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世帯年収1,600万円でも…「想像以上に厳しい」パワーカップルの現在地

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月1日 17時15分

世帯年収1,600万円でも…「想像以上に厳しい」パワーカップルの現在地

(※写真はイメージです/PIXTA)

「パワーカップル」をGoogleで検索すると、サジェストに登場するのは「パワーカップル ずるい」「パワーカップル 公務員」といった言葉の数々。はたして実情は?

「パワーカップル」何とも羨ましい響きだが…

「パワーカップル」。明確な定義はありませんが、夫婦ともに年収700~1,000万円以上の世帯を指すことの多い言葉です。

日本の所得平均について、厚生労働省『国民生活基礎調査』(2023年)より見ていくと、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が524万2,000円。「高齢者世帯」が304万9,000円、「高齢者世帯以外の世帯」が651万1,000万円、「児童のいる世帯」が812万6,000万円となっています。

所得金額階級別に世帯数の相対度数分布をみると、「100~200万円未満」が14.6%、「200~300万円未満」が14.5%、「300~400万円未満」が12.9%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値(所得を低いものから高いものへと順に並べて2等分する境界値)は405万円。パワーカップルという呼称の所以をうかがい知ることができます。

夫婦ともに年収700~1,000万円以上の収入があれば裕福な生活が送れるだろうと思われがちですが、現実はそう単純ではありません。特に税金と物価上昇が、家計に大きな影響を与えています。

東京都内に住むAさん夫婦は、共に年収800万円で世帯年収は1600万円です。しかし、毎月の支出はかなりの額に上ります。住宅ローンの返済に月々20万円、子供二人の私立学校の学費に月々30万円、その他の生活費や税金を合わせると、ほとんど貯蓄に回す余裕がありません。また、将来の教育費や老後の資金も考えると、不安が尽きないと語ります。

都市部での生活費の上昇は、Aさん夫妻に限らず多くの家庭で大きな負担となっています。住宅費や教育費が高騰しており、ファミリー向けのマンション購入や私立学校の学費は年々増加しているのです。国立大すら、学費の値上げが大きな議論を呼んでいます。

年収1,000万円の高給取りは「一番損をしている」?

多くのパワーカップル、特に年収1,000万円付近を推移している方の場合、所得税において「一番損をしている」と言われています。日本の所得税は累進課税制度。分布図最多の所得200万円~300万円では税率10%ですが、所得金額900万円~1,799万9,000円では課税率が33%にまで跳ね上がるのです。

仮にボーナスなどを考えず、ざっと月収80万円の場合、月々の手取りは57万円~60万円程度。半分……とまではいかないものの、額面と手取りの差に肩を落としている高給取りも少なくありません。

さらに、住んでいる地域の路線価が上昇することで、不動産の固定資産税や都市計画税などの税負担も増加します。これにより、年間の税負担がさらに重くなり、家計の圧迫要因となります。都市部では路線価の上昇が顕著であり、この影響を強く受けることになります。

潤沢な資金があれば、子どもの教育費にお金をかけたり、良い家を買ったりと夢が膨らむ一方ですが、その分支出は増えるもの。「パワーカップル」という言葉の裏には、案外素朴な生活が潜んでいるのかもしれません。

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