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嫌な目にあったらどうすればいい?そんなときは「セルフ労災制度」を使って得をしよう

THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年8月13日 11時0分

嫌な目にあったらどうすればいい?そんなときは「セルフ労災制度」を使って得をしよう

(※写真はイメージです/PIXTA)

どうすれば仕事がうまくいくのでしょうか? 女性起業家の田尻紋子氏は、著書『人生が180度変わる思考術 マーケティング脳で考えればうまくいく』で「マーケティング脳で考えるとよい」と言っています。一体どんなものでしょうか? 具体的なシチュエーションごとにご紹介します。

【シチュエーション】

職場で上司に呼ばれ叱責された。機嫌が悪いのか、内容は理不尽なものだった。

マーケティング脳がない人:嫌な気分のまま一日を終える。

マーケティング脳がある人:「これは〝労災〟が下りる」とワクワクしながら一日を過ごす。

職場で嫌な目にあったら〝労災〟が下りる

私がかつて務めていたのは、いわゆる〝ブラック企業〟でした。毎日のように理不尽なことが起こりましたが、起業したいという夢があり、すべてを吸収しようという考えがあったので、やめようとは思っていませんでした。そんな会社に勤めているとき、私はある工夫をしていました。それは「セルフ労災制度」。自分にふりかかる災難に「大」「中」「小」のランクをつけ、嫌なことがあるたびに、ランクに応じて自分に〝労災〟と称したご褒美をあげるのです。

といっても、〝労災〟に大金をかける余裕はありません。そこで、「小」はレンタルDVDを1本借りて良いことにする。「中」ならモスバーガーのハンバーガーを食べる。「大」は2000円まで書籍を買う、ということにしました。2000円の出費は痛手でしたが、会社をやめて収入が途絶えるよりはマシだと考えたのです。

たとえば上司から何か小言を言われたとします。相手の言葉を聞き流しつつ、頭のなかで「ああ、これは『小』だな」「これなら『中』までいける」「もっとひどいことを言えば『大』になるのに」などと算段を立てていました。「もっとこい! そうしたらハンバーガーと本までいけるぞ」と、内心ワクワクすることさえありました。

嫌なことが起こるほど自分が得をする

いまは会社をやめて独立しているわけですが、それでも嫌な出来事や対応のしかたが難しい事柄に遭遇することがあります。早く作業をしないといけない場合や、税金の事務作業をしたり、銀行とやりとりしたりするときなどは、組織に所属しているとなかなか1人で行うことがなかったので、難しい分ストレスも感じます。

他にも、何か新しい商品・サービスをつくりあげたり、苦手な作業には骨が折れます。そのようなときのために、〝労災〟の内容を見直しました。当時よりお金はあるので、ハイブランドの小物を買うことを自分に許したりもしますが、それよりも嬉しいのは「丸一日休む」「4時間YouTube のゲーム実況を見る」というものです。自由時間ほど楽しいものはありません。

つまりこのように、「セルフ労災制度」があれば、嫌なことが起これば起こるほど自分が得をするという逆説的な状況が生まれるのです。なぜこの「セルフ労災制度」を思いついたか。細かいことは覚えていないものの、私が子どものころ、テレビゲームに夢中になっていたことが関係していると思います。

当時は「ゲームをやりすぎると頭が悪くなる」と良い顔をされなかったのですが、いま思うと、ゲームで養った感覚はビジネスやマーケティングに役立っていると感じることがあります。テレビゲームでは「ボスキャラを倒すのは難しいが、倒せばたくさんお金や経験値を得られる」といった逆説的な設定がいくらでもあります。ゲームの制作者はそのような設定を苦心してつくっているわけですが、優れた作品には、人間の心理や行動原理、現実世界の社会構造などが反映されています。

したがって、ビジネスやマーケティングも、いわばゲームをプレーする要領でしくみを考えていくとうまくいくことが多いのです。「セルフ労災制度」はまさにその一例と言えるでしょう。さらに、会社での仕事でも、ゲーム感覚というのは役立つと思います。

