日経平均、急落…「買い場」ではあるものの、すぐに急反発するとは見込めない?【ストラテジストが解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 9時45分
![日経平均、急落…「買い場」ではあるものの、すぐに急反発するとは見込めない?【ストラテジストが解説】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/goldonline/goldonline_62341_0-small.jpg)
(※写真はイメージです/PIXTA)
本記事は、マネックス証券株式会社が2024年7月26日に公開したレポートを転載したものです。
本記事のポイント
・下落局面では「三空叩き込みに買い向かえ」 ・予想PERは今期になって最低となり、価格の調整はついた
下落局面では「三空叩き込みに買い向かえ」
結論からいうと、この下げは買い向かう場面だと思う。
今回の大幅安は、半ば想定の範囲内であり、半ば想定を超えるものであった。想定の範囲内というのは、典型的なピークアウトのシグナルが点灯していたからである。日経平均は7月11日に史上初の4万2,000円台をつけたが、そのときに大きく上放れて「窓」を空けた。翌12日には急反落となったが、今度は逆に下放れてやはり「窓」を形成した。11日の高値が2つの「窓」空けで取り残された離れ小島のようになった。これはいわゆる「アイランド・リバーサル」と呼ばれる形で、目先ピークアウトのシグナルだ。
筆者は、このアイランド・リバーサルが示現した直後に、「会社四季報ONLINE」の連載「先読み!ストラテジストに聞く」で、こう述べた。
「アイランド・リバーサルに長い上ヒゲ――これほど明確な天井のサインはない。ここからしばらく調整入りと考えるのが普通だ」。日経新聞にもテクニカルの好きな記者がいるようで、電子版の相場記事で「宵の明星」だの「三川」だの、やたらマニアックな解説を書いているので、興味のある方はそちらも参照したらよろしい。
テクニカルでいうなら、昨日(25日)の急落で3つ目の「窓」空けだ。酒田五法では、「三空に買いなし、売りなし」という。下落局面では「三空叩き込みに買い向かえ」だ。よって、冒頭の結論に戻る。この下げは買い向かう場面だ。以上。と、これで終わってもいいのだが、さすがにもう少し、なにかいうことがあるだろう、という声も聞こえるので、もう少しだけ付言しよう。
買い場ではあるが、すぐに急反発すると見込むのは早計であろう。テクニカルの続きでいうと、昨日(25日)の急落で一目均衡表の雲の下に抜けてしまった。雲がねじれているタイミングを計ったかのような下抜けだ。薄い雲だが、戻りの抵抗帯になるだろう。
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予想PERは今期になって最低となり、価格の調整はついた
次にイベント的にはFOMCに日銀の金融政策決定会合が控えていること。しばらく調整局面入りだと想定した一番の理由は(アイランド・リバーサルなどではなく―― そもそも筆者はチャート分析など信用しないのだから)これらの重要なイベントを控えて様子見姿勢が強まると見たからだ。
投資家の多くがイベント待ちで動かない・動けないとなると、急騰を受けた利益確定売りで、またはそれに乗じた売り仕掛けなど、少しの売り圧力で相場が大きく崩れることは毎度のパターンである。こうなった以上、金融政策決定会合が無難に通過するのを確認しないと、最終的なアク抜けにはつながらない。
また、急落のあとでは毎回述べていることだが、相場がいったん大きく崩れると一気には戻らないものである。「価格の調整は速いが、玉の調整には時間がかかる」から、というのがその理由だ。今回は米国のハイテク株安の余波もくらった下げなので、そちらのポジション調整との兼ね合いもあって、なかなかすっきり戻り切らないのではないかという懸念も残る。
そうはいっても「価格の調整」はついた。予想PERは今期になって最低である。日経予想で16倍割れ、QUICKコンセンサスベースで14倍台だ。
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肝心の業績―― 予想EPSの上振れが鈍いので、足元ではそれほど割安感が台頭していないが、第1四半期の決算が出そろうころには、バリュエーション面での買いが正当化できる状況になるだろう。
もう一度、結論をいうと、この下げは買い向かっていい。4万2,000円台をつけたときに上放れて「窓」を空け、「離れ小島」となった。その意味は、行き過ぎであり、いわば、ある種の「幻の値」である。相場でその価格はついたのは事実だが、実際のところは「なかったものとする」というのが「離れ小島」の意味である。そうであるなら、「三空」も同じだ。3つも「窓」を空けるのは行き過ぎだ。3つ目の「窓」から下の値は、いずれ相場が「なかったもの」としてくれるだろう。
筆者はチャート分析など信用しない。これは分析ではなく、チャートの解釈である。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
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