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晩婚化で「子どもの教育費」と「自分たちの老後資金」の準備が重なってしまう…そんな悩みを解消する、とっておきの「教育資金の貯め方」【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月31日 10時15分

晩婚化で「子どもの教育費」と「自分たちの老後資金」の準備が重なってしまう…そんな悩みを解消する、とっておきの「教育資金の貯め方」【FPが解説】

子どもが生まれたら一刻も早く教育資金の準備を始めることが大切です。しかし晩婚化が進む今、子どもの教育費と自分たちの老後資金を同時並行で貯めなければならないという悩みを抱えている方が増えています。そこで本記事では、ファイナンシャルプランナー菱田雅生氏の著書、『お金のトリセツ100』(経済法令研究会)の中から一部を抜粋・編集し、今の時代に適した教育資金の貯め方について解説します。

教育資金はどう貯める?学資保険には要注意!

給与天引きや口座振替で貯めよう!

とにかく、子どもが生まれたら一刻も早く、教育資金の準備を始めることが大切! 「いや、それはわかったけど、どうやって準備すればいいの?」と思う人も多いでしょう(図表1)。

結論から言うと、ポイントは2つ。

①給与天引きや口座引き落としで貯めていく

②半分くらいは積立投資にする

まず、勤務先に財形貯蓄などの給与天引きで積み立てできる制度があるなら、積極的に使いましょう。給与天引きは最強です。貯めていることさえ忘れて、知らないうちにお金が貯まっていきます。

給与天引きの制度がない場合は、給与振込口座からの引き落とし(口座振替)で積み立てていきましょう。引き落とし日を給料日に設定するのがベターです。給与天引きとほぼ同じ効果が期待できます。

商品は、まずは積立定期預貯金などでよいです。ただ、高校入学時(15年後)や大学入学時(18年後)などの少し先の教育資金用のお金は、多少リスクを取った積立投資に回してもよいでしょう。さまざまな資産に分散した積立投資なら、年3~5%程度の利回りも期待できるからです。

学資保険やこども保険は不利?

教育資金を貯めるための保険としては、学資保険やこども保険が定番です。

しかし、昨今の超低金利下では保険の利回りともいえる予定利率が非常に低く、お金が増える効果はあまり期待できません。返戻率(支払保険料総額に対する受取保険金総額の比率)が高いものでも105%前後。つまり、18年や22年という長い期間でたった5%程度しか増えないのです。

手取り利回りを計算すると、年0.4%程度。保障(契約者(父親など)死亡後の保険料は無料など)がついているとはいえ、目的が教育資金を効率よく貯めることだとすると、積立投資よりも不利になる可能性が高そうです。

NISAも有効活用しよう

積立額の半分くらいを積立投資にするなら、NISAも有効活用しましょう。非課税期間は無期限(旧つみたてNISAは20年間)ですが、途中売却も可能なので、いつでも教育資金に充当できます。

積立投資のポートフォリオ(資産の組み合わせ)としては、代表的な4つの資産で運用している投資信託をそれぞれ買うか、4資産分散、6資産分散、8資産分散などのバランス(資産複合型)ファンドを買うか。コスト負担が軽いものを選びましょう[図表2]。

半分を積立定期預貯金、半分を積立投資にして、平均利回り年2~3%を狙う感じがベターかと思います。

【知っトク】途中でお祝い金が出るタイプは、利回りが低い? 中学入学時、高校入学時などにお祝い金が出る学資保険やこども保険も多いですが、途中でお祝い金が出るタイプは、通常のタイプよりもさらに利回りが低くなるので注意しましょう。なお、父親の死亡保障で教育資金分も考慮されているなら、学資保険やこども保険の保障部分の必要性も低いでしょうから、やはり、教育資金準備は積立貯蓄と積立投資をバランスよく考えるのがベターです。

晩婚化の時代、老後資金も見据えた賢い教育資金の貯め方

教育と老後の準備は同時にしなきゃダメ?

教育資金は、子育ての終盤(高校生、大学生のころ)に負担が重くなるのが一般的です。さらに最近では、晩婚化の影響もあり、子どもが高校生や大学生になるころには、親の年齢が60歳前後に達しているケースも増えてきています。

つまり、教育資金と老後資金の準備を、同時並行に考えなければならない世帯が増えてきているわけです。その意味でも、教育資金は子どもが生まれたら、すぐにでも積み立て始めることが重要でしょう。

今の時代にあった貯め方とは?

では、毎月いくら積み立てればいいの? と思う人もいるかもしれませんね。実は、将来の老後資金準備にも役立つ、とっておきの教育資金の貯め方があります。この方法は、労働組合向けシンクタンクである生活経済研究所®長野代表の塚原哲(さとし)さんがすすめています。画期的な方法なので、ここで紹介します。

[図表3]は、一般に教育費負担が重くなる16歳から22歳(高校生から大学生)までの各年の教育費を貯める際の、貯め始めの年齢ごとの必要積立額を表にしたものです。貯め始めが1歳時なら、毎月2.5万円をずっと貯めていくと、16歳から22歳の学費総額を準備できるわけです。

さらに、この貯め方の場合、16歳に到達した際には毎年1.9万円の積み立てが終了しますので、その後の必要積立額は年間28.4万円(=30.3万円-1.9万円)となります。17歳以降も同様で、年々積立額を減らしていくことができるのです。

21歳到達時の積立最終年は年間5.0万円まで積立額が減ります。この方法なら、子どもの成長にしたがって積立額を減らせるので、減った積立額を老後資金用の積み立てに回すことも可能になるわけです。

積立投資との組み合わせが有効

それから、高校・大学を私立に進学させたいと思う場合は、必要積立額も増えますので、子どもが生まれたら、なるべく早い段階である程度の教育方針を決めて準備を始めることが重要でしょう。

そのうえで、15年後、18年後などの学費等については、積立投資で利回りを高めようとすることも重要でしょう。必要額以上に準備できた場合は老後資金にも回せるからです。

菱田 雅生 ライフアセットコンサルティング株式会社 代表取締役 ファイナンシャルプランナー  

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