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子のいない夫婦、55歳夫が突然死。義母の口から出た「史上最悪の提案」…6,000万円の遺産をめぐり、涙を堪えた「50歳嫁の返答」【FPが解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 10時45分

子のいない夫婦、55歳夫が突然死。義母の口から出た「史上最悪の提案」…6,000万円の遺産をめぐり、涙を堪えた「50歳嫁の返答」【FPが解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

子のいない夫婦のうちいずれかが亡くなると、残された配偶者が、亡くなった配偶者の親と財産をわけ合うことになります。なかには嫁姑の関係が相続に大きく影響するケースも。本記事では、Yさんの事例とともに子のいない夫婦の相続トラブルについて、社会保険労務士法人エニシアFP代表の三藤桂子氏が解説します。

嫁姑の関係

Yさん夫婦は、会社員の夫が55歳、パート勤めの妻は50歳です。Yさん夫婦に兄弟はなく、夫には母、妻には両親が健在しています。Yさん夫婦の馴れ初めは、夫は大学卒業後、大手企業に勤めていた際、同企業に妻がアルバイトで働いていたのが、きっかけ。上司と部下という関係から交際に発展し、結婚に至りました。

妻は幼いころに大病したことがあり、日常生活に支障はありませんが、子どもを産むには体力的に難しいかもしれないといわれていました。結婚を決めた際は、夫の両親に子どもを考えていないことを話すと、反対されました。「一人息子の子(孫)の顔をみるのが楽しみだったのに」と散々嫌味をいわれた経緯から、疎遠な関係となっていました。

Yさん夫婦は都内近郊に一戸建ての家を購入し、ローンもすでに夫婦力を合わせて完済しました。夫が50歳を過ぎたころ、友人のファイナンシャルプランナーから、「あなたのところ、奥さんとお母さんが不仲といっていたじゃない。万一のことを考えて遺言書を作っておいたほうがいいと思う」といわれました。夫は遺言書なんて金持ちがやることと思い込み、これまで思いつきもしなかったそうです。しかし、これまでともに歩んできた妻を自分がなにかあったときに困らせたくないという思いから、夫は遺言書の作成を決意します。

遺言書の中身は、自身が亡くなったときはすべての財産を妻に相続させるというものでした。夫は嫁姑の関係がよくないことをよくわかっていたのです。

そして5年後、夫は脳梗塞で本当に帰らぬ人となってしまいます。

急死の知らせに、義母はYさんに対し、慰めるどころか「あなたと結婚しなければ、こんなことにはならなかった」と繰り返し罵声を浴びせました。妻は夫の突然の別れと、義母の罵声に妻は憔悴します。

妻が受け取れるもの

葬儀が終わり、一段落したところで、義母は「一人息子を奪っただけでなく、財産も独り占めするつもりなの」「息子を一人前に育てるまでにどれだけ苦労をしたか、(子どもを育てたことのない)あなたにはわからないわよね」と畳みかけてきます。

義母から息子の残した財産を聞かれ、すべて書き出すようにいわれました。一人息子を失った気持ちもわからないわけではないので、妻はいわれるがままに提示しました。

・自宅不動産(査定価格3,000万円) ・現預金等(3,000万円)

相続財産ではありませんが、亡くなった人の年金の加入状況などによって、妻は遺族年金を受け取ることができます。

遺族厚生年金:56万円×5.481/1,000×384×3/4=883,975円 中高齢寡婦加算:61万2,000円 合計:149万5,975円/年(月額約12万円)

「あなたはなにもしないでも遺産が入ってきて、年金まで受け取れるなんて図々しい」「あなたと結婚していなければ、私が受け取っていたものでしょう。最後まで私のものを奪うのね」義母の言葉に、Yさんは段々吐き気がしてきました。

遺言書があっても義母はおかまいなし

妻が義母に、生前、夫が遺言書を作成していたことを伝えます。すると「どうせあなたが無理やり書かせたのでしょう」とおかまいなしの様子です。

子どもがいない場合、義両親が法定相続人となり、配偶者と義両親の間で法定相続分をわけ合うことになります。この場合、配偶者に3分の2、義両親に合わせて3分の1の法定相続分が認められます。Yさんのケースでは、義母に3分の1の法定相続分あります。すると義母には2,000万円の取り分があると主張してきたのです。

遺言書があっても義母から遺留分侵害額請求があれば、遺産の6分の1の1,000万円は渡す必要があるのはインターネットで調べて知りました。ですが、義母からの提案は……。

「息子を奪われ、孫も顔をみることもできずに精神的苦痛を受けた。法定相続分だけでは納得がいかない。慰謝料として500万円よこしなさい」

義母の条件をすべてのむと、妻に残されるのは家と少しの現金。息子を失った母の想いを汲んだとしても、あまりにもひどい言葉に妻は困惑します。

義母の史上最悪の提案に妻は

結婚当初Yさんは、気難しそうな義母であってもなんとか仲良くやっていこうと思っていました。しかし、子どもができないことをきっかけに、不仲となり、疎遠になってしまいました。そして、夫が亡くなると、相続の取り分をできる限り増やそうとする姑のがめつさに心底愛想が尽きました。

「亡くなった夫には申し訳ないけれど、義母とのかかわりを完全に断ち切りたいと思うことはいけないことでしょうか」とYさんは自問します。

揉めないためにと作成した遺言書の夫の想いは、義母に伝わることなく、妻は「義母の提案を受け入れるかわりに、生涯、自分の前に現れないでください」と涙を堪えながら返すことがやっとでした。

子どもがいたら、揉めることがなかったのか、そもそもお金が目的だったのか、自分への嫌がらせをしたかったのか、いまとなってはわかりませんが、これからは、夫との思い出の詰まった家を守りながら、穏やかに暮らしたいと涙していました。  

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表

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