1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

70代の父、急死…築古の実家空き家を訪れた40代長男、2階の和室を開けて思わず言葉を失った〈まさかの光景〉

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月1日 11時15分

70代の父、急死…築古の実家空き家を訪れた40代長男、2階の和室を開けて思わず言葉を失った〈まさかの光景〉

(※写真はイメージです/PIXTA)

年齢を重ねれば、誰しも健康リスクを抱えるが、近年の日本は異常な暑さなどの異常気象もあり、一層の注意が必要だ。そのようななか、家族が突然亡くなると、遺品整理は非常に大変なものとなる。実情を見ていく。

人間、だれしもいつかは「おひとりさま」に?

実家に帰省して笑顔の両親に迎え入れられるのは、いくつになっても心安らぐものだ。

しかし、しばらく顔を見なかった両親が一段と老いている姿を見るのは切ない。人間はいつか旅立っていくもの。年齢を重ねた両親も、やがてはどちらかが先立ち、遺された方が「おひとりさま」となる。

厚生労働省『令和4年人口動態』によると、2022年の死亡者数は156万6,032人。そのうち結婚している男性の死亡数は47万0,585人、結婚している女性の死亡数は16万4,550人。

60歳を前に亡くなる夫は1万7,642人、妻は1万3,902人。当然だが、年齢が上がるほど「妻(夫)に先立たれる夫(妻)」は増えていく。結婚している65歳以上の男性の死亡者数は43万9,891人、女性の死亡者数は14万3,116人となっている。

男性の場合は、男女の平均寿命の差、配偶者との年齢差から、何の疑いもなく「最期は妻に見送られて…」と考える人が多いようだが、現実的には「見送る立場」になる夫も、年間14万人近くにのぼるとみられる。

◆男女別・年齢別「有配偶者の死亡数」

60~64歳:13,052人 / 7,532人

65~69歳:24,661人 / 12,142人

70~74歳:56,975人 / 23,591人

75~79歳:73,045人 / 27,392人

80~84歳:100,986人 / 33,807人

85~89歳:106,830人 / 29,848人

90~94歳:61,634人 / 13,922人

95~99歳:14,636人 / 2,299人

100歳以上:1,124人 / 115人

※数値の並びは「男性/女性」

同居を提案する娘に「家を離れたくない…」

株式会社LIFULL seniorが親の死を経験した方に実施した「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」に関する調査によると、97.3%が「生前、親の今後に関する会話が不十分であった」と回答。親との生前のコミュニケーションの取り方の難しさが伺えた。

現代はだれもが多忙であり、時間が取りにくいということもあるだろうが、家族という絆があることから、つい会話をおろそかにしてしまうのかもしれない。

40代のある男性は、母親を亡くし、ひとり実家に残る70代の父親を気にかけていた。

「私は静岡県の出身です。私は仕事の関係で、都内に自分の妻と子どもと暮らしており、3歳年上の姉は、配偶者の郷里の名古屋に暮らしています。両親は私と姉が独立してから、20年以上2人暮らしだったのですが、残念ながら、3年前に母が先立ってしまい…」

ひとり残された実家の父親を心配し、男性の姉夫婦が同居を持ち掛けたというが、父親は首を縦に振らなかった。

「住み慣れた場所を離れたくないということでした」

男性も姉も、折を見て電話をするなどしていたが、忙しさにかまけ、間隔が空くようになってしまった。

「ところが、数ヵ月前、突然地元のご近所の方から連絡があって、父親が倒れたと…」

庭の手入れの最中に倒れたと思われる父親は、ご近所の方が呼んだ救急車で総合病院へ。脳梗塞との診断だった。

「残念ながら、その後、意識が戻らぬまま亡くなりました。ひとり暮らしになって、生活が不規則になっていたのが影響したのかもしれません…」

身内だけの小ぢんまりとした葬儀をすませると、男性は姉と話し合い、実家を売却して財産を半分ずつ分けることにした。とはいえ、お互い日常の生活がある。なんだかんだといって、父親を失った実家は、空き家のまましばらく放置されていた。

ところが、またご近所さんから突然の連絡があったのである。

「大変、実家の屋根が壊れ、暴風雨にさらされている!!」

「父が倒れたことを知らせてくれたご近所の方が、〈昨日の暴風雨で、実家の屋根が大変なことになっている〉と教えてくれたのです」

男性の実家は、祖父の代から住んでいる瓦屋根の築古の日本家屋。季節外れの強風と豪雨で屋根瓦が吹き飛び、大量の雨が吹き込んだのである。

「〈家のなかが大丈夫か確認したほうがいい〉〈漏電があったら危ない〉といわれ、すぐに車で実家に向かったのです」

一目で屋根瓦の脱落がわかるほどのひどい被害だった。瓦の下に敷かれた木の板が傷んではがれており、室内もかなりのダメージが予想された。

玄関ドアを開けて中に入ると、熱気と湿気のこもったムッとした空気に、男性は思わず息を止めた。

葬儀後、預金通帳や実印などの貴重品は姉に預け、冷蔵庫は中身を捨てて電源を抜くなどはしていたが、不用品の廃棄までは手が回っておらず、ほとんど父親が生活していたそのままの状態で放置されている。

男性は被害状況を見るために、瓦がなくなった真下部分となる、2階の和室に足を踏み入れた。

「これはひどい…」

畳は雨水を吸ってブヨブヨになり、本棚の本も書類も水浸しで、一部は床に落ちていた。湾曲したふすまもびしょ濡れで、ゆがんでいるのがひと目でわかる。

男性は、ふすまをガタガタとゆすりながら動かすと、なんと、押入れから大量の雑誌がなだれ落ちてきた。

「なんだ、これは!」

恐らく、押入れの天袋に積みあがっていた雑誌が雨水を吸い、重さに耐えきれなくなって底が抜けたのだと思われる。

「こんな雑誌が、こんなにたくさん…!」

男性は、降りかかってきた恐るべき量の「いかがわしい雑誌」に思わず言葉を失った。

上述の「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」のアンケートによると、会話が不十分だった具体的な話題については「遺品整理」が最多回答となり、遺品整理を経験した回答者の約7割の人が対応の大変さを感じているという。

親の死を経験した方に聞いた「親が生前のうちに十分に話し合えなかった話題」

家の片付けや遺品整理………44.2%

遺産や相続………41.5%

老後の医療や介護ケア………38.5%

老後の資金計画や経済面………36.5%

健康状態………35.8%

葬儀………35.0%

お墓や散骨………26.9%

介護施設への入居や住み替え………20.8%

特になし………2.7%

n=260 複数回答可

株式会社LIFULL senior(みんなの遺品整理)

「雑誌の件は、とても姉にはいえませんので、早急に業者を手配して片付けてもらいました」

「父親には〈始末しとけよ〉としか…」

年齢を重ねれば、いつ、どのようなことが起こるかわからない。気がかりなことは先送りせずに対処し、不安なことは身近な人に相談して都度解決しておくことが、何より重要だといえよう。

[参考資料]

厚生労働省『令和4年人口動態』

内閣府『令和5年版高齢社会白書』

株式会社LIFULL senior「親と話したい“親の今後”にまつわる話題」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください