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結婚39年でひとり身に…夫婦で年金35万円だった元キャリア妻、年金事務所で聞いた「遺族年金額」に涙腺崩壊「あんなに働いてきて、この仕打ち」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月27日 8時15分

結婚39年でひとり身に…夫婦で年金35万円だった元キャリア妻、年金事務所で聞いた「遺族年金額」に涙腺崩壊「あんなに働いてきて、この仕打ち」

(※写真はイメージです/PIXTA)

女性の就業率は上昇し続け、共働き世帯が専業主婦世帯を圧倒するほどのになっています。一方で、旧態依然の仕組みが残る年金制度。それは遺族年金も同様で、「なぜ、そうなるの!?」ということも。夫婦共働きでともに定年まで勤め上げた夫婦が直面した、年金の真実とは?

共働き世帯、1990年代に専業主婦世帯を逆転…2023年「1,278万世帯」

専業主婦か、それとも夫婦共働きか……結婚や出産を機に、今後のキャリアについて考えることも多いでしょう。最近は、雇用の形態が変わる場合もありますが、圧倒的に共働きを選択するケースが多いようです。

1980年代前半、専業主婦世帯は1,000万世帯を超えていたのに対し、共働き世帯は600万世帯ほど。「うちのお母さんは専業主婦」という家庭が多数派を占めていたわけです。

専業主婦世帯が1,000万世帯を割ったのは1985年のこと。そして初めて、専業主婦世帯を共働き世帯を超えたのは1992年のこと。1995年には再び、専業主婦世帯のほうが多くなったかと思えば、1997年には再び共働き世帯が専業主婦世帯を上回ります。

以降、専業主婦世帯と共働き世帯はほぼ同数程度で推移していきますが、2005年には100万世帯以上の差がつき、2010年には200万世帯以上、2013年には300万世帯以上、2015年には400万世帯以上と、差はどんどんついていき、2023年には761万世帯もの差が生じています。

【専業主婦世帯と共働き世帯の推移】

1983年:1,038万世帯 / 708万世帯

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1993年:915万世帯 / 929万世帯

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2003年:870万世帯 / 949万世帯

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2013年:748万世帯 / 1,069万世帯

2014年:723万世帯 / 1,082万世帯

2015年:692万世帯 / 1,120万世帯

2016年:668万世帯 / 1,136万世帯

2017年:641万世帯 / 1,188万世帯

2018年:608万世帯 / 1,224万世帯

2019年:584万世帯 / 1,251万世帯

2020年:574万世帯 / 1,247万世帯

2021年:569万世帯 / 1,257万世帯

2022年:539万世帯 / 1,262万世帯

2023年:517万世帯 / 1,278万世帯

女性の就業率は上昇したものの、正規雇用率はまだまだといったところ。2022年、女性の就業率と正規雇用率をみると、どちらもピークは20代後半で、就業率84.8%に対し、正規雇用率は59.7%。就業率はその後、60歳定年前まで70~80%程度で推移。一方で正規雇用率は20代後半をピークに減り続け、30代前半で4割、30代後半には3割台、60歳定年前には26.8%まで落ち込みます。

結婚40年を前に夫と永遠の別れ…「元キャリア妻」が遺族年金額を聞いて泣いた

今年、65歳を迎えたという女性。大学を卒業し、正社員として就職したのは1982年。まだ男女雇用均等法などない時代です。就職した会社の先輩として出会ったのが、2歳年上の夫だったといいます。

結婚したのは1985年。女性は結婚を機に退職するかどうか考えましたが、夫が「これからは女性も働く時代だからと」、あくまでも女性が仕事を続けたいなら続けたらいいと、後押ししてくれたといいます。こうして、結婚・出産を経ても正社員として働き続けることを選んだ女性は、2019年に60歳となり定年退職。夫はその2年前に定年退職をしていたので、これでやっと夫婦ともに現役引退。来年には、結婚40年を迎えます。

――結婚40年は「ルビー婚式」だって

――どんなお祝いをしたらいいんだろうね

そんな他愛もない話をしている矢先、突然の不幸が二人を襲います。夫が67歳で心臓発作で急死。まったく前兆などなく、あっけない別れでした。

あまりに突然すぎる夫との別れに「泣くことさえ忘れていた」という女性。初めて泣いたのは悔し涙だったかもしれないといいます。

それは、遺族年金の手続きで、年金事務所を訪れたときのこと。亡くなった夫は大学を卒業して以来サラリーマンだったので、遺された妻は遺族厚生年金を受け取れるはずです。

遺族厚生年金の年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額ですが、65歳以上の場合、「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」と「死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の額の2分の1の額と自身の老齢厚年金の額の2分の1の額を合算した額」を比較し、高いほうの額が遺族厚生年金の額となります。

ちなみに、夫婦の年金額は以下の通り。

夫:国民年金6.6万円、厚生年金11.5万円

妻:国民年金6.6万円、厚生年金10.7万円

■夫婦合計月35.4万円

単純計算、夫の遺族厚生年金額は月11.1万円。つまり女性は月28万円ほどを手にできる……そう思っていましたが、そうではなかったのです。65歳以上の遺族厚生年金の受給権者が、自身の老齢厚生年金の受給権を有する場合、老齢厚生年金は全額支給となり、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額の支給が停止となります。つまり「遺族厚生年金額-自身の老齢厚生年金額」でプラスとなった金額がもらえるということ、女性の場合は……「たった月4,000円!?」ということに。

――別にわたしの年金だけでも十分暮らしていけるので、悔しかったのは金額ではない

――「あなたの夫の遺族年金は4,000円です」と言われた気がして。「あんなに働いてきて、この仕打ちか!」と思ってしまったんです

大変な思いを色々してきた現役時代、夫婦二人三脚で頑張ってきた苦労が思い出されますが、その苦労の結果の遺族年金が「月11.1万円→月4,000円」と分かったとき、急にその苦労が否定された気がして、思わず涙が出てきたのだとか。

遺族年金の支給停止。そこに、色々な思いを抱く人もいるようです。

[参照]

総務省『労働力調査』

日本年金機構『遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)』

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