ムダなやりとりで相手の時間を奪っていませんか?仕事のやりとりでは常に「コミュニケーションコスト」を意識して行動すべき理由【インターンシップ経験者が助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月1日 8時15分
(※写真はイメージです/PIXTA)
インターンをする際に重要なのがコミュニケーション能力。いかに相手とのラリーを少なくし、負荷をかけずに意思疎通を図れるかを意識する必要があります。本記事では、トテ ジェニファー麻綾氏の著書『学生がキャリアアップするためのインターンシップ活用術』(総合法令出版)より、一部抜粋・再編集して、コミュニケーション能力を高める方法について解説します。
コミュニケーションコストを念頭に置いて「結局何が言いたいのですか?」を回避
上司やほかのインターン、クライアントや外部関係者など相手方はさまざまだが、仕事上での意思疎通は毎日繰り広げられている。コミュニケーションに関係しては、“即レスは正義”だが、コミュニケーションコストを考えるというのはこれと同じぐらい大事なことだ。コミュニケーションまわりのことでいえばトップクラスに外せないポイントだといえる。
ここで伝えたいコミュニケーションコストというのは、なにもマニュアルを作成する、社内研修に参加する、といった大それたことではない。日々のメール、対面、社内ツールの節々で行われる何気ないやりとりで生じる負荷のことだ。少しでもラリーを少なくするためにはどうしたらいいか頭を使うことが、コミュニケーションコストを念頭に置くことにつながる。
“結論から述べるべし”というコミュニケーションの鉄則も結局はここに含まれるものだろう。日時調整ひとつをとってもこちらから候補日を複数提示して、相手がその中から日時を選択するだけであれば1ラリーで済むし、「確認お願いします」、ではなく「資料、〇〇ページ目のメッセージラインの言い回しはこれで違和感ないですか」と聞けば、相手は何をしてほしいのかがすぐに分かるので負荷が少なくて済む。
ここまでしてラリーを少なくする必要があるのには、単純に時間がもったいないし、長くラリーをしていると疲れるからという理由のほかに、人によって同じ時間で生み出せるものが違うという理由が存在するためだ。
自分とやりとりをする相手との時間帯価値は異なる。自分の時給は1時間1,500円かもしれないが、話している相手は時給5,000円の可能性もあるし、1万円の場合だってある。1時間は同じ1時間でもあるし、違う1時間という感覚が適正で、時間をいただいているという自覚が必要である。これは、正社員が年俸制であることやシフト制でないことは承知の上で、時給で換算した場合の話をするとこのような捉え方ができるという話だ。
さらに、給料としてもらう時給とクライアントに請求されている時間単価もまた異なる。自身のインターンとしての時給が1,500円でも、目の前のコンサルタントの時間単価は3万円の場合だって普通にある。そう考えると、コンサルタントの時間を無駄にすることは、間違いなく御法度行為であろう。
ただ出席しただけではいないのと同じ
タスクを進める上では、自分1人でタスクに向き合い、考え、手を動かす時間と、メンバーと話し合いをしたり会議に出席したり他者と連携をしながら遂行する時間がある。この2つを明確に切り離すことはできないと思うが、1人で黙々とPCをタイプしている時間と、会議室で壁打ちをしている時間はなんとなく仕事の進め方が違うイメージを持っていただけるだろう。
他者とやりとりをしながら仕事を進める時間では、必然的に相手に考え方を伝える必要が出てくる。検討した自分の意見を周知させるためにも、この時間は集中して臨みたいところだ。
しかし、はじめてのメンバーでの話し合い、自分は一番若手のインターンというような状況になると、多くの場合は怖気づいてしまい、自ら発言することができない。間違えたらさらし者になると思っているのか、緊張しているだけなのか、それとも指名されてから何か言えばいいと思っているのか……。いずれにしても、大抵の場合は沈黙していて、しまいには「え、いたの?」と思われることもある。こうなってしまうと最悪だ。
私もインターン先のMAVIS に入社して少ししたころの会議で「会議に出席しただけ、いただけでは存在していないのと一緒。もっとがつがつ感がほしい」と言われたことがある。たしかに、“空気”になってしまっては別のことをしていたほうがマシだと言われても仕方がない。
言うまでもなく、シチュエーションごとに的を射た発言ができるのがベストだ。しかし、定期的にある会議で、インターンが毎回クリティカルな発言をするのはなかなかハードルが高い。だが、実際には発言内容以上に何かを言うこと自体に価値が出ている場合もある。少しずれた発言をしてしまったとしても、その発言によって以降の会議の話題が広がり、発言をすること自体のハードルが下がれば、何を言ったってプラスにしか作用しない。
インターナルの会議であればなおさらそうであろう。むしろ、黙っていればいるほど、どんどん発言がしづらくなる。会議において“発言をしない〟という選択肢をなくした以上、いずれ声を発することになるのだから早めに手を挙げたほうが楽だ。
Bad Newsほどすぐに報告
インターンで働く中で、スケジュールを見誤ってタスクがさばききれそうにない、データ分析で数値がずれてしまっていたなど何らかのミスを犯してしまった際には、どのような対応を取るべきだろうか。
もちろんミスは起きないほうがいいのだが、誰しも失敗することはある。加えて大抵の場合、同じミスを繰り返さなければ許されるケースのほうが多い。けれども、そのときにどういった対応を取れるかによって、次に何のタスクを任されるか、メンバーにどのように見られるかが変わってくると思っていい。
結論、Bad News ほどすぐに報告ということを忘れなければ、まず間違いはない。
ミスが起きたと仮定して、すぐに報告をしたケースと最後まで隠し通そうとしたケースがあるとする。すぐに報告をした場合は一時的に怒られる可能性はあるが、この人は自分にとってマイナスの情報でもきちんと伝えてくれる人だという印象を与えることができる。
一方で、ミスを報告しなかったケースはバレても地獄、バレなくても地獄だ。報告しなければならないレベルのミスは、まず隠し通すことができないので「何でもっと早く言わないの?」となる。バレなかったとしてもメンバーの誰かが自分のミスによる帳尻を合わせるために動くことになるので、どちらにせよ全体に迷惑をかけているといえる。
自分で何とかできるレベルのミスであればわざわざ言う必要はないが、少しでも雲行きが怪しいのであれば、真っ先にメンバーや上司に報告するべきだ。隠したい、なかったことにしたいことほど報告することをためらってしまうのが人間だが、インターンがしてしまうミスというのは、言わないことによって後から生じる被害のほうが大きい。
一時的な羞恥心よりも、中長期的な信頼を獲得する思考でいてまず損はないし、上司を安心させることも部下の仕事のひとつだと思っている。
それに、「この人なら何かあったとしてもすぐに伝えてくれるから、安心してタスクを任せられるな」と上司に思わせられなければ、いつまでたっても仕事の幅は広がらない。
トテ ジェニファー麻綾
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