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今さら財布を一緒にしておこづかい制にするのはあり得ない…50歳で結婚した私が〈夫婦別財布〉〈別居婚〉にこだわったワケ

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 6時15分

今さら財布を一緒にしておこづかい制にするのはあり得ない…50歳で結婚した私が〈夫婦別財布〉〈別居婚〉にこだわったワケ

KADOKAWA提供

マンガ家の影木栄貴(えいき・えいき)さんが50歳にして結婚するまでの道のりを赤裸々に綴った初のエッセイ本『50婚 影木、おひとり様やめるってよ』(KADOKAWA)が5月に発売されました。1987年から1989年に内閣総理大臣を務めた故・竹下登さんの孫、ミュージシャンでタレントのDAIGOさんの姉で、最近は北川景子さんの義姉という肩書き(?)も加わった影木さん。夫婦の財布は別で別居婚を選択したという影木さんの結婚生活について、同書から一部抜粋してお届けします。

財布は分けるべき

婚活を始める以前、一生一人で生きていく可能性が高いと思っていた私は、しっかりと老後資金のことを見据えて動いていました。小規模共済(フリーランスの退職金積み立て)に入ったり、株式投資を始めたり、金(きん)を買ったり、終身保険に入ったり。

最近は積み立てNISAも始めました。あれはいいものだ。あと物を買うときに、売るときに高く売れるか、ということも視野に入れ始めました。実家に戻ってからは、家賃がかからない分、貯金もできています(あ、もちろん毎月家にお金は入れてますよ)。

仕事は、漫画家本来の形から原作者やアドバイザーに形態を変えたので、アシスタント代もあまりかからなくなりました。

その結果、収入は減ったけど手取りは増えている、という状況になりました。前は仕事場家賃とアシスタント代の経費がすごくて、手元にあまり残らなかったので、貯金額も増えていって、投資も成功している今、資産形成は順調です。まあそもそも社会人時代から、かれこれ30年は働いてるわけだしね。ある程度は持ってるよね。

伝えたくない・知りたくない、互いのお金事情

しかし、私は夫になる人にはその金額や年収を言いたくありませんでした。女性がある程度以上の金額を所持していることを知ると、「俺、働かなくていいんじゃない?」と考える男性は少なからず存在します。ニートになったり、ヒモになったりする漫画やエッセイをたくさん読んできました。

わりと最近のドラマで、夫が妻の資産をすべて別口座に移してしまうシーンがありましたが、最悪、私を殺して全財産を奪おうなんていう男性も現れるかもしれません。そういう危険から身を守るためには、はじめから相手に資産を伝えないことが一番だと考えました。

また、世間では経理の人やマネージャーが横領してしまう事件も起こります。どんなにいい人でも、お金を見ると魔がさしてしまうことがあるのが人間です。お金がないとき、お金が必要なときならなおさら。それなら、そういうことが起こり得る状況を作らないほうがいい。なので、私は漫画家になってからのお金はずっと自分で管理して、誰かに任せたことは一度もありません。両親にもです。

一方で、私は夫になる人の資産も知りたくありませんでした。仮に夫が私より多く持っていたとしたら、私は「じゃあワイは働かなくていいや」と思ってしまうかもしれない。甘えが出て、仕事を真面目にできなくなったり、今までのように頑張れなくなったりするのが嫌なんです。

もしくは、仮に夫の資産が私よりかなり少なかった場合、何かの折に「ワイのほうが稼いでるんだからね!」というお約束の超NGワードを言ってしまったり、「ワイがお金を出しているんだから、そっちがワイに合わせるのは当然やん?」なんて口走ったりするかもしれない。いや、言うつもりはないけど、人間カッとしちゃうときもあるし。

お金の問題は、夫婦関係に亀裂が入るきっかけに十分なり得ると思ったのです。知らないままが一番平和。お互い、相手がどれぐらい持っているのか、稼いでいるのか知らない。必要なときに出し合う。それでいいじゃない。

「別居婚」ならではのお金に対する考え方

ただしこれは、生活費のかからない別居婚だからできることかもしれません。そうやって考えてみると、私たち夫婦は、自分の稼いだお金で自分の生活を送ってきた50代。今さら財布を一緒にしておこづかい制にするとかあり得ないと思うんです。私だったら多分キレ散らかす。「月3万円で暮らせってどういうこと!?」って(笑)。

私は私が稼いだお金は自分で管理したい人です。そこはいきなり生活スタイルを変えられないし、変えたくもないところ。もちろん無駄遣いしないようにとか気をつけますけど、それでもパチンコとかは上限気にせずやりたいし、いい株を見つけたら勝負をかける自分でいたい。高くても美味しいものを食べたいときもあるし、毎年家族にお年玉もあげたい。

そういう今まで生きてきて培った金銭感覚は変えようがなく、「今から二人で一緒に貯めていこうね! 節約頑張ろう!」とか言われたら震え上がります(笑)。今さら家計簿つけるとかも無理なのよ。

でも、前述のようにちゃんと老後を考えてお金の管理をしているし、手数料がかかる時間にATMを絶対使わないとか、カードを作らないとか、固定費増やさないとか、やれることは自分なりにやってます。ちなみに夫はあまり欲しいものがない人で、お金を使う機会がないらしいよ。今は私にめっちゃ使ってる(ニコ)。

一般的に、子どもの養育費が、一番予測がつかなくてお金がかかるとのこと。子どもがいない私たちにはそれが必要ないので、お互い持っているお金を自分たちだけに使えます。私には甥っ子と姪っ子がいるから、誕生日プレゼントを買ったり、節々でお金を出したり、欲しいと言われたらなんでも買ってあげちゃうけど、自分の子どもを育てることに比べたら、たいした金額ではありません。

私たちの結婚は、老後のために二人で使えるお金を、二人で持ち寄ったという形。お互いにとって必要な老後資金があればいいなって感じかなと思っています。今現在は共同財布を作っていて、必要なときはそこから出す、なくなったら足す、みたいにしています。やっぱり、単純に稼ぎ手が増えるのは心強いし、困ったときに助け合える相手がいるのはいいものですね。将来の不安を減らしてくれます。

影木栄貴 マンガ家

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