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初対面の人とのコミュニケーションを円滑にするために必ず知っておきたい「自己紹介」のNGパターン【キャスター・木場弘子氏が助言】

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月21日 10時15分

初対面の人とのコミュニケーションを円滑にするために必ず知っておきたい「自己紹介」のNGパターン【キャスター・木場弘子氏が助言】

初対面での挨拶に苦手意識を持つ人も少なくないのではないでしょうか? しかし、この最初の関門を越えてしまえば、相手との距離は一気に縮まり、良好な関係が構築しやすくなります。キャスターや社外役員として活躍し、「伝える」プロでもある木場弘子氏が、著書『次につながる対話力~「伝える」のプロがフリーランスで30年間やってきたこと~』(SDP)より、ビジネスコミュニケーションを円滑に運ぶうえで欠かせない「自己紹介」のコツについて解説します。

挨拶をされて嫌な人はいない

何事につけ「言うは易く、行うは難し」で、対話には「共感」が大切ですよと聞いたところで、それを実際に行えなければ意味はありません。

そんな風にならないよう、ここでは最も簡単で、効果のある「共感」の生み出し方をお教えしたいと思います。

それは――「元気な挨拶」です。

と、お話しすると「そんな、幼稚園の子どもに言うみたいな話」と、呆れる声が聞こえてきそうですが、ちょっと待って下さい。

たとえば、こんな場面を考えてみましょう。朝一番の職場に入って来るスタッフの様子――

「おはようございます! 爽やかないいお天気ですね!」

なんて、笑顔で元気に挨拶する人と、

「……おはっす(おはようございます、と言っているつもりのよう)」

なんて、目も合わせずにボソボソッとつぶやくだけの人、どちらの相手と仕事の話をしたいと思いますか?

答えは、聞くまでもないでしょう。

まさか今時、「おはっす」さんのような人はいないだろうと思いきや、スタッフに聞いてみると、世代を問わず意外なほどいらしたそうです。でも、これでは互いにテンションも上がりませんし、ましてや「共感」を持ってビジネスの話をしようという空気にはなりませんよね。

知人の管理職の方々に伺うと、最近は部屋に入ってきても挨拶をしない“忍者”のような人が増え、少々イラつくこともあるとか。

フリーランスである私の場合、初対面の方との仕事が多いため、インタビューでも、会議でも、講演でも、挨拶をしないなんて考えたこともありません。企業トップとの対談の現場は、その企業の事務局も、ライターさん、カメラマンさんなどもピリピリして空気がちょっと重いんです。そこを、元気に「おはようございます!」と笑顔で挨拶するだけで、張り詰めた空気が緩んでいくのを感じられます。私はその後、一つ二つ冗談を言ったり、名刺交換の時もちょっとした雑談を入れるなどしてトップの登場を待つようにしています。

仕事の前というのは、誰しも緊張感で硬くなりがちですが、そこから「さあ、やるぞー」という気持ちに変えるためにも、元気な挨拶を交わし合うことでスイッチが入ります。そこにいるみんなで一つのものをつくり上げる、そのための一体感を生む大事な行事だと思うのです。

このように、挨拶というのはその場の空気を温めるキャンプの“火起こし”のようなものです。

挨拶にはまた、互いの間の信頼を生む目に見えない力があります。スーパーマーケットの野菜でも、「私が育てました!」と生産者の方の笑顔とお名前を印刷したカードが付いているだけで、思わず手に取ってしまうもの。そこには、会ったことの無い方からの挨拶を受けて、「美味しく、新鮮な野菜」という信頼感が生まれているように思います。

挨拶には特別な技術は必要ありません。まず、元気に笑顔で「おはようございます!」と声を出す。「挨拶が無い」と怒る人はいても、挨拶されて嫌がる人はいないはずです。

印象に残る初対面へ

相手との「共感」を生み出す上で、第一歩は元気な挨拶からとお話ししました。

この場合、特にハードルの高いのは初対面での自己紹介ではないでしょうか?

