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働いたら負けだろ…年金「年間160万円」の両親を頼り続ける〈57歳・無職のひとり息子〉、遊び暮らした「35年の代償」

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月1日 7時15分

働いたら負けだろ…年金「年間160万円」の両親を頼り続ける〈57歳・無職のひとり息子〉、遊び暮らした「35年の代償」

(※写真はイメージです/PIXTA)

遅かれ早かれ、人は親から自立していくものですが、いい大人になっても親離れができない人たち。親のお金で生きる、ある意味「勝ち組」が、いつまでも「勝ち組」でいられるわけではないようです。

就職活動の同級生に嫌気…働く気を失くしてしまった男性

――働いたら負けだね

学生時代を振り返り、そんな強気の言葉を放っていたことを振り返る57歳男性。就職活動を経て、組織に組み込まれていく同級生の姿をみて、働くこと自体に疑問を感じたといいます。

男性は就職活動を一切せず、また大学を卒業してもアルバイトなどをするわけでもない。それでも毎日遊び歩いていたといいます。なぜ、そんな事ができたのか。なんでも親は会社を経営していて、自身は取締役に名を連ねていたからだとか。

――何もしなくても役員報酬が入るから

と高笑い。30代を迎えても、40代を迎えても、実家暮らしで親のすねをずっとかじり続ける男性。このような調子なので、いまでも独り身。

――結婚なんてしたら負けだね

働かず、親のすねをかじり続ける男性に、友人からは「このままでいいのか?」と諭されたこともあったといいますが、「うちは親が頑張っているから」と聞き耳を持たず。気づけは50代を迎え、60代もすぐ目の前まで迫っています。

ただどんなに親が経営者だからとはいえ、その親は相当、高齢のはず。いつまでも「働いたら負けだね」を実践しつづけるわけにはいかないのでは。

――親の会社は10年ほど前に廃業しましたよ

東京商工リサーチの調査によると、2023年の「休廃業・解散」企業は4万9,788件で、2000年に調査を開始以降、過去最多を更新。また休廃業企業の最終利益については、赤字企業率が47.6%に達しました。代表者年齢は「70代」が最多で42.9%。「80代以上」23.7%、「60代」が20.3%。「高齢だからこれ以上経営を続けるのは無理」と廃業を決めたのでしょうか。

男性の親が廃業を決めたとき、社長だった父親は77歳、母親は74歳。本当はひとり息子(=男性)に会社を継いで欲しかったようですが、「俺は働くつもりはないから」と拒否したとか。跡継ぎはおらず、今後、会社は現状維持はできたとしても成長は期待できない。しかし会社を解散したら、十分なお金は残る……こうして廃業を決めたとか。

現在、親の手元には3,000万円ほどの預貯金に加えて、両親の年金が月15万円ほど。これが家族3人が暮らす資金になっているとか。

――昔みたいに贅沢三昧とはいかないけど、働かなくても生きていけると思っていましたよ

立て続けに両親が認知症に…出費増で加速度的に貯蓄が消えていく

状況が変わったのは、いまから3年前のこと。母親の様子がおかしい……毎日、毎日、牛乳を買ってきては冷蔵庫の中をのぞいて「あら、まだ(牛乳が)あったわね」の繰り返し。冷蔵庫は常に牛乳だけでパンパンでした。

おかしいと思い医者にいったところ、認知症の診断。さらにそれから数ヵ月後、父親も同じように認知症と診断されたそうです。

高齢化の進展とともに、認知症患者は増加傾向。『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』の推計では、各年齢の認知症有病率が一定と仮定した場合、65歳以上の認知症患者数は2025年には約675万人(有病率18.5%)と5人に1人程度が認知症になると予測。2040年には認知症患者は800万人に達するとされています。さらに各年齢の認知症有病率が上昇した場合、認知症患者は2030年に800万人を超え、2050年には1,000万人、2060年には1,200万人に迫る勢いになると予想されています。

症状の進行は当初、緩やかだったので、特段問題はなかったといいます。しかし、認知症の診断から2年ほど経つと、日常生活に支障を来すことも多くなり、さらにトイレを失敗することも。

――もうだめだ!

父親と母親を介護施設に入所させることを決めた男性。いまは認知症の両親に振り回されることなく、自宅で穏やかに暮らしているといいますが、心配されるのは生活費。介護施設から請求額は、月によって違いはあるものの、2人合計月46万円ほど。自身の生活費も合わせると、月60万円近くの支出となります。

いままでよりも加速度的に減っていく貯蓄。不安が募るなか、古くからの友人たちからは「働くしかないのでは」以外の助言も聞かれず。

60代を前にして、いままで働くという経験はゼロ。「いまさら働くことなんてできるのか?」と自信もない男性。大学を卒業して以来、35年間、遊んで暮らしてきたしっぺ返しをくらっています。

[参照]

株式会社東京商工リサーチ『2023年の「休廃業・解散」過去最多の4.97万件、赤字率は過去最悪、倒産増で「退出企業」も過去最多』

内閣府『平成29年高齢社会白書』

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