たとえば、失敗すること。ゲームの世界では進め方を間違ってしまうとゲームオーバーになりますが、何度だってやり直すことができます。それに、失敗する度に攻略方法がわかってくるものです。ほかにも、お客様と良好な関係を築くことを攻略に見立てたり、上司や先輩社員に情報共有することをデータをセーブすることに見立てたり。さまざまに見立てて楽しむことで、仕事が面白くなるかもしれません。困難を突破する方法や、効率的に利益を得るしくみなどを考える際は、あなたもゲーム感覚で取り組んでみてください。

【アドバイス】

ビジネスは〝ゲーム〟だと思えばうまくいきます

【シチュエーション】

いつも理不尽なクレームをつけるお客様がいる。これから、その人に応対しなければならない。

マーケティング脳がない人: どこか逃げ腰のまま嫌々ながら話を聞く。

マーケティング脳がある人:「この人の別の面を見てみよう」と素直に話を聞く。

どんなに極悪人でも、良い面があるかもしれない

手塚治虫の『火の鳥』という作品を知っていますか? 『火の鳥・鳳凰編』の主人公の1人である我王は、生まれてすぐに右目と左腕を失いました。そのことで迫害を受け、盗賊として悪行のかぎりを尽くしていましたが、やがて改心し仏師として生きるようになります。私が着目したエピソードは、我王の二面性を表したお話です。

我王が盗賊だったころ、川に落ちたてんとう虫を助けるエピソードがあります。人を殺すこともいとわない我王が、たった1匹の虫の命を救った──我王のような極悪人にもやさしい一面があったわけです。このように、人にはさまざまな顔があり、会社や家庭、友人関係といったシチュエーションや、その人の精神的な状況によって、見せる顔が変わるのです。

特に、この作品を読んで私は「人は多面体である」ことを意識するようになりました。私が携帯電話ショップで働いていたときの話です。頻繁にクレームをつけにお店にやってくるお客様で中年の男性がいました。「水に浸けたら壊れたぞ!」と理不尽なことを言ってくるのです。そんなお客様に何度も応対するのは正直にいうと苦痛でしかたがありませんでした。

あるとき「人は多面体である」ことを思い出し、「このお客様にも良い面があるかもしれない」と考えてみることにしました。すると、クレームを聞くのがそれほど苦痛ではなくなったのです。それまでは、そのお客様と接するのはどこか逃げ腰だったのですが、素直に話を聞くことができました。実はその携帯電話はその方の娘さんのものだったそうです。

店員である私たちからしたら困った人ですが、娘さんには自分を守ろうとしてくれる「頼もしい父親」だったかもしれません。こんなふうに「人は多面体である」ことを意識すると、心に余裕ができて、仕事や生活がうまくいくことがあるのです。

人の別の面を見つけるために「興味を持つ」

「人は多面体である」ことがわかっていたとしても、別の面を見つけることは、実際はなかなか難しいものです。なぜなら、どのような人も初対面の印象や、自身の思い込みに縛られるからです。そのため、私はどんなに嫌な人であっても、別の面を見つけるために「その人に興味を持つ」ことを心がけています。

仕事に関することしか話さないような相手にも、家族や趣味などを聞いてみます。たとえば、会社でやり取りしているときは、とても神経質な人だと思っていたけれど、実は家族といるときはズボラで、信じられないような失敗をしている。こんなふうに、その人の普段とは異なる面がわかると楽しくなってきます。

「興味を持つ」は「好奇心を抱く」「人にワクワクする」と言い換えても良いかもしれません。「興味を持つ」ことはマーケティングにおいても大切にされています。商品やサービスを売る際、お客様の話を聞くことが必要ですが、相手に興味を持たずに〝聞いたふり〟をするだけでは、その態度を見透かされ、うまくいかないでしょう。相手のことを心の底から知りたいと思うからこそ、その誠意が伝わるわけです。

「人にワクワクする」ようにしていると、自分のまわりに嫌な人がいなくなるメリットもあります。そうすると、幸福感を持つことができます。また、自分が「嫌だ」と思っていなければ、その気持ちが相手にも伝わり、実際に嫌な振る舞いをしなくなるかもしれないのです。

【アドバイス】

人をさまざまな面からとらえ直すとより深く理解できるようになります  

田尻紋子

女性起業家

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