今までの取引がある会社へ新しい担当として訪問する場合、あるいは先方の担当が変わった場合、さらに初めての会社への営業となるとハードルはいよいよ上がるでしょう。

初めての相手に、自分という人間をできるだけ知ってもらい、少しでも興味と共感を持ってほしい――とはいえ、限られた時間の中で自分の経歴を長々と話すわけにはいきませんし、背伸びした自己アピールをするというのも感心できません。

この場合、どうすればいいのでしょうか? ここでももちろん、最初の掴みは明るく元気にというのが基本ですが、肝心なのは続いての名刺交換の場面です。

ほとんどの人が単に名刺をやり取りし、すぐに「よろしくお願いします」と仕事の話に入るかと思いますが、それではあなたは単に「紙の上に書かれた名前の人」というだけに終わってしまいます。そうではなく、この一瞬を相手との関係を少しでも印象づけ、共感を生み出すチャンスにしてみましょう。

ここでの相手との関係というのは、どんなに些細なことでも構いません。

たとえば相手の名刺ひとつ取っても、そこには必ず関係を築くきっかけがあるものです。少し変わった名前の方であれば「○○○さんというお名前の方とは初めてお会いしました。どちらのお名前でしょう?」というように、何かしらリアクションをしてみます。それだけで、場の空気はぐんと和みます。最近は名刺自体のデザインも凝ったものが増え、表には会社のモットー、裏には商品・サービス情報が書かれていることも多いので、それ自体がその場の話題を提供してくれることも少なくありません。

訪問先の会社については最低でもHPをチェックし、ニュース欄などにある会社の最新情報を話題に出すと、先方は自分の会社のことをよく調べてるなぁ、と感心するかもしれません。また、これまでその担当の方と仕事をした同僚などに、話を聞いておくのもいいでしょう。

たとえば――

・「新しく発売された○○、さっそく食べて(使って)みました!」と相手の会社の新製品への感想を述べてみる。

・担当者の情報から「○○(同僚の名)に聞きましたが、大学時代は野球部のエースでプロからのスカウトもあったそうですね」と話題を振ってみる。

・「先月、お子さんが生まれたそうで、おめでとうございます」

・「○○支社におられたそうですね、あちらの□□さんには前に大変お世話になったことがあります」

――など、ちょっと意識すれば相手側との接点は色々広げていけるものです。

「ひと言自己紹介」の場で避けるべきこと

しかしながら、折角の自己紹介の場も、遠慮がちだったり、右に倣えだったりで、味気ないものに終わる場面によく遭遇します。審議会の最初の回には、進行の方から「ひと言自己紹介もお願いします」と促されることもあり、そんな時は、「1分ぐらいなら話せるんだな」と心の中で準備をします。ところが、1人目の方が肩書きと名前だけだと、後に続く人もそれだけに留まってしまうのです。これは勿体無いことです。肩書きや名前は委員名簿を見ればわかります。それより、その会議の内容と自分との接点や、どういう視点で参加するのかなど、1分あれば、お伝えできると思うのです。

以下は、数年前に私が参加した北九州港の長期構想の会議での自己紹介です。議事録を引っ張ってみました。

「私と北九州市さんとのつながりというのが、まず、幼少の頃に住んでいた経験があることや、実は、夫も北九州の出身で、家の中が九州弁だったりいたします。また、北九州市さんの市政50周年の冊子で市長さんと対談をさせていただいたこともございます。こういった点で、私自身は北九州市さんに親しみを持って参りました。さて、今回は、おそらく私が国交省の港湾分科会に十数年お世話になっていたり、港湾協会さんに籍を置いていたりというところからお声がけいただいたのだと思います。私自身は北九州市、あるいは、港について地元の委員の皆さんほど詳しくありませんので、今後、色々と教えていただきながら、一緒に議論に参加していきたいと思います」

おそらく、これで1分未満でしょう。初めにこういった自分の情報を示しておくと、他の委員の方との雑談のきっかけができます。各々の自己紹介にあったパーツの中から自分に接点があるネタを拾って、たとえば「木場さん、○○なんですねえ。私もそうなんですよ」「今度、意見交換を兼ねてご飯でも」などという風に。

円滑なビジネスコミュニケーションを目指すにあたり、人とつながることがとても大切です。そのきっかけをしっかりと捕まえて、逃さないようにすることが重要となってくるわけです。人とのご縁を引き留めるためにも自分のことを語る準備をしておくことをお勧めします。

木場弘子

フリーキャスター

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