FXで、相場格言「頭と尻尾はくれてやれ」を効果的に実践するには？【月利30％のプロトレーダーの助言】

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「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉を聞いたことはありますか？　相場の歴史の中で語られてきた教訓のひとつです。今回は、初心者トレーダーの悪いクセとその改善方法について、相場格言に基づき株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。

大きく利確したいトレーダーたちが血眼になって探すもの

トレーダーであれば誰でも相場から1円でも多く利益を得たいと考えるでしょう。もちろん利益を得ようと意気込むことは大切ですが、利益を得ることに集中しすぎると思わぬところで損失を被る可能性があります。

相場を客観視せずに自分の願望だけ叶えようとすると、相場の流れに対する思い込みが生じます。一度偏った思い込みが発生すると、自分のトレードに一貫性を持たせようとする心理が生じるため、なかなか思い込みから抜け出すことができません。その結果、ジリジリと損切りを積み重ねてしまいます。

トレーダーが陥りやすい思い込みによる行動のひとつが、「相場の転換点による逆張りトレード」です。相場にはトレンドがあり、上昇トレンドと下降トレンドを繰り返します。トレンドに追従するトレーダーは、いち早く相場の転換となるポイントを探し、トレンドの第一波に乗ることを目的としたテクニカル分析をしています。相場の転換点でいち早くトレンドに乗れれば乗れるほど、得られる利益は大きくなります。

大きく利益を獲得したいトレーダーたちは相場の転換点を血眼になって探します。テクニカル分析を用いて、客観的な理由をもとに相場の転換点を見つけるのはいいことですが、主観に基づいた分析を行ってしまうと、転換点はただの思い込みとなり、かえって損失を被る原因になります。

主観で相場の転換点を予測してしまう初心者トレーダー

初心者トレーダーの多くは、買いであれば、最安値でポジションを取り、最高値でポジションを閉じることを美徳としています。そのため、いかなる相場でも誰よりも早くトレンドの転換を察知し、トレンドの第一波に乗ることを目指します。

プロトレーダーでもトレンドの変化をいち早く察知することは難しいことです。しかし、初心者トレーダーはプロトレーダーでも難しいと考えることを毎回のトレードで実現しようとしてしまいます。これは、初心者トレーダーの悪いクセといえるでしょう。

最安値でポジションを取ろうとする初心者トレーダーは、トレンド転換の起点となる「底」をテクニカル分析によって導き出そうとします。もちろんうまくトレンドの底を見つけることができれば、大きな利益を期待できますが、大抵の場合は主観で判断した底よりも深く値動きが進んでしまいます。その結果、トレンドに対して何度も逆張りをすることになり、トレンドの転換点を迎える前に資金がなくなってしまいます。

プロトレーダーのように相場の転換が完了したことを確認してから相場に参加すればいいものを、大きく利益を取りたいという欲に駆られてしまうが故に、初心者トレーダーは無駄な損切りを繰り返してしまうのです。

「頭と尻尾はくれてやれ」…プロトレーダーの心得

相場の格言で「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があります。この格言は相場心理に基づいていて、シンプルではあるものの的を得た指摘となっています。トレンドの始まりと終わりを頭と尻尾にたとえていて、トレンドの始まりから終わりまでのすべてで利益を得ようとすることは難しいため、美味しいところだけを得ればよいという格言です。

先述したとおり、トレンドの起点と終点を判断することはプロトレーダーでも難しいものです。そのため、トレンドの起点を狙うことは難しいと知っているプロトレーダーはトレンドの始点は狙わずに、トレンドが形成されたという事実を確認してからエントリーポイントを探します。

トレンドが形成されたという事実があるだけで、無駄な損切りに巻き込まれる可能性は低くなり、より確信度の高いトレードをすることができます。頭と尻尾はくれてやれという格言は「機会損失をしたくない」という人間の根底にある心理に打ち勝つための優れた格言であるといえるでしょう。

事実に基づいた客観的分析ができるようになれば、トレードは各段に上達する

今回は、思い込みによって、主観でトレンドの転換点を判断してしまう初心者トレーダーの末路を紹介し、トレンドの転換点を見極める難しさについて解説しました。

FXの勉強を始めたばかりの初心者は、トレードにおいて完璧主義を目指す傾向にあります。完璧なトレードを目指すあまり、テクニカル分析の視野が狭くなり、客観的な相場分析ができなくなってしまいます。FXで継続的な利益を目指すのであれば、完璧主義なトレードは控えるべきでしょう。

客観的な分析を心がけて、事実に基づいた分析のもと相場の流れに上手く乗り、機会損失を恐れずトレードをしていくべきでしょう。自分のトレードに自信を持てない方は、ぜひ心の余裕を意識しながらトレードに励んでいきましょう。

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント

執行役員