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悔しくて、悔しくて…〈90歳義母〉の下の世話に〈年下サラリーマン夫〉の暴言に我慢の限界。63歳嫁、涙の決断【長男の嫁の壮絶介護の実態】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月30日 17時15分

悔しくて、悔しくて…〈90歳義母〉の下の世話に〈年下サラリーマン夫〉の暴言に我慢の限界。63歳嫁、涙の決断【長男の嫁の壮絶介護の実態】

(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化に伴い、深刻化する親の介護問題。そのようななか「介護は嫁の務め」などと、旧態依然の考えていると、とんでもないしっぺ返しをくらうことも珍しくないようです。

認知症の義母、介護スタッフと嫁の区別もつかず…繰り返される嫁への悪口

――便利な召使いくらいにしか、思っていないのではないか

結婚以来、5つ下の夫の実家で暮らしてきたという、63歳の女性。2人の子どもは独立し、義父はすでに他界。87歳になる義母と夫の3人暮らしですが、3年前から義母は認知症を患い、最近は女性を嫁と認識することも少なくなっているといいます。

認知症が発覚した際、遠くに暮らす義妹と夫と三人で、義母を施設に入れるかどうかの話し合いをしたといいますが、その時、夫は「看護婦だったんだから、自宅で面倒を看られるだろう」とひと言。「確かに」と、義妹も同調。結婚当初、夫婦共働きでしたが、50代手前で体を壊し、退職。以来、専業主婦を続けていたといいます。

――確かに、他の人よりは介護の知識はあるかもしれないけど

納得しつつも、夫や義妹の物言いが気になっていたといいます。それから3年。義母は女性と介護スタッフの区別もつかないようになったといいます。どうやら義母の意識は、女性と夫が結婚したばかりの頃に戻っているらしく

――うちの嫁は気がきかない

――共働きだからって家事は中途半端。嫁失格

と嫁=女性の悪口を言う一方で

――うちの長男は、本当によくできた息子で

――頭が良くて、一流大学を出たし、一流企業に勤めているの

と長男=夫の自慢話をしてくるといいます。「自分を悪口を言われているのに、“そうなんですねー”と聞いてあげて……結構きつい」と女性。さらに最近はひとりで用を足すことができなくなり、下の世話もするようになったといいます。

国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』では、妻からみたときの親の介護の実態を明らかにしています。それによると、妻の実親で介護が必要なのは、父で6.8%、母で13.7%。義親で介護が必要なのは、義父で4.8%、義母で11.2%。

また介護の必要な親の主な介護者をみていくと、実父を介護するのは、「実母」が最も多く33.2%、ついで「妻(娘)」で21.4%。実母を介護するのは「妻(娘)のきょうだい」が最多で31.2%、ついで「妻(娘)」で27.6%。義父を介護するのは、「義母」が最多で33.2%。「妻(嫁)」が主な介護者となるのは7.8%と少数派です。最後に、義母の介護をするのは、最多が「夫のきょうだい」で22.5%。続いて「夫」が16.3%、「妻(嫁)」13.2%と続きます。

平均寿命や夫婦の年齢差から考えて、父の他界後に母の介護が必要になる、というパターンが多いと推測されます。そのため、義母の介護をする「嫁」の割合は、義父のときよりも5ポイントほど多くなっています。

義母、近所を徘徊→保護されたのを聞いた夫、妻に吐き捨てた暴言

下の世話をしなければならなくなったという義母。恐らく、要介護3に相当すると考えられます。厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』によると、要介護3の場合、同居の主な介護者の介護時間は「ほとんど終日」が31.9%、「半日程度」が21.9%、「2~3時間程度」が11.5%、「必要なときに手をかす程度」は26.0%です。どれほど外部のサービスを活用するかによりますが、3割がつきっきりの介護という状況から、いかに介護負担が重いかが分かります。

さすがに毎日、自分の悪口を言われ、さらに下の世話までする。一方で、足腰には問題はないので、目を離すと家を出てしまい、近所や警察に保護されることも。そんな状況が夫の耳に入ったときのこと。帰宅するなり、女性を怒鳴りつけたといいます。

――ご近所さんに保護されるとは恥ずかしい

――何もしないで家にいるだけなんだから、きちんと介護くらいしろよ

あまりのことに、思わず「ごめんなさい」と謝ってしまったといいます。しかし、ひとり冷静になったときに、悔しくて、悔しくて、嗚咽してしまったといいます。もともと、モラハラ気質のところがあったという夫。このひと言で、何か糸が切れてしまったという女性。

――夫は看護師を求めているだけ。私じゃなくてもいいんですよ

「もう帰りません」と残して、高齢の両輪が暮らす実家へ。後日、あとは夫がサインをしたらいいだけの離婚届を送ったといいます。

高齢化に伴い、親の介護を理由に離婚に至るケースが増えているといいます。民法第877条1項条では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と明言しているとおり、法律上、嫁に直接の介護義務はありません。一方で、「相互扶助義務」(民法第752条)がある通り、夫婦間にはお互いに助け合うべきであり、夫が仕事などで親の介護が難しい場合は、代わりに妻がある程度支えることも必要です。

しかし、介護を押し付けているのでは、助け合っているとはいえません。全面的に親の介護をお願いしているなら、せめて「ありがとう」など、感謝と労いの気持ちはもっておきたいものです。

[参照]

国立社会保障・人口問題研究所『第7回全国家庭動向調査』

厚生労働省『令和4年国民生活基礎調査』

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