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「お父さん、どうしてこんなに早く…」葬儀から火葬許可申請書提出までの流れと、その他の手続き【相続専門税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月29日 11時50分

「お父さん、どうしてこんなに早く…」葬儀から火葬許可申請書提出までの流れと、その他の手続き【相続専門税理士が解説】

(画像はイメージです/PIXTA)

大切な親族が亡くなった瞬間から、親族は非常にあわただしい時間を過ごすことになります。一般的な法要の流れと、遺族がおこなうべき多数の手続きのタイミングを並列しながら、具体的な流れを見ていきます。自身もFP資格を持つ、公認会計士・税理士の岸田康雄氏が解説します。

火葬の手続き…「火葬許可申請書」はどこへ提出する?

突然父が亡くなりました。家族全員、大変なショックを受けていますが、これからおこなうべきさまざまな手続きの多さに圧倒されています。まずは死亡届を役所へ提出しなければならないとのことですが、火葬するための手続き、そしてその後に必要な手続きなど、流れを教えてください。 会社員(30代・千葉県船橋市)

亡くなった方の火葬をおこなうには「火葬許可証」が必要です。そして、火葬許可証の交付には「火葬許可申請書」を提出する必要があります。

火葬許可の申請書は、原則として、死亡届と同時に市町村役場へ提出することになっています。火葬許可申請書の提出期限は死亡届と同じで、亡くなった日から7日以内です。

病院や自宅、介護施設等で看取られずに死亡していた場合は、法律上では死亡を知った日から7日以内に申請する必要があります。また、海外で亡くなった場合は3ヵ月以内の申請が必要となります。

火葬許可証が交付されたあとは、葬儀と火葬の準備をおこないます。葬儀費用を負担する人について、とくに法律で決められているわけではありませんが、一般的には、喪主が支払うケースが多いといえます。

初七日までにやっておくべき手続きとは?

葬儀後の法要スケジュールは、宗派や慣習により違いがありますが、仏教の多くの宗派では亡くなってから七日後に営まれる「初七日」があります。ただし最近では、葬儀や告別式と同日に済ませる場合も増えています。

初七日までにおこなう必要のある手続きとしては、下記の5つがあります。

①死亡届の提出 ②病院及び葬儀業者への経費の支払い ③亡くなった方が当事者となっている契約の解約・変更 ④遺言書の有無の確認 ⑤年金受給停止手続き

とくに「①死亡届の提出」は、速やかにおこなう必要があります。

病院及び葬儀業者への支払いは、葬儀後、速やかにおこないます。病院への支払いは葬儀の翌日までにすませましょう。葬儀会社によって、当日精算のケース、後日の請求書で支払うケースなど違いがあるので、それに従うようにします。なお、葬儀費用は、相続税の計算で控除の対象となるため、領収書を保管しておくことが重要です。

亡くなった方が当事者となって結んだ契約は、亡くなった時点で無効になります。しかし、そのままにしていては、契約先は契約者が亡くなったことがわかりません。そのため、亡くなった方の契約先を確認して、不要なものは解約し、引き継いで利用するものは名義変更手続きをおこなうことが必要です。具体的には、クレジットカードやローンがあります。連絡しない限り支払が続いてしまうので、初七日までには確認しておきましょう。

遺言書の有無の確認は、遺産分割をおこなうために必要です。そのため、初七日を終えたあと、遺産についての話し合いが始まる前までに確認しておきましょう。なお、公正証書以外の遺言書は、勝手に開封することができません。検認手続きの準備も必要です。

年金の受給停止手続きも必要です。国民年金の場合は亡くなった日から14日以内に、厚生年金の場合には亡くなった日から10日以内におこなうことになっています。これらの手続きは、初七日のあとにすぐに期限が来るので、確認しておく必要があります。

四十九日以降におこなうべき手続きは?

初七日法要の次におこなわれるのが「四十九日法要」です。「四十九日」とは、死亡から四十九日後に営まれる法要で、きっちり四十九日後に法要をおこなうのではなく、昨今ではその前後の週末におこなうケースが多くなっています。また、四十九日で納骨するのが一般的です。

四十九日までにおこなうべき手続きとしては「生命保険の死亡一時金の請求」「遺品整理」や「形見分け」などが挙げられます。親族の集まる四十九日のタイミングでは相続に関する話し合いをすることも多いため、これらの手続きを済ませておくことが、円滑な遺産分割協議につながります。

生命保険の請求は、請求期限が3年以内になっている保険会社が多いため、必ずしも四十九日までに請求する必要はありません。しかし、遺産分割で保険金の分け方を話し合うこともあるため、請求手続きを先におこなっておくと安心です。

遺品整理や形見分けについてもどうようですが、後々のトラブルを避けるために、タイミングをずらすこともあります。

また、高額になりがちな納骨の費用ですが、これは葬儀費用と同様、相続税の計算で控除の対象となりますので、納骨にかかった費用を証明することができる書類を残しておくことが重要です。

四十九日の法要後に行うべき法要と手続きは?

法律で定められた手続きのなかで、3ヵ月以内におこなう必要があるものに「相続するかどうかの決定」があります。3ヵ月以内であれば、相続を放棄することができます。

また、4ヵ月以内におこなう手続きに「準確定申告」があります。亡くなった方が所得税の申告をしていた場合、医療費控除を受けた可能性が高く、その場合は必ず準確定申告をおこなわなければなりません。

そして、10ヵ月以内におこなう手続きとして、相続税の申告があります。

四十九日以降に行われる法要として、初盆があります。これは、亡くなってからはじめて迎えるお盆です。お坊さんに来てもらい、法要をおこなうのが一般的です。なお、四十九日前にお盆が来た場合は、次のお盆が初盆となります。そのあとは、三回忌や七回忌といった形で法要がおこなわれますが、回数を重ねるごとに規模は小さくなります。三十三回忌や五十回忌で終わりとなることがありますが、近年では、そこまで継続するケースは少ないかもしれません。

関係者への挨拶や香典返しも抜かりなく!

葬儀の直後に喪主がおこなう手続きとして、上述した病院や葬儀会社への費用の支払いのほかに、通夜や葬儀でお手伝いをしてくれた方や、故人の職場の方などの「関係者への挨拶」、そして「香典返しの手配」があります。

関係者への挨拶は、葬儀の翌日から初七日までにすませることが一般的です。故人の職場へ挨拶に伺う際には、職場から借りているものの返却や、逆に職場に残しているものを回収する必要があります。

香典返しは「半返し」が目安とされています。受け取った金額の半分程度の品物を、香典返しとして贈ります。これは、四十九日の忌明けに贈ることが一般的です。必ずしも葬儀の直後におこなう必要はありませんが、弔問に来てくださった方の記憶が鮮明なうちにとりまとめておくとよいでしょう。

岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)

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