ月後に再会し、「思わず絶句した」
日刊SPA! / 2024年7月23日 8時52分
-
2「新しいiPhone」を少しでもおトクに入手する技 円安ドル高で、毎年のように値上がりしている
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 11時0分
-
3天才物理学者アインシュタインの脳に見られる特徴とは?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月23日 9時26分
-
4義母と元夫は減塩生活中!? 嫁に去られた親子の今…【お義母さん! 味が濃すぎです Vol.48】
Woman.excite / 2024年7月15日 21時0分
-
5私たちの「クルマ観」はこの7年でどう変わったか 新車?中古?EVは?データが見せる車トレンド
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)