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「あの人とは縁を切る!」つい絶縁することがクセになっているあなたへ…嫌いな人と接するときに覚えておいてほしい〈たった一つのこと〉【精神科医の助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月2日 11時15分

「あの人とは縁を切る!」つい絶縁することがクセになっているあなたへ…嫌いな人と接するときに覚えておいてほしい〈たった一つのこと〉【精神科医の助言】

誰しも「人から嫌われたくない」と思って生きているものです。しかしながら、そうした考えを突き詰めると「万人から好かれている」状態こそが理想ということになります。残念ながらそのような状態になるのは不可能でしょう。そこで本記事では、精神科医の西脇俊二氏の著書『繊細な人をラクにする「悩み時間」の減らし方 』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集して、事例別に解決策を紹介。第3回目のテーマは「人に嫌われたくない」です。

嫌われるのがイヤ

最初のテーマは、「人に嫌われたくない」です。まさに「本音」の話ですが、まずは、その本音をコーティングしている「建前」から見てみましょう。

皆さんは、「贈り物」の類いに、頭を悩ませたことはありませんか?

たとえば、年賀状や暑中見舞い、贈答品、誕生日プレゼント。「もらったのに返していない、どうしよう」「送ったのにお礼が来ない、どうしてだろう」などと、気を揉(も)んでいませんか? もっと身近なことで言えば、ラインの返信もそうです。

「既読したら早く返さないと」「未読の時間が長くてイライラしたかな」といった気遣いは序の口で、「あなたも早く返信してこい、って言ってるみたいかな」と、さらなる気遣いをする人もいます。

返したら返したで、「また返信が来たらすぐ返さなきゃ」と思ったり、「今のコメントは重たかったかな、もっと軽いノリでよかったのかな」「サラッと流しすぎ、って思われたかな」と、送ったあとで内容を後悔することもあるかもしれません。

さて、これらの気遣いも、相手だけではなく、実は自分を気にしている面があることに、お気づきでしょうか。

年賀状を返さないと悪く思われるかもしれない。ラインの返信が遅いと怒らせるかもしれない、早すぎたら「重い人」と思われるかもしれない。コメントが相手の意に沿わないものだと「気が利かない人」と思われてしまうかもしれない……。

気遣いの裏側にはえてして「嫌われたくない」という本音が隠れています。

「イヤなことを言うなぁ」と思われたかもしれませんね。でも、もう少しだけお付き合いください。この指摘は、最終的には、皆さんがラクになるためのものですから!

人に嫌われたり、人を怒らせたり、人からバカにされたりするのはイヤなものです。

できれば、誰からもそんなふうに思われたくないですね。誰からも……つまり、「全員に好かれる」のが理想だということです。しかしそれは、残念ながら不可能です。

大事なのは「しょうがないなぁ(笑)」の「(笑)」という感覚

古今東西、どんな人格者でも、天才でも、美男美女でも、すべての人から愛された人は存在しません。 そもそも人間は、他者の短所を嫌うとは限りません。長所に対しても、誰かが必ず、何かしら文句をつけます。清廉で高潔なら「堅苦しい」とか、誠実でやさしいと「いい子ぶってる」とか、身なりがきちんとしていると「隙がなさすぎる」とか、イケメンだと「ナルシスト」だとか、美人だと「冷たそう」とか、チャーミングだと「あざとい」とか……。

そして、非の打ちどころのない完璧な人(が存在するかどうかわかりませんが)に対しては「完璧すぎてつまらない」と、どこかで誰かが、絶対に言います。

「どうすりゃいいの」と思いますが、どうしようもないのです。

「そういうもの」なのです。

そう考えると、「人って、しょうがないなぁ(笑)」という気持ちになりませんか?

皆さんに持っていただきたいのは、この「(笑)」の感覚です。

嫌われたくない、好かれたい、というのは、「期待している」状態です。

期待があると、それが外れたとき落胆し、傷つきますね。

期待と落胆の間を振り子のように揺れているとき、気持ちはシリアスになります。

対して、「しょうがないなぁ(笑)」は、そこから一歩、外に出た感覚です。

「どうしたって、何かしら文句をつけるんだから、もう知らない(笑)」

「いちいち、付き合っちゃいられないよ(笑)」

と、少し距離を取った「(笑)」が出たとき、期待は良い具合に「オフ」になるのです。どうでしょうか、できそうですか?

