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「新卒から頑張り続けてきたのに、すっかりやる気が失せました」モチベーションも収入も急降下…50代会社員に立ちはだかる〈辛いキャリアイベント〉とは

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月31日 18時45分

「新卒から頑張り続けてきたのに、すっかりやる気が失せました」モチベーションも収入も急降下…50代会社員に立ちはだかる〈辛いキャリアイベント〉とは

(※写真はイメージです/PIXTA)

50代の会社員に訪れる大きな節目、それが「役職定年」と「定年」です。給与は50代前半をピークにその後は下がるというデータもあり、50代後半になると仕事へのモチベーションを失ってしまう人が多いのです。キャリアのプロである木村勝氏は、「50代からは働いて得られる報酬に対する考え方を変えるべき」と助言します。本記事では、木村勝氏による著書『会社を辞めたいと思った時に読む セカンドキャリアの見つけ方』(ビジネス教育出版社)から一部抜粋し、その内容をご紹介していきます。

50代特有のキャリアの節目…どう乗り越える?

新卒一括採用で入社した新入社員は、全員横並びで会社の出世コースに参加し、「収入」と「役職」を働くモチベーションとして頑張ってきました。この入社以来働くモチベーションとなっていた「収入」と「役職」という目標が無くなるのが、50代特有のキャリアイベントである「役職定年」(管理職)と「定年」という2回のタイミングです。

正社員の賃金カーブを見ても給与のピークは50代前半で、55歳を過ぎると下がり始めます。また、役職定年制により、55歳で課長職から、58歳で部長職から降りるケースが多くなってきます[図表1]。

人生100年・80歳現役時代、役職定年の55歳から25年、定年の60歳から20年間、これから先が長いのですが、この2回(「役職定年」「定年再雇用」)のタイミングをシニア社員は会社人生におけるキャリアのゴールと考えてしまい、モチベーションを下げてしまうのです。

2018年11月に発表された一般社団法人定年後研究所とニッセイ基礎研究所の試算によると、55歳以降の世代が役職定年でやる気を失うために生じる経済的な損失は年に約1兆5,000億円にのぼるという報告がなされています。一企業だけの問題にとどまらず日本経済にとっても大きな課題です。

50代からは働いて得られる「報酬」に関する考え方を変える

シニア社員が仕事へのモチベーションを下げてしまう原因として「収入」と「役職」という目標がなくなることにあることを説明させていただきました。残念ながら50代後半を過ぎても現職のまま、さらなる収入のアップとさらなる昇格を求めてもそれは現実的ではありません。

2023年時点でおおよそ54歳から58歳あたりの年齢層にはバブル入社世代が、その少しの下の49歳から52歳あたりには団塊ジュニア世代がボリュームゾーンとして控えています。働く期間が長期化する中で、このボリュームゾーンの賃金と役職を増やすことは、企業にとってはダイレクトに総労務費の増加につながります。

50代になったら働くことに関する「報酬」に関する考え方を変えていく必要があります。「収入」や「役職」といった目に見える報酬を追い求めるのではなく、「自身の成長」や「人脈の拡大」や「新たな仕事へのチャレンジ」といった目に見えない報酬にシフトする必要があるのです。

最後まで出世競争に留まったシニアは勝ち組と言われますが、人生100年・現役80歳時代の今後は、必ずしも勝ち組とは言えないかもしれません。理由は、最後まで「収入」や「役職」という目標を追い求めていく必要があり、セカンドキャリアへの準備が遅れるからです。

50代からは、雇用以外の選択肢を現実的なスコープに入れる雇用という選択肢が厳しくなっていく中で、それではそれ以外の選択肢はあるのでしょうか。筆者は「独立」という働き方こそ、これからのシニアの働き方として最適であると考えています。50代から準備して60代から「独立」というキャリアコースです。

50代からの転職事情は厳しいですが、ベンチャー企業・中小企業では、自社にいない経験豊富なシニア人材を求めています。

[図表2]は、中小企業・ベンチャー企業が抱えている事業課題をまとめた図です。中小企業・ベンチャー企業の現状(AS-IS)と目指す姿(TO-BE)の間には、様々な領域でギャップがあります。事業運営、投資、効率化、お金、組織・風土など課題は多岐にわたります。

あなたの今までの経験・スキルを活かして貢献できる領域もあるかと思います。事業課題を眺めながら、あなたがこれから売り物にしていく領域を決め、足りない部分は今のうちに補うなど計画的な準備を始めてはいかがでしょうか。

木村 勝 行政書士 リスタートサポート木村勝事務所 代表

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