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あなたがいなくなっても、お母さんが大丈夫なようにしておいて。年金15万円・80歳の母が「深刻な病気の疑い」を打ち明けた長女に放った、衝撃のひと言

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 11時15分

あなたがいなくなっても、お母さんが大丈夫なようにしておいて。年金15万円・80歳の母が「深刻な病気の疑い」を打ち明けた長女に放った、衝撃のひと言

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進展する日本では、家族の介護負担も非常に大きく、子どもの生活を圧迫するケースが少なくない。ときには、介護する子のほうに深刻な病気が起こる可能性もあり、万一そうなれば、状況は一層大変なものになる。実情を見ていく。

老後の懸念事項は「お金」と「介護者への負担」

人間、だれもが年齢を重ねれば高齢者になる。そして、年齢が高くなるほど、介護が必要になる人も増加する。

朝日生命『自分の老後・介護についての意識調査』によると、「将来介護が必要な状態になると思うか」の問いに「思う」「少し思う」と回答した人は、合計で約7割。

そして「介護が必要になったときに不安に思うことは」の問いの最多の回答は「介護費用をまかなうための資金が不足すること 」が62.2%。「家族・親族に肉体的・精神的な負担をかけること」55.1%、「公的介護保険の内容だけでは支援として不十分なこと」49.1%、「家族・親族に経済的な負担をかけること」 45.8%、「介護してくれる人が身近にいないこと」45.2%、「介護がいつまで続くかわからないこと」44.9%となっている。

懸念事項はやはりというべきか、「お金」と「介護者への負担」に集約されている。

続いて「介護されるなら、誰にしてもらいたいか」の問いだが、最多は「その他の第3者」で37.4%。「夫または妻」22.1%、「子」10.7%と続く。年齢が高い層のほうが「第3者」を選ぶケースが多く、60代前半では40.8%となっている。

さらに「介護生活に望ましいカタチ」を聞いたところ、「介護施設に入居する」が56.7%でトップとなっている。以降、「在宅で家族に介護してもらう」21.9%、「在宅で家族以外に介護してもらう」が19.0%と続く。

要支援・要介護者の割合だが、60代後半で2.0%、70代前半で5.8%にとどまっているものの、70代後半では11.8%が要支援・要介護者となっている。80代前半になれば、26.0%と4人に1人、85歳以上では59.5%と、2人に1人の割合だ。

どんな人の人生も、介護する・されることと隣り合わせなのである。

50代長女、ワガママな実母の介護にゲッソリ

介護負担の重さに耐えきれず…といった悲しいニュースが定期的に報道されることからもわかるように、介護はときに大きな負担となる。

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、主な介護者が「ほとんど終日介護にあたったいる」という割合は、「要介護1」では11.8%だが、「要介護2」は17.0%、「要介護3」は31.9%、「要介護4」は41.2%、「要介護5」は63.1%…と、介護度が重くなるほど、負担も重くなっていく。

世田谷区在住の50代女性は、実家で独居生活を送っている母親の介護にゲンナリしていた。

「私は3人きょうだいの長女で、3歳年下の妹と、5歳年下の弟がいるのですが…」

女性のきょうだいはいずれも都内在住で、実家には電車で20~30分の距離。しかし、下の2人は仕事や家庭を理由にほとんど介護に手を出さない。

「妹と弟のあまりに他人事な様子に腹が立ちまして、無理やり実家へ送り込んだこともあるのです。しかし、逆に母から〈あの子たちが来ても、家のことはなにも頼めない。迷惑だから来させないで〉といわれてしまい…」

介護サービスの利用を検討したが、母親は「なぜ家族がいるのに、他人の手を借りる必要があるのか」と納得しない。

「挙句の果てには〈あなたは長女なんだから、長女としての責任を果たして〉といわれてしまい…」

「あなたに万一のことがあったら、お母さんは…」

仕事に、家庭に、母親の介護に…と、多忙な生活を送っていた女性だが、ある日、体調不良を感じ、忙しい合間を縫って診察を受けた。すると、重大な病気を疑わせる兆候があると指摘され、大きい病院へと回されることになった。

「あまりにショックで。病院の帰りに実家に寄ることになっていたので、真っ先に母へそのことを打ち明けたのです」

しかし、母親の口から出たのは衝撃的な言葉だった。

「あら、そうなの? 困ったわ」

「あなたがいなくなっても、お母さんが大丈夫なようにしておいてよ?」

女性はなにも言葉を返すことができず、そのまま帰宅した。

「あまりのショックで泣くこともできませんでした。私の心中を察したのか、高校生のひとり娘が〈ママ、一体どうしたの? なにがあったの?〉と心配してくれましたが、とても話せなくて…」

数週間後、検査の結果、女性の病気の疑いは晴れた。

「最初は母親の言葉にショックを受けたのですが、あとからだんだん腹が立ってきて。でも、思い返せば昔から自分本位な人だったんですよね…」

女性は妹と弟を呼び出し「母親に介護施設へ入所してもらう」と宣言し、いよいよ計画は実行に移されることになった。

「母は〈子どもがいるのにどうして施設に行かなきゃいけないの!?〉〈親を施設に入れようなんて、恥ずかしくないの!?〉って騒いでいましたが、知りませんよ、そんなこと」

女性の母親は80歳。施設の入居期間は5年以下といわれているが、長期の入居も想定し、月額費用は母親の年金額の月15万円で収まり、入居金も少額ですむところを探した。

「母を施設に入れて、母の身の回りの心配をしなくていい状況になったら、私はものすごく母の介護にエネルギーを取られていたんだな、と、改めて実感しました」

「これからは、母にかけていたエネルギーを、自分の家族や、自分のために使いたいです」

女性はそういうと笑顔を見せた。

介護の負担が、知らず知らずのうち、子どもの人生に大きな影響を及ぼしていることもある。家族として助け合うのは理想だが、理想のために無理を重ねてしまっては、何にもならない。日本はさまざまな行政サービスが整備されている。頼れるところは頼り、利用すべきところは利用し、なにもかもひとりで背負い込み過ぎないことが重要だ。

[参照]

厚生労働省「介護給付費等実態統計月報」

総務省「人口推計月報」

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