1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

後悔しています…日本年金機構から「赤色の封筒」が届いた〈月収35万円・40歳男性〉、25年後に知る「自分の不手際」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月25日 11時15分

後悔しています…日本年金機構から「赤色の封筒」が届いた〈月収35万円・40歳男性〉、25年後に知る「自分の不手際」

(※写真はイメージです/PIXTA)

何かとしがらみの多い会社員。「自由に仕事をしたい!」などと独立する人も少なくなりませんが、現実は厳しく、年金保険料を払えないほど困窮するケースも。結局、会社員に復帰し、ほっと胸をなでおろす……しかし、年金を受け取るような年齢になってから「何かの間違いでは?」と後悔する場面に遭遇する人も多いようです。

自由に仕事がしたい、収入を増やしたい…脱サラの厳しい現実

――いつかは、独立したい

サラリーマンのなかには、そう考えている人も少なくはないでしょう。とはいえハードルは高く、実際に行動を起こすのはかなりの少数派かもしれません。なんのハードルが高いのかといえば、やはり収入。会社員時代よりも稼げるという保証はどこにもありませんし、家族がいるとなると、さらに独立へのハードルは高くなります。

日本政策金融公庫『2023年度起業と起業意識に関する調査』によると、起業家に「事業からの収入が経営者本人の定期的な収入に占める割合」を尋ねたところ、「100%=ほかの収入はない」34.8%。「75~100%未満」が21.6%、「50~75%未満」が11.9%、「25~50%未満」が9.5%、「5~25%未満」が14.7%、「5%未満」が7.5%でした。3割の起業家が事業による収入が全収入の半分にも満たないという厳しい状況下にあります。

*事業に充てる時間が35時間以上の回答者

そもそもなぜ起業したのか、動機を尋ねると、最多は「自由に仕事がしたかった」で41.9%。「収入を増やしたかった」35.4%、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」17.9%、「自分が自由に使える収入が欲しかっ」14.6%と続きます。4割弱が収入増を目指しての起業であるものの、思惑通りにいかなかったケースは多いよう。夢破れ、再び、サラリーマンに……そういうケースも珍しくはないのではないでしょうか。

40歳の男性もそんな夢破れた、脱サラ組のひとり。男性の場合、業界紙を発行する新聞社から独立したあと、当分の間はフリーランスとして活動していくことに決めたといいます。業界内に知り合いも多く、何とかなるだろうと思っていましたが現実は厳しく、収入はサラリーマン時代を大きく下回ったといいます。5年ほど頑張りましたが「もう無理!」と古巣に復帰。前回会社を辞める直前の給与は月41万円。復帰した現在は月35万円と下がったものの、「やはりサラリーマン、安定が魅力」と、自身の選択を悔やんでいないとか。

会社員復帰の男性「フリーランス時代を振り返り、辛かったことは?」

そんな男性がフリーランス時代に特にきつかった事のひとつとして、日本年金機構から届いた色付き封筒をあげます。

会社員から独立してフリーランスへ。厚生年金から国民年金に切り替え、毎月国民年金保険料を納付しなければなりませんが、仕事がなく、とても月1.6万円ほどの保険料を払えない……。未納状態が続いたある日、日本年金機構から紫色で記された「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」が届きました。これは「保険料が未納ですよ」と知らせてくれるもの。それでも納付できないと無視していると、次に届いたのが青色の封筒にはいった「特別催告状」。さらに黄色の封筒に入った「特別催告状」、赤色(ピンク)の封筒に入った「特別催告状」が届いたといいます。

――青、黄、赤……この色、かなりヤバいのではないかと思い相談しに行った

結局、保険料の納付猶予を申請し、事なきを得たといいます。

もし、赤色に入った「特別告状」も無視していたら、どうなったのでしょうか。赤色の封筒に続いて届くのが、差し押さえの可能性を示唆する「最終催告状」。それでも納付に応じなければ「督促状」が届き、それでも納付に応じなければ「差押予告通知書」が届き……予告なしで差押え当日を迎えることになります。差押えの対象となるのは、例外はありますが「給与のうち一定額」「預貯金」「自宅などの不動産」「生活必需品以外の動産」「自動車」……生活を維持できるもの以外ものは、すべて取られてしまう、そんなイメージです。

――よかった、よかった、赤色の封筒が届いた時に対処して

サラリーマンに復帰し、これまでよりは安定した生活を送ることができる、と胸をなでおろす男性。これからは給与から年金保険料は天引きされ、日本年金機構から色付き封筒が届くことはありません。ただ忘れないでおきたいのが「国民年金保険料の追納」です。男性は保険料納付を猶予されただけ。免除の場合も同様ですが、最終的な年金額は保険料をいくら納めたかによるので、男性の場合、5年間保険料を納めておらず、将来的にその分だけ老齢基礎年金が減らされてしまいます。

■免除・納付猶予された期間がある場合の年金額

・全額免除:保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1

・4分の3免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の5

・半額免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の6

・4分の1免除:保険料を全額納付した場合の年金額の8分の7

・納付猶予:老齢基礎年金を受け取るために必要な受給資格期間にカウントされるものの年金額には反映されない

国民年金保険料を免除・納付猶予の承認を受けた期間は、10年以内であれば追納することができ、老齢基礎年金を満額に近づけることができます。ただ、年金保険料が天引きされる生活に慣れると、国民年金保険料に未納があることは忘れがちに……。25年後、65歳になり、年金を受け取れる年齢に。この時「あれ、なんか年金が少ないぞ……」となっても時すでに遅し。保険料を払っていない分、減額された年金が一生続くことになります。まさかの事態に膝から崩れ落ちることになるのです。

保険料猶予の申請の際には追納の案内をされるもの。また「ねんきん定期便」でも保険料の納付状況は確認できます。対処できるタイミングは、何回もあったはずです。それでも保険料の追納を失念し年金減額となるのは、自身の不手際と言わざるを得ません。そんな大後悔に直面しないよう、年金保険料の未納には気を付けたいものです。

[参照]

日本政策金融公庫『2023年度起業と起業意識に関する調査』

日本年金機構『国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度』

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください