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究極的には見てわかればOK!プレゼンがうまくいくための資料の黄金ルールとは?【働き方コンサルタントの助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月25日 11時15分

究極的には見てわかればOK!プレゼンがうまくいくための資料の黄金ルールとは?【働き方コンサルタントの助言】

(※写真はイメージです/PIXTA)

いろいろな機能が搭載されたPowerPoint(パワポ)。活用すれば斬新なアイデアや、きれいなデザインを盛り込むことが可能ですが、いい資料の黄金ルールはそうではありません。一番大事なのは「見てわかる資料」であること。そのためのコツを「働き方改革プロジェクトアドバイザー」坂本崇博氏の著書『仕事のアップデート100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部抜粋し、見ていきましょう。

「見てわかる」資料はきれいなデザインである必要はない

プレゼン資料はどうやって作るとよいのでしょうか? 世の中にはプレゼン資料の作り方の本が数多く出ていますが、きれいなデザインでなければいけないというルールはありません。「見てわかる資料」であれば構わないのです。

パワーポイントでプレゼン資料を作る際に一番注意したいのは、ゴテゴテとしたデザインにしないこと。「デザイン」の中から様々なパターンを選ぶことができますが、無駄にカラフルだったり、柄が派手なものもあります。そういうベースデザインだと肝心の内容がパッと伝わらなくなるので使うのはやめましょう。

次に注意したいのが、色の使い過ぎです。パワーポイントはカラー写真も使え、文字や図形なども色を付けることができます。「ここを目立たせたい」「強調したい」というときに色文字を使うと、他の場所にも別の色文字を使いたくなります。すると、たくさんの色があふれて見づらくなるうえ、文字の色の違いが何を意味しているのか相手に考えさせるためNGです。

文字に使うのは「黒」と「もう1~2色」、枠や線などに使うのは「グレー」と文字で使っている色ぐらいに抑えたほうが見やすくなります。

次に注意したいのが、図形の形です。パワーポイントにはシンプルな四角や三角、丸、台形などのほか、星形や多角形、矢印や吹き出しなど多彩な図形があります。しかし、これも色と同様にたくさんの種類があると見づらくなり、内容が伝わらなくなります。使うのは四角や角が丸まった四角、丸と、シンプルな矢印ぐらいに抑えましょう。矢印の代わりに横向きの三角を使うこともあります。

写真についての注意点はほかの注意点とは逆で、やりすぎよりも細かくしすぎないことが大切です。写真はほかよりも数倍強いアイキャッチなので、パッと目に入るように大きく、1枚で使ったほうが目立ちます。

最後の注意点は、プレゼン資料はワードのように文章を読ませる細かいレイアウトにせず、短い文章か、目に留まる大きな文字でキャッチコピーを入れるのがセオリー。ワードは文章を読ませるためのものなので、文章が長くても抵抗なく受け入れてもらえますが、パワーポイントはビジュアルを見せるものなので、長い文章が書かれていても、視界に入ってこないためです。

プレゼン資料をパワーポイントで作るときは、シンプルなデザイン、色、形で、写真と文字を大きくするとよいでしょう。

【ポイント】

●プレゼン資料は派手である必要はない

●色・形・図の形はシンプルにしたほうがよい

●写真は逆に大きく1点使いのほうが目立つ

●細かい文字をたくさん入れるより、キャッチコピーを大きく

資料はシンプルでわかりやすいのがベスト

資料作りのコツの1つとして挙げられるものに「削りの美学」というものがあります。これは正式名ではなく「KISSの法則」というものをわかりやすく言いかえたものです。

KISSの法則とは、KISSの原則とも言われるもので、元々はアメリカの飛行機会社の技術者の「Keep it simple stupid.(シンプルで愚鈍にする)」という言葉が由来。1960年代の米国海軍でも使われた言葉で「愚直なまでにシンプルさにこだわれ」という考え方です。人はしばしば「物事をうまくやろう、良くしよう」として複雑な仕組み、やり方を選びがちですが、複雑にすること自体がリスクとなったり、価値を損なったりする原因となります。それを避けるために、余計なものを削るのです。

資料における余計なもの=削れるものとは何を指すでしょか。それは、パッと理解することを妨げるものです。

人は物を見るとき、大きさや色、形などの情報を一瞬で捉え、脳がその情報を認知して理解します。しかし、情報が多すぎると一瞬ですべてを理解することができません。すると、脳は余計なエネルギーを使わないように、考えることをやめようとします。つまり、考えることを放棄してしまうのです。

脳にとって「余計な情報」とは、同一性がないもの、つまり認知のために手間がかかるものです。

図形の種類が細かく異なっていたり、微妙な色の違いなどは脳にとってストレスとなります。丸や四角などの図形は視認性を高める効果がありますが、楕円やサイズ違いの四角など種類が多いと逆効果です。色も同様で、多すぎる色は脳に負担をかけるため、使うのは3色ぐらいに留めておくほうがよいでしょう。「形も色もシンプルに」が脳にとって一番受け入れやすいのです。

シンプルでわかりやすい資料のためには、文章にも気をつけなくてはいけません。最近の脳科学でも「文章は短いほど脳は認知しやすい」と言われています。広告のキャッチコピーや、雑誌・本の小見出しが文章より短いのは、パッと理解してもらうためです。

資料作りでいえば、文章で説明するよりも、要点は次のように箇条書きのほうが圧倒的にわかりやすくなります。

・脳は複雑な図形を嫌う

・脳は色が多すぎても見にくいと判断する

・文章は短いほど理解しやすく、箇条書きのほうが見やすい

資料作りの際には、この「脳に嫌われる要素をなるべく削る」という観点を持つことも大事になります。

【ポイント】

●余計な情報が多いと脳が認知をやめようとする

●削りの美学で余計なものを省くと読みやすさがアップする

●資料の文字や図の大きさ・形・色はバラバラにせず統一する

●長い文章は避け、箇条書きなど短い文章で説明する

【監修】坂本 崇博  コクヨ株式会社 働き方コンサルタント、働き方改革プロジェクト アドバイザー

1978年兵庫県生まれ。神戸大学経済学部を卒業後、2001年にコクヨ株式会社入社。“効率化”という観点から会議体の工夫、情報管理方法のアドバイスなどを自ら考案、新規事業として立ち上げる。2016年に総務業務を中心としたアウトソーシングサービスを提供するコクヨアンドパートナーズ株式会社を設立。現在は、コクヨ株式会社にて働き方改革プロジェクトのアドバイザーを務める。著書に『意識が高くない僕たちのためのゼロからはじめる働き方改革』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)がある。

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