「人間全般で考えると、できるかも。でも、実際に自分が嫌われたら、そんなふうに笑えない」と感じるかもしれません。それは「誰から」嫌われたときを想定しているでしょうか? 嫌われたら本当に悲しい相手も、たしかにいるでしょう。

でも、嫌われてもさほどダメージのない相手もいるのではないでしょうか。その人たちを気にしなければつらさは半減、事によると8割減になるかもしれません。

「全員から好かれるのは不可能」だと言いましたが、皆さんもまた、周りの人全員を好きになることは不可能ですよね。嫌いな人や、苦手な人が、必ずいるはずです。

そういうわけで、次は「あなたが人に抱くネガティブ感情」に焦点を当てて、「本音」を掘り下げてみましょう。

人を嫌うのも苦手

繊細な人が完璧主義になりやすいことは、すでにお話しした通りです。

「理想の自分」と違う自分にダメ出しをするクセは、他者に対する自分の感情に関しても出てきます。人にネガティブな感情を抱くと、居心地が悪くなったりします。

一方で、完璧主義がもたらす、もう一つのクセがあります。

トータルリジェクション、訳すと「全拒否」。ほんの少しのきっかけで、人を完全にシャットアウトするクセです。

たとえば、一度「ひどいことをされた」と思ったら、もうその人物を受け付けられなくなる。素晴らしい人だ、と思っていた相手にちょっとイヤな面が見えたら、好意がスッと消滅してしまう。そんなふうに、一度のことで、少しのことで、これまでの関わりをゼロにしたくなった、ゼロにした、という経験はありませんか?

完璧主義の人は、「こんな人だと思わなかった」「もう友達ではない」と、一緒に入っていたコミュニティまで何も言わずに辞めてしまう、といった極端な行動をとりがちです。そこまではしなくとも、「もうダメ!」「顔も見たくない!」という気持ちになったり。

繊細な人は純粋でもあるので、トータルリジェクション的な気持ちに駆られることも割にあると思います。つまり、一種の「許し下手」なのです。

素敵な人の中にもイヤな面があって当たり前ですし、尊敬すべき人の中にずるい面があっても当たり前なのですが、純粋すぎるとそれを許せないのです。

そのようにして、完璧主義が強いと、「人を嫌いたくない」という気持ちと「トータルリジェクション」というクセを併せ持つことになるわけです。

人を嫌いになりたくないのに、割としばしば人を許せなくなる、ということです。

……なかなかに厄介だと思いませんか?

でも、もしそれで苦労しているなら、その性質は変えることはできます。

「期待しない」が出てくることは、もうお察しですね。

ほんの一つの欠点も許せないほどの、相手への高すぎる期待をオフにする。

自分は人を嫌いになんかならない、という自分への過剰な期待をオフにする。

そうして、完璧主義を体質改善していく。これで全面解決です。唯一の難点は、「期待しない」の習得に時間がかかることです。なので、並行して、対処法も知っておきましょう。

嫌いな人を「完全に拒絶」することが悪手となるワケ

方法は、嫌いな人を「ほどほどに避ける」です。100でもゼロでもなく、中間です。「嫌うのがイヤ」は100に向かおうとするわけですが、それはストレスの多い時間を増やし、エネルギーを削ります。「私は人を嫌ったりしないんだ」と自分に言い聞かせつつ、苦手な相手とコミュニケーションをとるのは、わざわざ自らを消耗させるようなものです。

自分のメンタルのために、距離を取りましょう。適正距離は、「義務の範囲内」です。

嫌いな相手が上司なら、仕事上の会話はしないわけにはいきません。しかし、その上司がいる飲み会に参加する必要はありません。行かなくて良いというより、行くべきではありません。適正距離を保つレッスンだと思って、参加を控えましょう。

対して、トータルリジェクションはゼロに向かおうとする力です。これはこれで、人間関係の幅を狭めるうえに、ものの見方を一段と潔癖に、悪く言えば狭く、偏ったものにしてしまう恐れがあります。「二度と会わない」などの激しい反応をすると、相手だけでなく、周囲の人々にもなんとなく気まずい思いをさせてしまいます。

従って、ここも適正距離が必要。「絶縁しない程度の疎遠」が良い距離感です。

「あなたとはもう会わない」なんて大仰な宣言は必要ありません。会う回数や話す回数を、なんとなく減らしていけばいいだけです。

たとえば、大勢の人と同席する場では会い、二人きりになりそうなら帰る、といった方法が取れますね。相手からラインやメールが来たときも、「全部無視する」のではなく、返信までにやや時間を置くか、無難な返事をするのが良い匙(さじ)加減でしょう。

誘われたときは口実を設けて……ときには無難なウソをついて、断りましょう。毎回口実を考えるのが面倒なら、「義母の病院通いに付き添わないと」など、継続的に使える内容にするのも良いですね。 

悩み時間を減らし、お互いが傷つかないための方便に罪悪感を持つ必要はありません。 自分に対する潔癖、相手に対する潔癖、どちらもマイルドにしていきましょう。

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