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呪われますよ!? 当主以外の立ち入りが禁じられた「築100年以上」の不気味な蔵…親族の制止を振り切った税務調査官が目にした“衝撃の光景”【税理士が解説】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月11日 11時15分

呪われますよ!? 当主以外の立ち入りが禁じられた「築100年以上」の不気味な蔵…親族の制止を振り切った税務調査官が目にした“衝撃の光景”【税理士が解説】

(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査というと、法人や個人事業主といった事業者が対象になるようなイメージを抱いている人は多いでしょう。しかし、会社員や専業主婦であっても決して「無関係」ではありません。そして、普段税金とは縁遠い個人が対象となる相続税調査の現場では、“まさかの事態”が発生することも……。多賀谷会計事務所の宮路幸人税理士が具体的な事例を紹介します。

今の時期は税務調査が増える時期

税務調査といえば「ある日突然やってくる」というイメージを抱いている人もいるかもしれません。しかし、税務調査には「調査件数が増える時期」や「入りやすい時期」があります。

例年、国税局や税務調査官の定期人事異動は7月10日と決まっているため、異動が落ち着いたタイミングで調査件数が増えていくと考えていいでしょう。

また、調査官の人事評価の査定上、この時期に申告漏れなどを見つけると評価されるといわれているため、調査官たちも気合を入れて調査します。

ただし、明らかに脱税が疑われている場合などは時期に関係なく行われますし、設立したばかりの法人や開業したばかりの個人事業などは、2~3年で倒産するケ-スも多いため、会社設立後3~5年後にならないと調査に入らないといった特殊事情も存在します。

課税対象となる「意外な物」

いまの時期、特に個人が気をつけておきたいのが、相続税の調査です。相続税の課税対象となるものは預金や土地建物などの不動産だけではなく、「金銭に見積もることができる経済的価値があるすべてのもの」とされています。

たとえば次のようなものも相続税の課税対象となるため、注意が必要です。

①自動車

自動車は、相続開始時点での時価で評価されます。高級車などは何千万もするものもあるため、相続財産として申告しなければなりません。また、クラシックカーやいわゆる“旧車”と呼ばれるヴィンテージカーについても、一部で価格が高騰しているものもあるため注意が必要です。  

申告の際は、たとえば中古買取業者の査定価格などが参考になります。いまはオンラインで査定できるため以前ほどの手間はなくなりました。  

中古車市場の相場がわからないときは、その車の新品価格から償却費を引いた価格となります。

②高級腕時計

普通の腕時計であればそれほどの価値はないのですが、たとえばロレックスやパテック・フィリップといった高級時計の場合、単なる時計としての機能を超えた価値を持おり、数百万~数千万円という価格で取引されることも珍しくありません。  

相続税評価としては、亡くなった時点での時価となるため、オンライン等で市場相場を確認する必要があります。

③高級なお酒

「山崎55年」が香港のオークションにて1本約8,000万円で落札されるなど、近年海外で人気が急騰しているジャパニーズウィスキーや、ロマネ・コンティ、ペトリュスといった高級ワインなど、お酒も課税対象です。これらの相続税評価額は亡くなった時の時価となります。

④骨董品・美術品

骨董品や美術品も相続時点の時価で評価されます。購入して間もなければ購入価格による評価となりますが、価値がありそうなものであれば、専門家に鑑定を依頼したほうがよいでしょう。その結果、実は無価値だったとなれば、家財一式として評価に含めてもよいでしょう。

呪われても知りませんよ…“不気味な蔵”に興味津々の調査官

ここまで説明してきたように、現金や不動産以外であっても、資産的価値のあるものは課税対象です。富裕層は、資産の一部をこのような “実物”に変えて保有している場合もあるため、税務署は必死になって調べあげます。

実際、過去に知り合いから聞いた話では、実物資産に多額の追徴税を課された事例がありました。

その知り合いであるAさんの夫は資産家で、いわゆる“名家”とされる家柄です。Aさんの夫はその家の八代目当主でした。

そんなAさんの夫が亡くなってから2年後の夏、相続税の調査に伺いたいと税務署から連絡がありました。

当日、Aさん立ち会いのもとで調査が進められます。相続について調査官からひととおりヒアリングが済んだところで、調査官からある質問がありました。

調査官「母屋の隣のすごく立派な蔵って、いつごろからあるんですか?」

Aさん「あの蔵は築100年以上だと聞いています。代々、本家の当主以外は立ち入りが禁じられているので、私も入ったことはないんですよ」

Aさんの返答を聞いた調査官は、興味深そうな顔で次のように聞きます。  

調査官「そうなのですか。そんな話を聞いておいて大変恐縮ですが、調査のため蔵のなかを見せていただいてもよろしいですか?」  

Aさん「いや、ですから当主以外立ち入れないので無理ですよ! 当主以外が入ると祟られるとも言われているんですから」  

調査官「うーん……今回は任意調査ですが、調査官には質問検査権というものがありますので、正当な理由なく拒む場合は罰則規定で懲役刑か罰金刑を受けることになりますよ。どうしても見せたくないというのであれば、今後はあるいは強制捜査に切り替わることにもなるかも知れません」  

Aさん「……呪われてもよろしいのであれば。蔵の前まではご案内しますが、私は知りませんよ」

その後、税務調査官が現当主立ち合いのもと蔵を確認したところ、そこには驚愕の光景が。

Aさんも知らなかった“不気味な蔵”の真実

なんと、蔵のなかは外見の不気味さから想像もつかないほどきれいな内装で、数々の絵画や骨とう品が飾られていました。さらに、それらを見渡せる位置にひとりがけの椅子と小机、そして部屋の隅にはワインセラ-も置かれていたそうです。

蔵のなかにある品々の価値を調べたところ、なんと合計で約5,000万円の価値があることが判明。外見はかなり古く、不気味な様相を漂わせていたそうですが、実のところ蔵のなかは綺麗にリフォ-ムがされており、当主が趣味の絵画やワインを楽しむための“秘密の部屋”として使われていたようでした。

Aさん「えぇ……まさか、こんなことになっていたなんて。まったく知りませんでした。すっかり主人の言うことを信じて近寄らなかったものですから。でもいつこんなリフォームをしたのかしら……」

結果的に、相続税の追徴税額としての加算税を含めて3,000万円ほどを納付することとなりました。もっとも、Aさんは絵画や骨とう品、ワインなどにまったく興味がなく、すべて売却することにしたそうです。さらに「余ったお金で旅行でも行こうかしら」と上機嫌に話してくれました。

“実物資産”の申告漏れ→追徴課税は珍しくない

今回紹介した事例ほどではないにせよ、実物資産を相続財産として申告しなかった結果、後日の調査によって追徴税を課されてしまうというケースは珍しくありません。

通常の税務調査は任意調査で行われますが、任意とはいえ正当な理由なく拒否した場合は罰則がありますし、どうしても拒んだ場合、怪しいと思われて強制捜査に切り替わる可能性もあるため、素直に申告しておいたほうが安心です。

「これは申告する必要があるのか?」など迷った場合には、専門家に相談することも検討してみましょう。

宮路 幸人

多賀谷会計事務所

税理士/CFP

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